表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/58

エピローグ

「樹さんと里美さん……素敵でしたね」

「そうだね。ん?夏海もウエディングドレス着たくなった?」

「もちろん……女の子ですから。いつか私だけの王子様が着せてくれます」

君が告白をしてから5年後の秋。ドタバタなスケジュールで樹と里美さんの結婚式と披露宴が終わったところだ。

社長たちは、会場のホテルに宿泊すると言う事で、夏海は俺の部屋にいる。義務教育が終わった時に、俺と夏海は社長に言い渡されていた。

「マスコミに撮られないのを条件に付き合うのは認める。但しデートはマンションの中のみだ。それと早まるな」

あまりにもあっけない交際了承の言葉だったけど、俺達は俺達の約束を優先している。

たまに彼女が泊まる時もあるけれども、それは両親が来た時に使って貰う部屋だ。

メンバーには、俺の気持ちはバレバレで、そんな俺達の状態をありえないって言う。

確かに俺達は23歳だが、夏海はまだ17歳だ。


この5年間で夏海は本当に努力をして今では売れっ子の女優として活動している。

natsuの方は、今でもコンスタントに活動を続けている。けれども未だにナツミがnastuであることは知られていないのだから不思議なものだ。

俺達が一緒にCMしていた君想いマカロンは、俺のメインが2年とヒロイン目線でナツミがヒロイン役として2年勤めてから契約が満了した。これだけ長かったのは業界でもかなり異例なものだったようで。俺達は再び高山さんと一緒にタッグを組み事になった。

「お久しぶりです」

「ふうくんもなっちゃんも久しぶり」

「高山さん、奥さん……お元気ですか?」

「ああ、元気だよ。元気過ぎてちょっと不安」

高山さんの本音を聞いてしまって僕らは苦笑いをする。高山さんの奥さんは俺達が良く知っている人なのだが、今は関係ないから割愛する事にする。

「さあ、新しいコンビニスイーツを一緒に作り上げて行こうか?今度は本当に作り上げて行くよ?」

「いいですよ。お手柔らかにお願いします」

「私も頑張りますね」

二人とも相変わらずだね。まずはスイーツのコンセプトから考えて行こうか?と行って高山さんは懐かしい君想いマカロンの資料を取り出した。

「懐かしいですね。これ僕の意見がかなり入ったんですから」

「私の意見も入れて貰ったよね?」

「CMソングはなっちゃんの意見が多かったね。あんな感じでまた作りたいんだ」

高山さんはそう言うと、僕らを振り返る。

「あのマカロンを超えるお菓子を開発……してみませんか?」

「はい、よろしくお願いします」

「私も頑張ります」

俺達は久しぶりにタッグを組むことになった。


打ち合わせが終わって、俺が運転する車に夏海が乗り込む。ここ2年位は一緒の時にはこれが基本になっていた。

里美さんが今はナツミのマネージャーになっている。今回の樹との結婚で暫くの間はCMでの共演が続くんだそうだ。そりゃあそうだろう。里美さんがCMに出演した製品はロングヒットを続ける事が多いのだ。里美さんが当時CMして製品は、名前が多少変わりながらも今でも販売が続けられている。

俺らが今度手がけるコンビニスイーツは今度も長期間発売できるといいなあと思う。

「いいなあ、結婚……でも私は親の許可がいるんだよね」

「そうだな。それに関しては……ちゃんと考えているからその日が来るのを待ってなさい」

俺が運転しながらそう答えると、夏海や頬を膨らませて怒りだす。

「みーくんはいつもそればっかり。分かっているよ。自分の立場。でも、でもさ……」

その後に続く言葉なんて想像にたやすい。お前が17歳じゃなければすぐにでも実行に移せるのだが……でもその事は教えてやらない。俺が口の端を少しだけあげて笑ったのが更に気にいらない様で更に怒りだした。

「みーくんだけ、余裕なのって本当にずるい。いっつも私一人がみーくんの手の平で転がされているみたいじゃない?」

「それでいいだろう?俺の掌で一生ころがされてろよ?それは不満か?」

「不満なんかないよ。本当にそれでいいの?ずっと待たせているんだよ?」

「俺は待っていると思ってない。それよりお前はいいのか?俺の嫁って事は家元の妻だぞ。そっちの覚悟は出来ているのか?」

ようやく状況を把握したようだ。やっぱり、夏海はしっかりしているようでやっぱり抜けている。

「まあ……そこところはゆっくりでいいからさ。いいんだよな?将来は俺の嫁で」

「うっ、うん。もっといい大人の女性になる」

「ならなくていい。そのままで」

やがて、車は信号に引っかかったらゆっくりと泊まった。

「夏海、今度のCMのコンセプトも……片想いにしてみないか?」

「また?」

「うん、この前は切ない片想い。今度はドキドキハラハラする片想いはどうだ?」

「それも楽しいかも。いいね」

「今夜は俺の部屋に来るか?」

「ううん。自分の部屋にする。スカイプじゃダメ?」

いつもなら喜んで来るのに、ちょっと意外だ。

「構わないさ。夏海。もう少しだけ俺と一緒に片想いをしてくれな?」

「いいですよ。一緒に片想いしましょう」

5年前の片想いは、ちょっとずつ前に進んではいるけど、まだ片想いのまま。

「君に会いたい……だから君を想う」

「久しぶりね、そのキャッチ聞くの」

「これが浮かんだとき、夏海が浮かんだ。それは今も変わらないよ」

「もっと素敵なキャッチ決めないと」

「そうだな」

俺達の片想いは、今度はどんな形になるんだろうな?それが今から楽しみだ。


告白しました。蛇の生殺し的オチですみません。

アイドルだし、相手はお子様だし……。

まあ、実質的に雅に囲われているので、夏海には逃げ道ありません。

夏海は知らないでしょうけど。この二人は夏海が二十歳になったら、さっさと結婚して、

家元襲名もして幸せになりましたって所じゃないでしょうか?

何とか、夏のコンビニスイーツ企画前に終了しました。

夏も企画やります。今まで発表した製品は今回の企画でも使えます。

詳細は、私の活動報告・もしくは春隣豆吉様の活動報告をご覧下さい。

この夏はいくつかの企画に出没予定です。


これからは、書きかけの作品と企画官加の作品を書く事がメインになっていくと思います。

最期までありがとうございました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