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僕は作文屋

 僕たち一族がこのハイヴで暮らすようになってからもう大分経つらしい。


 昔は良かった。みんなそう言う。だって積極的安楽死で大金が貰えたっていうから。じいさまと父さんはそうして亡くなったらしい。それがだいぶ一家の家計の助けになったとか。


 いまじゃどうだ、安楽死は高額な選択肢だ。嫌な時代だよ。


 だからさ、僕と、妹と、母と、ばあさまはほぼ一日中書いているんだ。


 何を?


 作文を。こういう風な。100%人間由来の作文。


 それを我らが独裁者殿に提出して、小銭を貰う。


 作文はAIの訓練に使われる? とか。


 いまじゃなんでもAIがするから、作文屋くらいしか僕に、僕らにできることもない。


 いろんな作文を書くけど、まあこの文書も作文なんだけど、いろんな、まあ色んな作文を書くね。


 作文の今のトレンドがさ、いや、トレンドっていうのはどういう作文を書けばより稼げるかってことなんだけど、AIを絡めた作文はより良い評価が貰えて、文字数あたりの報酬額も多めに算出されることが多い。そんな感じがする。


 だから今もAIについて書いてる。し、個人的にもAI時代初期のこととかをベンキョーしてる。頑張って暮らしの為に稼いで、余った金でベンキョーのアクセス権を買って、また書いて……。


 どんなループだよ。って嫌になる思いはあるよね。そういうことをすることでしか生きられないのか、そういうことをして生きたいのか。それすらもなんか最近わからないんだけど、書いているのは楽しいから。作文屋は自分に向いているのかも? って思うんだ。


 死にたくなることも、もちろんしょっちゅうなんだけど、安楽死で高額の報酬が貰える時代だったら、とっくのとうに僕は安楽死していると思うから、安楽死を高額のオプションとしてくれた、独裁者殿、作文屋という役割を作ってくれた独裁者殿にはやっぱり感謝するしかないな。


 独裁者殿と世界、家族、自分のために僕は書いて書いて書き続けるよ。ありがとう。

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