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語り道化師  作者: 星川宙
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プロローグ

 まだ太陽が顔を出してない深夜ごろ暗闇が世界を支配していた。

 家の電気は消え 自然の呼吸以外は生き物の気配を感じさせない。

 そんな中 広い広場にその人影はあった。


 その人影は 近くにあるベンチに自分の鞄を置き 鞄の中から 顔の右側だけが目の場所を除いて 隠れるような仮面を取り出して 被った。

 そして 反対の何も被っていない左側にメイクをしていく。

全体的に肌を白くして 目の下に涙の絵をつけた ピエロのメイクだ。

 人影は器用に仮面を避けてメイクを終えた。そのまま 鞄を閉める。

 そして 周りに誰もいないのを見るとベンチに座り 月のほのかでどこか幻想的な明かりを頼りに 本を開き読み始めた。


 それから 何時間たったのだろうか?太陽が地平線から顔を出し 世界を照らし始めた。

 そして それに対応するように月が地平線に沈んでいく。完全に明るくなって 活気づいたのに気付き 人影は本を閉じて鞄にしまった。


 そして---



さて 今回はどんな噺をしようか?


おや?貴方は私の事が知りたいんですか?

そうでした!!そうでした!!自己紹介がまだでしたね。

私は見ての通り道化師です。


え?ピエロは喋らないだって?

私は特殊なんです。ただの道化師じゃないって事です。


は?それはピエロじゃないだって?

やれやれ 君は質問が多いですね。


ははは。私がピエロなのがそんなに嫌ですか?

まったく……私は はじめっから道化師と名乗りましたが ピエロとは一言もいってないんですよ。

そうですね。私の事は……クラウン。そう クラウンと呼んでください。


私はいろんな国をまわって噺を紡いでるんです。

それが 創り噺か実話なのか それは誰にもわかりません。

私以外はね。


さて 今回はどんな噺にしようか?

そうだねぇ……大きな屋敷に住む可哀相な少年の噺にしよう。

少年の名は---。


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