Ⅰ
主人公
名前 五十嵐 留佳
性別 女
歳 16~
誕生日 2月22日
性格 優しい 優柔不断 泣き虫
頭が良く、加われない話などすると勉強始めることが多いので勉強の虫・・・と言われている
大人気アイドル様
名前 飯島 雷斗
性別 男
歳 18~
誕生日 7月20日
性格 頼りになる、優しい。包容力ある、困っている人をほっとけない、
頭はそんなに良くない。だが、頭の回転は早い
アイドルとしての通ってる性格(ファン分析)
俺様、短気そう。毒舌そう。ズバッと言う、頭が良さそう
雷斗と同じグループで活動
名前 二神 蒼也
性別 男
歳 19~
誕生日 4月1日
性格 毒舌、厳しめ、ズバッとものを言う。
頭の回転が早い
ファン分析による性格
優しい、包容力のある人。まとめ上手。頭良さそう
※雷斗と蒼也はファンの間で2人はそれぞれの本当の性格は真逆だと思われている。そうなるように仕向けていた。
2人のアイドルグループ名 Swing StarS
先輩グループ Wink star
名前 七海 葉
名前 甘津 敬佑
名前 筒井 暖生
恋に落ちるのはキセキだと思う。偶然出会って恋に落ちる。そんな奇跡は突然訪れる。それが恋の奇跡。
五十嵐留佳はアイドル自体に興味が無い。今どきアイドルに興味が無い女子高生は居ないんじゃないかというくらい、誰もがかっこよいと思うだろう。留佳は友人のそういった話になった時には勉強始めたり、本を読んだり自分の世界へ没頭し始める。
「ねぇ!最近の推しなんだけどさ、SwingStarSの雷斗。かっこよくない?」
「・・・わかる!私は蒼也推し!」
「え、私も雷斗推してる!」
始まったアイドル話。ついていけないし、興味が無いしと自分の世界へ没頭する。
友人達の話はもう聞いてはいない。だから、突然別の話に変わっていることにも気が付かず、没頭していることもある。
「それでさ、留佳も一緒に来ない?」
「え、何処に?アイドル系なら私行かないよ?」
「違うよ、留佳も一緒に遊びに行こうって話。そういうの抜きにしてさ。」
アイドルの話をしていたはずの友人達からふられた突然の誘いにはよく驚かされるし、話を聞いていないので、噛み合わない時が多々ある留佳。
「・・・いいよ、どこに行くの?」
「ここなんだけど、アスレチックパークなの。楽しそうじゃない?」
「楽しそう。いいよ行こうよ。」
友人に誘われる話はアイドル系以外のことなら、基本用がない限りは断らない。なんでかって、アイドルは好きではないし興味が無いのに行ったって意味無いし、留佳の様な興味が無い人が行って行きたかった人がいけないのは申し訳ないと思うから。
「じゃあ!いこ!」
「・・・うん。」
友人に誘われ、行くことになったアスレチックパークという所。留佳は結構体を動かす遊びは好きなので、そういう所は好きで行きたい派だが、友人達はそんな動かすのは好きじゃないので、気を使ってくれているのだろうか。
約束の日、友人たちと待ち合わせをし、目的地に向かうが、その途中でもアイドルの話はしている。
「・・・推しのさ、看板とか見るとテンションあがらない?」
「あがる!なんかさ、今日も一日頑張ろって気になるよね!」
「なるなる。」
話は別の話だが、目的地はあくまでアスレチック電車に乗り継ぎ向かう途中も本に集中していたが、耳はなるべく友人の話にも傾けつつ車内アナウンスを聞いていた。途中の駅で友人が、
「あ!あのさ、ここにちょっと寄りたくって・・・」
「・・・私も行きたい!・・・でも留佳は興味無いかも・・・どうする?」
「・・・いいよ?私先に行って待ってるから。ちょっと行ってきなよ。」
友人達の「留佳は興味無いかも」で理解した彼女は笑顔で行くのを促すと、友人達を見送り、1人先に足を進めて歩いた。
だが、先に行くとは言ったものの留佳は初めて行く場所というのもあり、道が分からずさ迷うことに。駅から徒歩5分というのにつかない。グルグル歩き回っては止まって、また進んで止まって。首を傾げながら、地図見て歩いて反対行ってしまって元に戻ってフラフラ。
「・・・ん?ここどこ。え、こっちじゃないの?あれ?」
「・・・あの、大丈夫?」
「・・・大丈夫じゃないです。」
泣きそうになりながら答え、振り返って見たら男の人であった。だが、誰でもいいので助けて欲しい。パッと見、彼は厳つそうという印象を受けた。サングラスにチャラチャラした服装、帽子は後ろ向きに被りいかにも・・・。という感じで正直彼に聞いても良いのだろうかと。
そんな印象を悟ったのか、周りを見渡した彼は誰も居ないことを確認し、サングラスを外して怪しいもんじゃないとアピールするように、話かけてきた。
「・・・安心して。俺、怪しいもんじゃないから。困ってるみたいだから分かるとこなら案内するよ?」
「・・・ありがとうございます。お願いします。ここに行きたいんです。」
「・・・ここってここだよ。入るところが違うだけで。裏に来ちゃっているんだよ。入口まで案内する。」
実は留佳は迷ってはいなかった。その場所には来ていたんだ。だが入口とは反対の方へ来てしまっていて徒歩5分以上歩いて分からなくなってしまっていただけであった。彼に入口の方まで案内してもらいがてら話しながら歩き出した。
