第三十三話 蛍原写太の激写
第三十三話 蛍原写太の激写
「お、緒世……。今ちょっといいか?」
「ん、なに?」
「これっ、先月のお返し! あんまり上手く作れなかったけど……」
「あっ! クッキーだ! ありがと、早速食べてみてもいい?」
「いいけど、期待するなよ」
「ぱくっ――うん、見た目は若干不細工だけど、味は普通に美味しいわね」
「ホントか!?」
「普通に、だけどね」
「そっか、でも食べられるおいしさでよかった。さてと、じゃあ他のくれた女子にも配ってくるよ。じゃまた後で」
「マケル、ちょっと待って」
「え、なに?」
「それってもしかして、私に毒味させたってこと?」
「いやいや、そんなことないよ」
「でも、人に渡していいレベルかどうか私に食べさせて判断したわけだよね?」
「確かにそうだけど、いやほら、でも他の女子に実験台になってもらうわけには……」
「私なら、不味いクッキー食べさせても平気だって言うの!?」
「いやだから、そんなことは!」
「(パシャリ)」
「「!?」」
「あ、見つかった」
「だ、誰?」
「えっと、僕は新聞部の蛍原写太です」
「新聞部……? 今、シャッター音がしたのはもしかして」
「はい、廊下歩いてたら偶然修羅場っぽいのに出くわしたので『これは!』と思いまして」
「しゅ、修羅場?」
「ええ、お付き合いしてる二人がこんな人気のないところで言い争ってたら、それはもう愛憎入り乱れる修羅場形成まっしぐらでしょう?」
「「いやいやいや待て待て待て」」
「どうしました?」
「俺と緒世は付き合ってはいないし、別に修羅場でもなかったんだけど」
「えっ、塚井さん本当ですか」
「嘘ついてどうするのよ。そもそもどこからそんな噂が」
「いや、以前からことあるごとに親しくしているお二人を見かけているので、てっきり恋人関係なのかと」
「いやいやいやいや、無い無い全然無い! 天地がひっくり返っても無いね!」
「あの、八張君、となり……」
「えっ、あれどうしたの緒世さんそんな怖い顔して。違うんです今のはただ単に誤解を否定しようとしただけで、決して緒世さんに魅力がないと言ってるわけではごめん許しt」
盗撮はよくないです。他人や場合によっては動植物や建物を撮る時も、ちゃんと許可を取ってからでないと法に触れる可能性があります。
昨今SNSなどで、街中で著名人を見かけたのでパシャリ、今日はおいしいランチを食べてきましたパシャリ、などと気軽に写真を撮ってはアップロードするという現象が超多発しています。もちろんその大きな要因は気軽に写真を撮ることの出来る携帯端末の普及がその一端を成しているわけですが、マナーはしっかりと守らねばなりません。
前者はいうまでもなく、肖像権の侵害になることがあります(後ろ姿はセーフだけど顔が映ってるとまずい)。後者の場合も、お店の方や周りのお客さんを不快に思わせることになるかもしれません。
近年、あまりにもお店でパシャパシャすることが増えたため、業を煮やした店長がカメラ機能の使用を禁止しているお店もあるそうです。一方、写真を撮ってSNSなどにアップされれば、それはそれで店の宣伝になるからむしろ推奨! というお店もあるそうで、やはりマナーは他人がどう思うかで切り替えていかなければならないということを実感する日々であります。
追記:スマートフォンでは盗撮防止用に写真を撮る時は必ずシャッター音が出るようになっているのですが、静かな場所で他人に迷惑をかけずに写真を撮りたいという需要から無音でカメラ機能が使えるアプリが開発され、それ結局犯罪にも使えるやん、となっているそうです。結局道具の評価は使う人の善悪に左右されるということですね。




