第1話 異世界召喚と言われましても!
目覚めたら目の前に悪魔がいた。
すみません、もう少し分かりやすくするために所々書き直しました!
4月22日3時頃
俺、天樹勇魔(17歳)はある日目が覚めると目の前に悪魔がいた。
「うわぁぁぁああ!!!」
『おい』
悪魔がなんか言ってる!
「い、命だけはぁぁあああ!!!!」
『いや、だからそ…』「たべないでぇぇえええ!!!!!」
悪魔がなんか言ってる!おそらくは俺の魂を頂くとかだろう!ここは全力で命乞いだ!
『おい、とにかく落ち着…』「美味しくありませんからぁぁあああ!!!!!!」
俺は必死に泣き叫びながら悪魔に全力で土下座をかました!………悪魔に土下座なんて分かるのか?
『黙れぇぇええい!!!!!』
《ドゴーン!!!!》
「ひぃぃいいい!!!!!」
ぁぁあああ!悪魔に土下座は通用しないようだ!どうしよう殺される!というか今悪魔の後ろに雷が落ちたぞ!?
『黙らんとこれを貴様に叩き込む』
《キュィィイイイン》
悪魔はそう言いながら左手を掲げると、電撃の球体のようなものを造り出した!
「んんんんん!!??」
なんか知らないけどあれはヤバい!俺は全力で自分の口を塞ぐ!
『…………』
《バリバリバリバリ》
「………んぐっ!ひっぐ…」
全力で嗚咽を堪える俺を悪魔が左手を掲げながら見下ろす。
『………はぁ』
《バシュ!》
「……ひっく…ひっく…」
悪魔はため息を吐くと左手の球体の握り潰した。
俺は泣き声を堪えるのにおそらく人生をかけた。
『この程度なのか、勇者とは』
「………ひっく…」
悪魔はそういうと座っている椅子に頬杖をつく。
俺は少し落ち着いてきた。
『……はぁ』
「勇…ひっく…者ぁ…?」
俺は嗚咽を堪えながら気になった言葉を口にした
確かに今悪魔は勇者と言ったのだ
『あぁ、貴様は勇者だろう?』
「へっ?」
どうやら俺の事を言っているらしい
『……勇者じゃないのか?』
「……えっと、はい」
何を言っているんだこの悪魔は、確かに俺はそこそこイケメンだが勇者とかそういうものじゃない、イケメンだが
『はぁ、まぁ勇者という顔じゃないな、正直汚くて見れたものではない』
「………えっぐ」
ヤバい!また泣きそうだ!
……いや!おそらくこの涙と鼻水まみれの顔だからだろう、うん!そうに違いない!
『ヒルダ』
「はい、魔王様」
悪魔がそういうと脇に立っているメイド服のようなものをきている女が一歩前に出た、綺麗な顔立ちで眼鏡を掛けたグラマーなお姉さんだ。
顔色は紫で目が赤、白目のところが黒なのと、長髪がピンクでそこから羊のような角が生えているのを除けばだが。
………今このお姉さんなんて言った?
『これはどういう事だ?』
「そうですね、結論から述べますと、この者は異世界からきた勇者で間違いないかと」
……ん?このお姉さんはさらっとすごい事を言っている気がする。
「えっ、ちょっ、あの、異世界?」
おもわず俺は聞いてしまった。
「はい、結論から述べますと、貴方はこちらの世界とは違う世界から召喚した勇者という者のはずです」
「へっ?いや、勇者とかでは、……えっ?異世界?」
このお姉さんはいったい何を言っているのだろうか。
俺が勇者なわけがないだろう。確かにイケメンだが、それに異世界?意味がわからない
「………人間風情が」
「ひっ!?」
お姉さんが眼鏡をクイッとあげるとそんな言葉を言った気がした。
おそらく気のせいだと思いたい
『まぁ待てヒルダ、殺してしまっては意味がない』
「はっ!申し訳ございません魔王様!」
あっ、気のせいじゃなかったわ!
