両親
両親と話し合い
リスはロゼッタに頼み込んで、一緒に妖精の愛し子の件を両親に話しに行くことにした。リスは緊張しつつも両親の部屋のドアをノックする。
「お父様、お母様、失礼します」
「ロゼッタ。それにリスまで、どうした?」
「今日はこの間王都に出かけた時のお話を聞いていただきたくて来ました」
「何かあったのか?」
「実はー…」
リスはロゼッタの手を握りながら妖精の愛し子について説明し、自分がそうであると伝える。ところどころ説明が足りない部分はロゼッタが補足してくれた。両親は驚いた様子ではあったが、リスとロゼッタの必死の訴えを疑うことはなかった。
「なるほど。それで…リス、今まですまなかったな」
「貴女を悪い子だと決めつけてしまってごめんなさいね」
「いえ。お父様とお母様は悪くありませんから」
「妖精のせいですものね」
「そうか。ありがとう、リス」
「いえいえ」
リスは両親がこんな話を受け入れてくれて助かったと内心ホッとする。信じてもらえないかも知れないと思っていたからだ。
「しかし、ロゼッタがリスの覚醒のために狙われ続けるのはまずいな。ロゼッタには護衛をつけておこう」
「ありがとうございます、お父様」
「で、リスの妖精の愛し子としての力だが…」
「はい」
「北の魔法使いに頼み込んでなんとかしてもらう他ないな」
「北の魔法使い?」
リスは首をかしげる。
「ああ、記憶がないんだったな。北の魔法使いは、なんでも願い事を叶えてくれる不思議な力を持つ魔法使いだ。現存の魔法よりもさらに強大な太古の魔法すら使いこなす。もしかしたらリスの中にある妖精の愛し子の力をもらってくれるかも知れない」
「本当ですか?」
「ああ。ただ、北の魔法使いは願いを叶える際に多大な対価を要求することで有名だ。何を要求されるかわからないぞ」
「それでもロゼッタがずっと狙われ続けるよりはいいです」
「そうか…なら、北の魔法使いを呼ぼう」
「こっちから行かなくていいんですか?」
「北の魔法使いは普段は出不精だが願い事を叶える時は別だからな。うっきうきで来てくれるらしい」
「…なら大丈夫そうですね」
「ああ。早速手紙を出しておく。リスとロゼッタはゆっくり休んでおきなさい」
「ありがとうございます、お父様」
「失礼します、お母様」
「ああ、それと」
「なんですか?」
「…これからはリスも一緒に食事をとらないか?」
「えっと…はい、喜んで」
にこりと微笑むリス。両親は自分達がリスにしてきた扱いを思い心が苦しくなった。リスとロゼッタが退室すると両親は話し合う。
「リスが妖精の愛し子だから、私達は無意識のうちにリスを嫌っていたのだな。あの子には悪いことをしてしまった」
「記憶を失ったからいい子になったのではなく、あの子の良いところを見てあげられなかったのですわね、私達…」
「その分、これからは目一杯愛情を注ぐしかないな」
「そうですね、あなた」
そして二人は北の魔法使いに手紙を出した。後日返ってきた手紙には、すぐに向かうとだけ書かれていた。
仲直りするにはちょっと遅すぎる気もするけれども、リスは気にしないのです




