第4話 妊活-エレーヌ視点
ハンナがわたくしの子供であるピエールを産んだのは、ピーターとマリーが結婚式をあげる少し前だった。
わたくしが二人の結婚式のために男装の魔法によって男性化し、その後の行為でハンナを妊娠させてできた子供だった。
男性化してハンナとした行為は、わたくしにとってはなかなか衝撃的だった。
元々のガールズラブでも、わたしくが男役であるタチで、ハンナが女役であるネコだったから、行為の進捗にはあまり違和感はなかった。
男性化したわたくしの身体は女性の時のように、ハンナと身体を接するだけでは満足できなかった。
ただ身体の中心部の一点だけが強く脈打ち、それをハンナの中に沈める事で、これまで全身で感じていた快感が、一点から溢れ出すのを感じた。
その瞬間に全てが終わってしまった。
ほんの刹那の感覚だった。
でもハンナにとってはそれからの変化が凄まじいものだった。
お腹はどんどん膨らんでいき、いつしか破裂しそうになった。
胸もふた回りは大きくなった。
小さくって可愛かった乳首が伸び上がり、乳輪が黒ずんだ。
ハンナは美しさを失ったとは思わなかった。
全く違う何かに変わっていったのだ。
むしろ荘厳な美しさが加わった何かに。
そうしてピエールがこの世に誕生した。
ハンナの胸からは白い乳があとからあとから溢れてきた。
ピエールに乳をやるハンナはますます美しいと思えた。
悪戯にわたくしのおっぱいをピエールに吸わせてみた。
ピエールは一生懸命吸っていたが、何も出ないので、途中で怒ってしまった。
わたくしもピエールの様な赤ちゃんを生んで、自分の乳を与えてみたい。
その瞬間にわたくしの中に芽生えた激情だった。
ハンナはわたくしの希望を叶えるために、男装の魔法で男性化してくれた。
一度目はわたくしの中に入る前にハンナが弾けてしまった。
1年間の間を置いて、再度チャレンジした。
二度目でわたくしたちは深く結ばれて、ハンナの体液をわたくしの身体が受け止めた。
しかし残念ながら妊娠はしなかった。
その後、ハンナがマリーから、体温計を譲り受け、基礎体温を使った妊活を教えてもらってきた。
マリーはエヴァを産んだ出産で、酷い難産だったそうだ。
医師から二人目を産んではならないと言われたそうで、もう自分には必要がないと、わたくし達に譲ってくれたのだ。
わたくしは毎朝、基礎体温をつけて、排卵日を見つけた上で、ハンナが男装の魔法を使う事で、妊娠の確率アップを目指した。
それでも何回か失敗したが、ピエールから遅れる事6年余りで、ピエールの妹を生んであげる事が出来た。
そうわたくしも母になる事ができたのだ。
フルショア公国での仕事は休みをもらうしかなかったが、仕事で得られるものとは全く違うなにかを、わたくしにもたらした。
そういえば説明が遅くなったが、わたくしエレーヌ・ビチックの仕事はフルショア公国の宰相だ。
ちなみにハンナ・ビチックは騎士団団長をしている。
夫婦でフルショア公国の文武の頂点にいるのだ。
我がビチック家はフルショア公国最大の領主貴族で、一族の長となる家柄だ。
ピエールと新たに生まれたマリアは将来わたくし達の後を継いで、フルショア公国の礎とならねばならない。
マリアの出産と、育児は本当に素晴らしい経験だった。
子育てってこんなに大変だったんだ。わたくしはリガリア王国に残してきたお父様とお母様に改めて自分を産んで育ててくれたことへのお礼の手紙を差し上げた。
そしてぜひフルショアに孫のマリアの顔を見に来てくださいねと
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