というか今殺されるところだったのか俺!
そしてもう間違いないだろう、魔王、勇者、異世界とくればこれはあれだ……
「異世界召喚かよぉぉおおおお!!!!」
『!?』
「「「!?」」」
ここで叫んでしまった俺に罪はないだろう。
だって男の夢が詰まったあの異世界召喚なのだ。
そりゃあ叫ぶしかない。
ただ俺が叫んだ理由はそれだけではなく…
『お、おい?』
「あ、あの?」
魔王とお姉さんがなんか言っているがこれは言わなくてはならないだろう。
ここは異世界、俺は勇者、それはいい、それはいいのだが……
「いきなり魔王の前に召喚とかどんなクソゲーだぁぁあああ!!!!!」
そう!ここは異世界!チートとハーレムが入り乱れる異世界召喚!
俺は勇者として召喚された!
そこまではいい!
しかし!魔王の眼前に召喚とかどんな理不尽だろうか!
そんな事を思いながら俺は人生史上最大の理不尽にたいして割れんばかりの声でツッコミをいれたのだった。
『そろそろ落ち着いたか?』
「あっ、えーと、はい」
ひとしきり叫んだ俺はなんとか落ち着きを取り戻していた。
現在俺は魔王であろう悪魔を見上げながら正座中である。
見上げながらとは魔王が立っているとか近いとかいうのではなく文字通り見上げないといけないほどにでかいのだ。
座っている状態でもおそらく3メートル位あるのではないだろうか。
『では質問だ、貴様は異世界から来た勇者で間違いないか?』
「えーと、おそらくはそうです、はい」
魔王の見た目は人間に近い、顔つきはワイルドなおじさまとでも言うべきか、口ひげがおしゃれであとすさまじく美形だ、………殺意が沸く。
「今なにか魔王様にたいして失礼な事を?」
「いえそんな、畏れ多い」
お姉さんが睨んできて怖い、俺の心の声が聴こえているのだろうか?
とにかく魔王は美形なおじさまみたいな顔立ちなのだが、これまた顔色が紫で射抜くような鋭い目は赤目に白目のところが黒い色だ。
そして大きな身体に身を包むマント、頬杖を突くために出した腕は黒く怪しく光る鎧を纏った手腕が見える……カッコいい。
そして特筆すべきは燃えるような赤い短髪から伸びた大きな二本の歪な形をした角だろう、某ゲームのモンスターでこんな角のやつがいた気がする、………超カッコいい。
『まだ落ち着いておらんのか?』
「いえ、落ち着きました、すみません」
そんな事は今はどうでもいいだろうと思うか?
正直どうでもいいのは確かだ、こうでもしないとやってられない。
なぜってそれは……
ザワザワザワザワ
「……ゴクッ」
なぜか俺が召喚されたのは魔王の目の前で周りにはゴブリンやらオーガやらの人型から、俺よりもでかいオオカミやらヘビやらの動物型までとにかくそれはもう多種に渡って大量の魔物がいるのだから!
現実逃避の1つくらいしてもバチは当たらないだろう!
いや、これ以上のバチはないだろうが。
『はぁ、ヒルダ』
「はい、魔王様」
魔王がお姉さんの事を呼ぶ、あのお姉さんヒルダっていうのか、なんというか……グッとくる。
『周りのものを下がらせろ』
「はっ!皆様勇者召喚の儀はこれにて終了と致します!各自持ち場にお戻りください!」
「「「グォォオオ!!!」」」
「ひぃっ!」
ヒルダお姉さんがそういうと周りの魔物が返事をするように叫んでこの部屋からぞろぞろ出ていった。大声出すなよ!ちょっとビビっちゃっただろ!?
『驚かせてすまぬな、これで少しは落ち着けるだろう』
「あっ、いえ、ありがとうございます」
落ち着けるかぁぁああ!!いきなり召喚された先が魔王の前にも関わらず落ち着けるやつがいたらそれこそ勇者だ!
是非とも代わっていただきたい!
