第17話 映画館
すっかり遊園地デートの虜になったマリーが続いて提案したのが、映画館が欲しいだった。
俺と映画館で恋愛映画を見たいのだそうだ。
その話に食いついたのがエヴァである。
早速俺に映写機の作り方や、撮影装置や、フィルムの作り方を色々と聞いてきた。
元々光属性の放出系が得意なエヴァなので、色々と自分の魔法を便利に使いながら、機材を開発した。
機材ができたので、早速撮影に入ったのだが、まずは簡単にクフクラの少年少女歌劇団や、少年少女合唱団のコンサート映像を撮影させてもらい、それを映画館で公開した。
マリーのコネクションを使ったのだが、元々のコンテンツのクオリティーの高さもあって、映画館という新コンテンツはそこそこの評判となった。
そういう定番のもので地道に評判を上げながら、マリーが脚本を書いたオリジナルの映画ができあがった。
まあ完全なマリーのオリジナルではなく、前世で実際に映画化されていたものを、マリーが覚えている範囲から書き起こしたものだ。まあこの世界ではオリジナル作品と言っても良いだろう。
マリーは前世でいじめられっ子だったので、友達がなく、アマ○ンプレミアムとか、ネット○リックスとかの会員になって、家で映画ばかりみている子だったそうだ。
だから様々な映画作品のことをとても良く知っていて、自分でも映画に関連するような仕事がしたいと思っていたそうだ。
この世界に転生してきて、夢がかなうなんて思ってもみなかった。全部エヴァのおかげって感謝感激だった。
この世界は前世のヨーロッパのような環境なので、俺もスタジオジ○リ作品の中からいくつかの希望作品をリクエストしたのだが、まだまだアニメーターさんの確保が難しく、エヴァからボツにされてしまった。
実写で特撮ってのもまだまだハードルが高いのもあった。
おかげでマリー脚本の恋愛映画が続き、当然俺も毎回映画館に5回くらいは付き合わされるようになった。
マリーって自分で脚本書いていて、筋書が全部頭に入っているのに、毎回映画を見て泣けるんだよなあ。
俺は映画を見ていると寝ないようにするので、精いっぱいだったが、映画を見ているマリーを見ているとなかなか楽しめた。
マリーってこのシーンでこんな顔するんだとか、え、そこで泣くのとかね。
ただこの世界にはまだまだ娯楽が少ない。
映画の製作会社はどんどん作られていき、新しい作品がどんどん世に出るようになった。
エヴァは映写機と撮影装置の製造販売は部下に任せて、映画の製作を中心にビジネスを展開していった。
また映画の製作を学ぶための学校や、俳優を育てるための学校なども作っていった。
イレーヌのピーターランドと提携して、ピーターとマリーの映画なども作り大ヒット作品をいくつも提供していった。
ヒットした映画作品をベースにした遊園地のアトラクションもできて、映画と遊園地のコラボレーションは相乗効果を生み出すこととなった。
娘たちが協力して、人々の笑顔を増やしていってくれていることに俺たちは大満足だった。
連載開始から3ヶ月が経過して、いよいよ終わりが見えてきました。
これまでご愛読ありがとうございました。あと少し頑張ります。




