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××の十二星座  作者: 君影 ルナ
一章

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43/126

三十 ヴァーゴ

 少し前のこと。キャンサーとジェミニが帰ってきて早々会議室に入ってきて、キャンサーにマロンのことを根掘り葉掘り聞かれた。拙は話さざるを得なかった。あの気迫に勝てる気がしない。


 そして拙が洗いざらい話をして、キャンサーが聞くだけ聞いて落ち着いてくれれば良かった。しかし暴走したままのキャンサーを止めるのに拙は力不足で……


 まだポラリスと決まったわけでもないが、それでも人一倍ポラリス(心の安定剤)に執着していたキャンサーがまだ見ぬマロンに傾倒するのは何らおかしくないこと。


 そして拙達十二星座は、いわばそれぞれが矛であり、盾である。……多分。全員とやり合ってはいないので断言出来ないが、ある程度はそうだろうことが容易く想像つく。


 それぞれが何でも壊せる矛であり、何でも防ぐ盾。そうなるのもお互いの力が拮抗しているからだろう。


 だからこそキャンサーが何か変なことをすれば拙一人ではどうしようもないので、取り敢えずキャンサー達もマロンの元へ行かせた(キャンサー達の前にスコーピオ達もマロンの元へ行ったのでキャンサーが暴走しても数的にどうにかなるだろうと黙認したとも言う)。


「ほらマロン、何が食べたい? あーんしてあげる。あ、それともボクが作ってあげようか?」

「え、えぇー……?」


 キャンサー、君は料理なんてやったことないでしょ? 何言ってんの? ほら、マロンがどうして良いか分からずに困ってるじゃあないか。


「キャンサーって料理出来たっけ?」

「ワタシも聞いたことないわよ。」

「キャンサーさんが料理をしたら、マロンさんが食べる分にだけ自分の血とか入れそうですよね!」


 リーブラ、無自覚だろうけどそんなことを言ったらキャンサーが……


「成る程! その手があったか!」


 ああほら(間接的にだけど)悪知恵教えちゃ駄目だよ。キャンサーはやると決めたらやる男だから。


「え、それなら私食べないから。」

「ガーン! ……じゃあやめる。その代わりあーんはさせて?」


 あ、大丈夫そうだ。ある意味マロンがキャンサーの手綱を握っているとも見れる。


 マロンがまともな思考を持っていてくれて助かった。これなら今の所心配は無いかな。杞憂だった、とかいうやつだ。


「あーんって何?」

「それはねぇ……」




 この時はキャンサーの暴走があったとしてもまだほのぼのとしていた。


 事件が起きたのはそれから数時間してからだった。

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