第16話 セクメト・クランの帰還
セクメト・クランは、31階層のベースに戻ると食事をとり、短い休憩をしてベースを片付ける。この時には、ダンジョンの壁から魔物たちが生まれる寸前だった。
エアハルトたちは急いで30階層に向かう。エアハルト、エルメンヒルト、アルノーが先頭に立って進んで行く。セクメト・クランは魔物と遭遇しても進行スピードを落とさずに進む。
28階層に到着するとメンバーは散らばり魔物を狩って行く。ケルベロスやミノタウロスが立ちはだかるが、アロイス、デニス、ディータ、カールは単独で倒していく。
彼らは明らかに腕を上げている。アルマとカミル、ユリアーネは3人でケルベロスやミノタウロスを倒していく。彼らもポーターやヒーラーを越えて一人前の戦士になっていた。
セクメト・クランは手早く魔物を討伐すると魔石を回収して野営の準備に入る。エアハルトがアルノーに質問する。
「アロイスさんたちかなり腕を上げていませんか。」「気づきましたか。もしかするとベルアップしているかもしれませんよ。」
「アルマやカミル、ユリアーネも強すぎるわよ。」「ええ彼らも魔物と戦っていますから。」
エルメンヒルトが会話に加わるとアルノーが平然と答える。
「ポーターとヒーラーを戦わせてはだめでしょ。」「仕方なかったのです。レベル6が2人も欠けていたのですから。」
エアハルトとエルメンヒルトは何も言えない。
翌日は15階層まで進んで休む。15階層まで予定よりかなり早く到着したので、エアハルトとエルメンヒルトはダンジョン・クレバスに落ちた時のことを話す。
アロイスたちは、グリムに似た瑠璃色の魔物と赤銅色の魔物に興味を持つ。エアハルトは、この魔物の魔石をみんなに見せる。しかし、答えは出ない。
15階層から一気にダンジョンを出る。セクメト・クランに気づいた冒険者が大声で言う。
「ポンコツたちが戻って来たぞ。」「セクメト・クランが戻ってきたのか。」「全員揃っているみたいだ。」「34階層を越えたのか。」
エアハルトたちは受付行く。アメリーとエリスが迎え出る。
「お帰りなさい。」「ただいま。」
「35階層を踏破したの。」「あの38階層まで踏破しました。」
「申告では35階層となっていましたけど。どういうことですか。」
アメリーがエアハルトを睨みつける。エルメンヒルトがかばう。
「私がダンジョン・クレバスにはまって、エアハルトと2人で落ちたのです。」「ダンジョンで2人きりですか。」
「アメリーさん、何もない・・・・・」「どうかしましたか。やましいことでもあるのですか。」
「これ、冒険者プレートです。」「話をそらさない。」
「キスしました。」「誰もいない所でキス・・・」
アメリーが崩れ落ちる。エリスはアメリーが使い物にならなくなったので応援を呼びに行く。
冒険者たちはエアハルトが38階層を踏破したと聞いて騒ぎになる。イーリスクランの34階層を抜いて、一気に38階層である。
これはセクメト・クランがゴルドベルク1のクランになったということである。
セクメト・クランのメンバーは別室で聴取を受けることになる。
ここでも38階層にいたグリムに似た瑠璃色の魔物と赤銅色の魔物が問題になる。エアハルトは魔物の魔石を提出する。ギルドの職員が調べるが分からないので調査されることになる。
そしてエルメンヒルトが作成していた地図は重要な資料になる。
セクメト・クランのメンバーの動きが良くなったということからアビリティを測定することになる。
エアハルトは死線を乗り越えたのでレベルアップが期待された。だが、結果は
レベル6 適正 剣士 俊敏808 力652 剣技754 持久力724 魔力0 毒耐性221 スキル アンチマジック
で数値は上がったもののレベルアップはしなかった。エルメンヒルトも同じくレベル6のままだった。しかし、アロイスたちがレベルアップしていた。
アンカーパーティー エアハルト・レベル6 アルマ・レベル5 アルノー・レベル6 エルメンヒルト・レベル6
バッシュパーティー アロイス・レベル6 デニス・レベル6 エゴン・レベル6 カミル・レベル5
グーゲルパーティー ディータ・レベル6 カール・レベル6 クヌート・レベル5 ユリアーネ・レベル5
となり、一気にレベル6の者が増え、ポーターとヒーラーもレベル5になっていた。
アビリティの測定結果にギルド職員たちがざわめく。セクメト・クランはレベル7こそいないがレベル6が8人もいるクランで全員がレベル5以上となる。
セクメト・クランのメンバーが聴取などを終えて出てくると冒険者たちに拍手で迎えられる。前人未到の38階層踏破はゴルドベルクの冒険者たちの自慢となる。