「・・・知らない方に案内されるのすごく申し訳ないですが、ありがとうございます」
「・・・知らないって、俺の事知らないの?」
「・・・え、いや、だって今会ったばっかりじゃないですか。」
留佳はそう言った。
彼は留佳から返ってきた返事に大笑いし始め、涙を流しながらひーひーいって笑っていた彼に案内してくれるのは親切だけどこんな笑うなんて失礼な人だなと、思って眉を顰め彼を見つめた。
「・・・悪いっ。俺の名前は飯島雷斗って言うんだ。よろしくな?」
「・・・あ、はい。よろしくお願いします・・・?」
「おまえ、ほんとに俺の事知らないんだな。気に入った。・・・、着いたよ。ここが入口。分かりづらいんだけど。」
彼は失礼な人だけどかっこよく道案内してくれるなんて優しいくていい人だなと印象を受けた。
「ありがとうございます。良かった、まだ友達来てない。もう少しで着くみたいなのでありがとうございます。」
「なら良かったよ。一緒に待ってようか?」
「いやいや、そこまではさすがに悪いので大丈夫ですっ。」
雷斗の優しさに甘えてしまいそうになったのも事実。けどさすがにこれ以上は縛り付けたくない。
「・・・律儀だなお前。わかったよ、帰るな。その前にお前の名前聞いてもいい?」
「・・・五十嵐留佳と言います。」
「・・・留佳な。じゃあね!仕事行かなきゃなんねぇからまたな!」
彼は急いでそう言って入ってきた方から姿を消した。仕事あるのに送ってくれたとはとても優しい人だなと感心した。彼にまた会いたいなと思った。彼もまた会いたいと思ってくれただろうか。
彼が行ってしまった方を見つめていると慌てた様子で友人達がやってきた。
「留佳!ごめん遅くなって!待った?」
「・・・いや、そんなに待ってないよ。中入ろう。」
「良かった。行こう。」
友人には、迷ったことは内緒。方向音痴なんて思われるのは御免だから。友人には知られたくない秘密である。なので、必然的に彼にあったことは内緒なわけであった。
アスレチックパークは屋外施設で、多くの人で賑わっていた。小さい子供連れの親とか、同い年くらいの子供だとかが、楽しく遊んでいた。
「すごく楽しそうじゃない?!」
「うん。楽しそう!」
普段、運動系が苦手な人でも楽しそうと思うとはとても楽しいに違いない。留佳は友人達とともに踏み入れたパーク内はいろんな遊び場があって、友人と一緒に楽しんだ。
「何ここめちゃくちゃ楽しい。」
「・・・そうだね!楽しい!」
留佳は友人とは表向き楽しいと言ったが、この場所で案内してくれた彼と遊べたらもっと楽しそうだなと密かに思っていた。
「すごく楽しかったね。また来ない?」
「・・・いいよ!」
思う存分に遊べた。友人達も楽しかったようで、また来ることを約束して施設を後にした。
あの日から、道案内してくれた彼が頭から離れない。集中して本を読んでも頭に内容が入っていかず、進まない。彼が何者かもわからない留佳には会う手段もない。
「swingStarSの雷斗今度ドラマ出るらしいよね!」
「そうらしいね、絶対私見る!雷斗様の演技力どのくらいなんだろ?」
友人がまたアイドルの話をしていて集中出来ていない頭でいつもは聞き流しているのが耳に入ってくる。それと何だか聞き覚えのある名前を友人達は言っていて、本に集中しているフリして友人達の手にする雑誌を盗み見る。
「・・・あっ・・・。」
「?どうしたの留佳。」
「あ、いや。なんでもない。」
チラッと見た雑誌に載っていた見覚えある彼とその隅に書かれた名前を見て思わず声を出してしまっていた。
まさか、あの知らない彼が友人達の好きなアイドルであったこと。そして彼の言っていた「俺の事知らないのか」と言っていたのはこういう事だったのかと留佳はやっと理解した。
友人達に会ったことを話したらただじゃ済まないのは目に見えているため、話す訳にはいかない。誰もがそんな話興味示すであろう内容だ。
彼に会いたいと思ってしまうのは、なぜであろう。会えるわけないのに。
「・・・あぁー今度SwingStarSコンサートやらないかなぁー?」
「あ、コンサートと言えばさ、私Winkのコンサート当たったの。3人で行かない?」
「え、マジ?!行きたい!」
友人達3人の会話でコンサートがあるのは分かったが、問題の彼のコンサートでは無いようだ。話の内容からして何かしらの関係があるようなきがしていたが、確証のないことなので追求はしない。追求して変に誤解されるのは御免だ。あくまで、彼という人物に興味をもったのであってアイドルには興味が無いから。
「じゃ、行こう♪」
「え、めっちゃ楽しみ〜」
彼女達と一緒に行ったら会えないだろうか彼に。いや無理だろう。何か関係があるかどうかも分からないのに会える保証はない。もしかしたら会えるとしたら、彼が同じこと考えていたらあった場所に行ったら会えるだろうか。
留佳はこっそり友達に内緒で計画を立てて彼に会いに行こうと思っていた。彼が同じこと考えてくれていることを願って。
友人達の楽しみとは別の楽しみに思いを抱いて計画はコンサートに行くという友達と同じ日に彼に会いに行こうと思う。