第4話 転生者の出会い-マリー視点
ヘンリー・ベクトル教授の実験室に参加しました。クラスのほとんどのメンバーが昨年もベクトル教授のクラスメンバーだそうで、今期からの参加は私とハンナだけでした。
最初のクラスではピーターが新しく作ってきた発明品の発表をしていました。それを見て、私は思わず驚きの声をあげてしまった。
「電話機」
逆にピーターが驚きの声をあげました
「え、知っているの?」
しばしピーターと私は見つめあってしまいました。
「じゃあ、これは何だかわかる?」
ピーターは白い縦長の箱で、ドアがついているものを指さしました。
「えっと、もしかして冷蔵庫?」
「もしかしてマリウスって転生者?」
「もしかしてピーターも?」
ヘンリー・ベクトル教授は速やかにクラスの中止を宣言しました。
「今日のクラスは中止じゃ。それから転生者の話じゃが、けっして他で公言しないように。もしも他で公言した者は、このクラスからは除名じゃ」
「大丈夫です。教授。俺たちもピーターが転生者だろうって、なんとなくわかっていましたし、それを他でしゃべるような馬鹿な奴はいません」
実験室のメンバーは口を揃えて言った。
クラスの解散後、私はピーターとベクトル教授の三人で話し合いました。
「ベクトル教授も転生者なんですか?」
「いや、わしは転生者ではない。わしの師匠であったアベルは前世でドイツという国に住んでいた記憶があったそうじゃ」
「俺は前世では日本に住んでいたんだけど、マリウスはどこだい?」
「えっと、私はアメリカ人でした」
とっさに私は嘘をついてしまいました。
「そっかあ、けっこう地球からの転生者っているもんなんだなあ」
「そうなんですか?」
「実は俺はこっちに転生する前に神様のいる部屋を通ったんだけど、そこの神様が色々と転生の世話を焼いているみたいだったからね」
「私はあんまりその部屋でのことを、良く覚えていないんです。前世の記憶が戻ってきたのって10歳くらいだったんで、それまでのことはぼんやりとしか記憶にないんです」
「マリウスはそうなんだ。俺は前世のことも赤ん坊の時からずっと覚えていたんで、けっこう体と精神が一致しない行動をとっていたりしたんだけどね」
「たしか6歳の時に星見の水晶をいきなりたたき割ったって聞いたぞい」
「教授、あれはですね。俺の魔法属性が無属性の圧縮だったからなんですよ。俺の魔力量で壊したわけでなく、単純に水晶を物理的に圧縮して壊しちゃったみたいなんですよ」
「ピーターも無属性持っているんですか。私も無属性持っているんですよ。星見の水晶の中にあったゴミが取り除かれて、なんか綺麗になったんです」
「あれ、マリウスって光属性じゃなかったっけ?」
「ええ、光属性もあるんです。属性二つ持ちです」
「ああ、そうか、王族だもんね。たまに二重属性が出るって言ってたね」
「そうみたいです」
「それじゃあ、ちょっとこれから色々と二人で実験してみようか?」
「はい、喜んで」
「おいおい、わしも混ぜてくれよ」
「ほんじゃあ、三人でやりましょう」
「よし決まりだね」
こうしてベクトル教授の実験室に、実験馬鹿がまた増えたのであった。
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