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第2話 俺に滅ぼせと言われましても!

精神魔法を受けた、心が痛い。



読みやすくするために所々修正しました!

4月22日3時30分頃

『フハハハハ!!』


「ビクッ!」


俺がヒルダお姉さんの辛辣しんらつな言葉から現実逃避をしていると、魔王が突然高らかに笑い声をあげた。


なんだ?あまりに普通の俺の事をバカにしているのか?


心が痛い、まだ精神魔法は続いているようだ。


『そうか!そうか!』


「えっと」


何がそうかだ!平均がそんなに悪いのか!確かに身体能力も学力も顔も平均だよ!それがそんなにおかしいのか!?心にどす黒い感情が沸く、そうか、これが殺意というものか。


「なにか?」


「いえ、なんでもないです、はい」


ヒルダお姉さんが睨んできて怖い、やはり心の声が聴かれているのだろうか?殺意よくない。


「ですが魔王様少し問題があります」


『なんだヒルダ?もうしてみよ』


ヒルダお姉さんが魔王様に話しかける、ヒルダお姉さんはほとんど俺と変わらない身長なので、バカでかい魔王を見上げる形になる、もしかしたら俺より少し背が高いかもしれない。


「はっ!結論から述べますと、この人間の力はまだ眠りについているようです」


『ふむ』


それにしてもヒルダお姉さんはセクシーだなぁ、是非ともお姉さまと呼ばせていただきたい、出来ればお近づきになりたい、………悪魔だけど。


「ですからまずは力を覚醒させる為に鍛練が必要になるかと」


『そうか』


………はっ、ヤバい、ヒルダお姉さまの身体に夢中で話を聞き逃していた、どうにか誤魔化さなければ!


『どのくらいかかる?』


「そうですね、私の見立てでは2年ほど頂ければおそらくは形になるかと」


ん?2年?何の話をしているんだ?


『………それで我を滅ぼせるか?』


「私としては魔王様の敗北などあり得ないものと考えておりますが、………賭けてみるのもいいかと」


滅ぼせる?賭ける?本当にいったいなんの話をしているんだ?


『………わかった、任せるぞ、ヒルダ』


「はっ!我が魂に懸けて!」


ヒルダお姉さまが俺に背を向け、片膝をつけて片手を胸の前に、もう片方の手を背に回して頭を下げる、後ろから見るとメイド服のようなものは背中がパッカリと開いていて、そこから顔色と同じ紫色の肌が覗いている、………ものすごくセクシーだ。


今までの話なんてどうでもよくなるほど幸福感に満たされた。


これも精神魔法なのだろうか、異世界とは素晴らしい。


『おい、貴様』


「へっ?」


魔王が俺に語りかける、どうやら話は終わったらしい。


『貴様に、………いや、勇者よ、お主に頼みがある』


「へっ?」


突然魔王の雰囲気が変わった、先ほどの禍々しい感じとは違い、どことなく優しさを感じてしまうような、そんな雰囲気を感じる。


『我を、………この魔王を、お主の……勇者の手で………滅ぼしてほしい』


「はっ?」



こうして俺こと天樹勇魔あまぎ ゆうまが勇者としてこの魔王を、………この優しく悲しい瞳をした魔王を滅ぼす為の物語が始まりを告げた。









意味が分からないそれが今の俺の心情だ。


魔王が倒されるのを願っている、無くはないのだろうか、だがやはり意味が分からなかった。


そもそも自分を倒す為に勇者を呼ぶとはそれだけの理由があるのだろうか、それとも俺をからかっているのだろうか、だがさっきの言葉は嘘というにはあまりにも……


『おい、貴様』


「へっ?」


魔王に呼ばれた俺は思考の中から現実に引き戻される。


『いつまでほうけている、それでも本当に勇者か?』


「ど、どうなんでしょうねぇ」


魔王が肩肘をつき、ニッと笑いながらいう、見えている歯がギザギザで俺の身体なんて簡単に噛み砕けそうだ、思わず視線を逸らしてしまった。


「………」


「………」


いつの間にか魔王の横に戻っているヒルダお姉さまと目が合う。


なんかものすごく睨んできて怖い、魔王に視線を戻す。


『ふっ、ではヒルダ!頼むぞ、我の力が必要な時はいつでも貸そう』


「はっ!かしこまりました!」


魔王がヒルダお姉さまにそう言った。


ん?何を頼むんだ?ヒルダお姉さまがすごい顔でこちらに歩み寄る、魔王はなにが楽しいのか少し笑っている、俺は笑えない。


「おい、人間」


「はっ、はい、なんでしょうか」


お姉さまが俺を見下ろしながら言う。


「今からお前を鍛える為に試練を与える、が、その前にそのみにくい顔とダサい服をどうにかしなくてはな」


「みっ、醜い?ダサい?」


『フハハハハ!!!』


魔王が笑いだした、おい魔王!何笑ってやがる!

