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Episode0:-----
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寝返りを打とうとした時、何かに手が当たった。腰の痛みに顔を歪めながらゆっくりと目を開けると、2ヶ月前まで付き合っていた圭くんが隣で眠っていた。
_でも、視界の先にある景色は見慣れた場所ではなかった。
まるで…というか、確実に体育館だ。オレンジの床に、高い天井、何のためにあるのか分からない壁際のハシゴ。いくつか切れかけの蛍光灯。
でも、私の通っていた学校では無い。見覚えのない体育館だ。
「なんで、こんなところに…?圭くん」
名前を呼んで身体を叩く、しかしいつもいびきをかいて寝るはずの彼は静かに息をしているだけで反応がない。
意識せず自然とポケットに手が伸び、スマホを取り出すとバッテリー不足で『充電してください』の文字---
何かが違うーー
その瞬間、遠くから不気味なざわめきが響いた気がした。