112話、不穏な空気
また遅れた、
私は都こんぶです。
はい、
〜フリューク王国〜
ここはフリューク王国の大聖堂の中、
そこに一人の男が堂々と入ってくる。
「ラインハルトよ!」
男がそう呼ぶ、
「ははっ...何でしょうか」
中に居たもう一人の青年がこうべを垂れる。
「前から準備をして居た聖戦を始める...」
男がそう言う、
「なっ、で、ですがあそこはとても強い能力を持つものや魔法を使うものもいます!まだ準備が足りないかと...」
青年は少し慌てた様子で男に意見を言う。
「...ならぬ、」
男がつぶやく
「は、はぁ...」
「ならぬッ!!」
「っ!」
青年は男の威圧感に押されておし黙る。
「我が国は絶対神エルフィンシードを信仰している!」
「..........」
「それなのに、我が国の領土付近に我々の信仰を真っ向から否定する様な信仰をしている者共がおる、それを我慢できるはずがなかろう!」
「...分かりました、ですが軍隊を大量の使わせてもらい、汚らしい冒険者にも協力を要請することになりますがよろしいので?」
そう青年が質問すると男は、
「大丈夫だ、最悪冒険者を盾にすれば良い、それに冒険者など金貨2枚とでも報酬を貼っておけばゴミに群がるハエの様に集まってくる...」
そう言いながら指を2本立てる。
「それに...例の勇者、消去人も敵味方を区別できる様になったのだろう?」
「なっ...さすが、情報がお早い」
「...まぁ、伊達に《〜〜》をやって居ないからな...」
「ではそろそろ出発します...」
そうい言うと青年は男の前から一瞬で消える。
そして男は、
「これでついにあの邪魔な者共が居なくなるのか...くくっ、」
そう笑って居た。
〜ヒガン視点〜
「な、そうだったのか...」
ヴォルスが納得する。
「えぇ、ですので少し嬉しくなって抱きついてしまったのでしょう」
私がそう言う。
「ふぇ〜、まさか大怪我をした患者を連れてきたらルミアーナの仲間だったとは...」
お母さんもそう言う。
正直、自分も驚いている。
「ちなみにどんな旅をして居たの?」
そう聞かれると、押し黙ってしまう。
それはそうだ、だって...
「復讐?」
「お、おぉ...物騒だねぇ」
あれ?なんだこの反応...
「ん?もしかしたら復讐っていったらなんか私に対する態度が変わるかもーって思ってなかった?」
___図星だ。
「さすがお母さん」
わたしはここで正直な感想を述べる。
「......っ!そうだ、君たちに頼みたいことがあったんだ、実は治療に使う木の実を切らしちゃってね、取ってきてくれないかな?」
『あぁ、来てしまった...魔力障壁に波紋が走った、悲しませない様に...なるべく遠くに行かせて助けてあげなければぁ!』
「っ!!」
なんだ?何が来ている?それにあぁ、来てしまった、ってその言い方だと来ることを知って居た様な?
「ん?いきなりだけど...良いよ!ちょうど全員起きたし」
わたしが後ろを見るとベッドから起き上がったアルトヌスとルナとヴェノブがいた。
「よし、寝起きの運動ということで付き合ってもらいますよ!木の実狩り!」
...何でみんな乗り気なの?
「あっ、そうだ、ヴォルスも付いていって?案内してあげてよ」
「ん?え? おぉ...わかった」
そういうとお兄ちゃんは外に出て手首を振って早く来る様に促してくる。
「それじゃあ行こう!」
アリスがそう言ってみんなを連れて外に出る。
「.........」
『あぁ、これで...良いんだ、良かったのかな?まぁ、いっか』
この時何も言えずに、後回しにして答えを出すことから逃げて、
アリスたちに付いて行った。
「良かった」
『多分心を読めるからこの考えは、知っているんだろう?ルミアーナ』
〜次回予告〜
「113話、多分、世界で一番楽しく無い木の実取り 」