心が痛い、また精神魔法か。


「とりあえずはお前を部屋に案内する、付いてこい、では魔王様、失礼致します」


「えっ?あっ、はい!」


『クックックッ、ヒルダはスパルタだぞ?死なない程度にはげめよ?』


ヒルダお姉さまはそう言って歩きだし、あとを追う俺、魔王は笑っている、今なら殺意で滅ぼせそうだ。


「………なにか?」


「なんでもありません!」


ヒルダお姉さまが足を止めてこちらを睨む、チッ、命拾いしたな、魔王め!


ただ色々ありすぎて状況を理解出来ないのだが、………俺はいったいこれからどうなるんだろう?


そう思いながら部屋を後にするのだった、ちなみに魔王は最後まで楽しそうに笑っていた、なにがそんなに楽しいのか。






「ここがお前の部屋だ、入れ」


俺がヒルダお姉さまに案内される事数分、一つの扉を開けながらお姉さまがそういう、どうやら魔王以外の相手にたいしてはこれが素らしい、ギャップ萌えだね!


「お邪魔します」


とりあえず中に入ってみると、中はだいたい普通な気がする、部屋の大きさは15畳位か?一人で使うにしては少し広すぎる気がする。


遮光カーテンのかかった大きな窓に、本棚には読めないタイトルの本が大量にあり、ベットとソファーと机がある、これだけ見ると俺の世界とは文字の違い以外あまり変わらない気がする。


「へぇ、」


床をみるにやはり土足なのだろう、俺は部屋を見渡しとりあえず外を見ようとカーテンを開けてみる。


〈シャッ〉


「………」


〈ピシャッ〉


あぁ、やはりここは異世界か、しかも魔界なのかもしれないと思うほどの禍々しい景色に速攻でカーテンを閉めた、もう開けることはないだろう。


「そこの扉を開けると洗面所だ、さっさと顔を洗って服を着替えてこい、私は外で待っている、5分で支度しろ」


そういうとヒルダお姉さまは外に出ていった、よく分からないがとりあえず顔を洗いたかったので洗面台で顔を洗うことにした。


指摘された扉を開けると見えたのは俺達の世界とはだいぶ違った雰囲気の洗面台だった。


なんと表現すればいいか、大きく透明な水晶からホースのような物が伸び、ホースのその下に真ん中に穴の空いた受け皿のような形をした円柱の台座がある。


どうやって水を出すのかと思い、とりあえずホースの口に手をかざすと……


なんと!自動で水が流れてきた、やっぱりこれも魔法を使っているのだろうか、それに水もとても綺麗だ。


「異世界召喚か」


俺はそう呟くと自分のテンションが少なからず上がるのを感じてしまう。


やはりこういう事態でも男子高校生としては、夢にまで見たシチュエーションに少なからず興奮してしまうのは仕方ない事だろうと思う。


「まぁでもこれはないよなぁ」


魔王の目の前に召喚とかもう死刑宣告と一緒だろう、何故生かされているのか不思議でならない。


「あの時の魔王はなんだったんだろうか」


魔王は勇者である俺に滅ぼしてほしいと言っていた、いったい何故?


考えてもわからないが無視できる問題でもないだろう、そしてもうひとつは……


「俺はこれから何をさせられるんだ?」


完全に展開に付いていけなくなった俺は、これからの展開が予想つかなすぎて恐怖でしかなかった。


いや、途中で聞いてなかった俺も悪いんだけどね?


「はぁ、服はこれか」


このまま考えてもらちがあかない、俺はとりあえず問題を先送りにして洗った手をパタパタはたき、服を着替える事にする。


《バンッ!》


「遅い!お前はいつまで待たせるつもりだ!」


「キャァァアアア!!!」



ふむ、さすがは異世界、俺は幸先さいさきよくお約束の展開を発動させるのであった。



男らしいヒルダお姉さまも素敵だ。



うーん、文字数の理想になかなか届かない。


短くなってしまってすみません


次話投稿は20日12時です!

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