「なにか問題でも?」
「いえ、ありません」
ヒルダお姉さんが睨んできて怖い、やはり心の声が聴かれているのだろうか?
『さて、ではもう一度聞く、貴様は異世界から来た勇者で間違いないか?』
「あっ、えぇーと、おそらくそうかと思われます」
恐怖と緊張のせいかさっきからうまく声が出ない、ここは勇者と認めない方がよかったのではないか?
いや、今更訂正したらそれこそ殺されるだろう、もうすでに殺されない可能性はゼロに等しいのだが。
『貴様の役目は我の命を滅ぼす事で間違いないか?』
「いえ、決してそのような事ではないかと思いたいです、はい」
うわぁぁぁああ!帰りたい!今すぐお家へ帰りたいよぉぉおお!!
『では貴様の役目はなんだ?』
「いえ、おれ、……私には分からないです、はい」
ヒルダお姉さんと魔王の視線が刺さる、もうこれだけで心臓が止まりそうだ、もう少しもってくれよ、俺の心臓!
『はぁ、ヒルダ』
「はっ!この文献によりますと……」
ヒルダお姉さんが古びた巻物のような物を広げてこう続けた。
「この世が魔の王に滅ぼされんとする時、彼の地より勇者来たれり、そのもの大いなる力を持ちいて魔の王を討ち滅ぼし、この世に平和をもたらすであろう」
ヒルダお姉さんが読んでいる巻物はどうやら古の勇者の伝説みたいなものらしい、……こう言ってはなんだがありきたりな設定だ。
『で、こいつはその勇者で間違いないのか?』
「はっ!人族の王城から写しだした文献によりますとこの召喚陣で呼び出した人間が勇者であるのは間違いないかと」
今ヒルダお姉さんがさらっと重要な事を言った、ん?人族の王城から写しだした?
『ふむ、とてもそうは見えんが』
「……少々視てみても?」
王城から写しだした文献?召喚陣?確かに地面には俺を中心に魔法陣のようなものが描かれている。
『あぁ、構わぬ』
「では失礼して」
そんな事を考えている俺の前にヒルダお姉さんが立った。
近くで見るとものすごく綺麗だ、目線が虫を見るように冷たいのは気のせいだろう。
「魔眼・潜在鑑定眼」
「!?」
ヒルダお姉さんの目が光り俺を見る、なにか身体の奥を探られているような落ち着かない感覚が走る。
「ふぅ」
「ゴクッ」
数十秒後、ヒルダお姉さんの目の光が消えて俺の身体の違和感も収まった。おそらく潜在鑑定眼という名前通りに俺の潜在能力を見られていたのだろう。
『なにか分かったか』
「はい、結論から申しますと、この人間の基礎能力は平均以下です」
グサッ!何かが俺の胸に突き刺さるような感覚が走る、俺は刺されたのだろうか?
『平均以下か』
「はい、身体能力は平均以下、頭脳も平均の域を脱しないかと」
グサグサッ!俺の身体に容赦なく何かが突き刺さる、傷がつかないのを見るとおそらく精神魔法だろう。
さすがは異世界、恐ろしい魔法だぜ。
『そ、そうか』
「ただ……」
なぜか魔王の俺を見る目が少し優しい気がする、なのになぜだろうか、この心の痛みは。
『ただ、なんだ?』
「いえ、私の目では見切れないものがこの人間の中にあるのは確かです、膨大な魔力を持つ資質、魔法の適正の資質、そして……」
ヒルダお姉さんが何かを言っているが俺には聞こえない、というか聞きたくないので耳を塞いで意識から除外する。
「勇者としての潜在能力の底知れなさを確かに感じます」
『ほう』
そうだ!ここから無事に帰ったら京都へ行こう!
俺はあまりの恐怖と緊張、そして精神魔法により、俺の勇者としての資質とヒルダお姉さんの数少ない俺への好評という大事な言葉を聞き逃すのであった。
とりあえず手探りで行きたいと思います
次話投稿は19日の15時投稿です!




