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64.狙撃手とリコッチの想い

「センパイ・・・」


熱っぽい瞳で俺を見上げてくるリコッチ。

じりと後ずさる俺。

一歩踏み込むリコッチ。

また後ずさる俺。

リコッチはそれを見て目を伏せる。


「そんなに・・・私のことキライですか?」

「・・・いや、そういうわけじゃあないんだが」


そう。

思わず後退してしまったが、別にリコッチのことが嫌いなわけじゃない。

むしろ好きか嫌いかで分類すれば、好きに決まっている。

しかし・・・。


「私、そんなに魅力ないですか?」

「・・・そういうわけでもない」


魅力があるかないか?

あるに決まっている。

むしろマイナスポイントがちょっと見当たらないほど魅力の塊だ。


容姿がいい。

スタイルがいい。

性格が明るくポジティブ。

ハキハキしている。

それでいて礼儀正しい。


欠点は・・・何だ? あるのか?

だがしかし。


「・・・私じゃ、ダメですか?」

「・・・っ」


潤んだ瞳で見つめられ、一瞬くらっとする。

そのセリフは卑怯だ。

破壊力が高すぎる。


思わず視線を逸した俺を見て、どう解釈したのか、悲しげにリコッチが俯く。


「ほんとはこんなふうに、急ぐつもりはなかったんです」

「・・・」

「でも、こんなシチュエーションは二度とないかもですし、それに・・・」

「・・・それに?」

「センパイ、最近クッコロさんと仲良さそうだから・・・」


・・・?

何故そこでクッコロが出てくるんだ?

俺の不思議そうな表情を見て、リコッチが続ける。


「だってセンパイ、クッコロさんとよくお喋りしたり、2人で遊びにいったりしてるから」

「・・・? あー」


あれか。

少し前、門番NPCと戦うにあたって、肉壁が必要だったからクッコロの力を借りた。

そのときの話をしているのか。

俺はガシガシと髪を掻く。


「あれはナイトの防御力が必要だったから力を借りただけだ」

「でも・・・」

「そもそも俺はクッコロのことをそういう対象として見ていない」

「そ、そうなんですか?」

「ああ」


クッコロは確かに魅力的だ。

だがそれは一緒に遊ぶゲームプレイヤーとしての話で、恋愛対象として意識したことは一度もない。

もちろんクッコロも、俺のことをそういう対象としては見ていないはずだ。

クッコロは貧弱な俺を盾となって守ることで、ナイトとしてのプレイを楽しみたいだけだ。

それを説明すると、リコッチは納得したように肩の力を抜いた。


「そうなんですね・・・じゃー、焦る必要なんてなかったのかな。あはは・・・」

「・・・」


俺は何と声をかけていいのかわからず、黙ったままでいる。

このままうやむやになるだろうか?

できればなってほしい。

今の関係が一番心地いいんだ。


だがリコッチは強い眼差しで顔を上げた。


「センパイ」

「あ、ああ」


俺はその眼差しに一瞬気圧される。


「あの・・・あ、あの」


僅かに恥じらう素振りを見せるリコッチ。

頬が赤く染まっている。

それでも思い切って俺を見つめてくる。


「あの・・・私っ、センパイが好きです・・・!」

「・・・っ」


俺は言葉に詰まる。

リコッチの真っ直ぐな視線に、何も返すことができない。


「センパイ・・・わ、私と、付き合ってください・・・!」


言われた。

言われてしまった。


リコッチは潤んだ・・・いや、半分泣きそうな瞳で、俺のことを見つめている。

拒絶されるかもしれないと思っている表情だ。

それでも自分の想いを伝えるのだと、ありったけの勇気を振り絞った表情だ。


・・・。

・・・。

・・・。


俺も、覚悟を決めよう。


ここで逃げれば、文字通り最低の人間になってしまう。

どんな返答をするにせよ、リコッチの覚悟にきちんと応えるのだ。

それが想いをぶつけられた者の義務だ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] リコッチが可愛すぎてつらい
[良い点] とりあえずケンタロを天誅したい(ハァト)
[一言] リコッチ!!!!言った!!!!言ったぞ!!!!頑張った!!!!可愛い!!!!!すき!!!!! さぁさぁセンパイさんよぉ!!リコッチから告られちゃったんだから腹決めて付き合えぇぇ!!!!!
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