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第二十九話 塚井緒世の仕切り

第二十九話 塚井(つかい)緒世(おせ)の仕切り

「あ、あのあの緒世ちゃん。クリスマスの集まりのことなんだけれど」

「あっ、そうそう、好江ちゃんはクリスマス会来られるの?」

「それが、先に用事が入ってて、その用事が朝からだからちょっと行けそうにないの……」「そうだったのね。いいよ、気にしないで。元々クリスマスに予定無い人でっていう話だったし」

「ごめんなさい……」

「ところで、何の用事だったの?」

「あー、えっと、その」

「あっ、答えにくかったら言わなくてもいいよ。ちょっと気になっただけだから」

「ゲ、ゲーム、かな?」

「ふーん。朝からゲーム販売ってことは有名なタイトルなのかな? ってことはマケルあたりが知ってそうかな」

「えっ!? マケル君もあの作品知ってるの!!」

「え、いやまあ、マケルもゲーム好きで、結構いろんなのやってたはずだから、有名なやつなら知ってると思うけど」

「マジですか!! よーし、早速マケル君と新作BLゲーについて語ってくるよ!!」

「行っちゃった。聞いたこと無いけど“BLゲー”っていうジャンルなのかな? でも好江ちゃんがそこまでゲーム好きだとは知らなかったなぁ。とりあえず鎖部好江は欠席、と」

「委員長、今少しいい?」

「ん、富家君どうかした? 確か富家君はクリスマス会は参加だったよね?」

「ああ、それのことなんだけど、実は僕の両親が丁度その日二人で夫婦デートに行くことになって、家にいるのが僕と妹だけになるんだ。だから僕がクリスマス会に参加したら妹がひとりっきりになっちゃうんだよね」

「えっと、富家君の妹ちゃんって、前に恋能君や鶴瓶田君が可愛いって騒いでた子だよね。それで妹ちゃんを一人残していくのは可哀想だから、クリスマス会は不参加ってこと?」

「僕もそうしようと思ったんだけど、妹が『お兄ちゃんと二人っきりでもつまんないし、どうせならあたしもクリスマス会連れてってよ』って言い出して……。さすがに高校生のクリスマス会に妹が来るのはおかしいよね……?」

「えっ? 別にいいじゃない連れて来れば」

「えっ、逆にいいの?」

「逆にも何も、誰もとがめないと思うわよ。それにクラスの何人かは前に写真見せたときに会いたがってたんでしょ?」

「(その会いたがってる人の筆頭が恋能と大好なのが問題なんだよな)」

「私がいいって言ってるんだから、妹ちゃんも連れてくるといいわ。楽しくなりそうね」「ああ、わかった、妹に伝えとくよ(大丈夫かなぁ……?)」

『ねぇねぇ、マケル君! やっぱりあなたホモだったのね(歓喜)!!』

『鎖部さん!? 何の話!?』

『(おや、僕の中のロリコンセンサーがなにかイベントが発生する予感を告げてるぞ?)』

『(んん、俺の中の変態レーダーが新たな女の子との出会いを捕捉したっぽいぞ?)』


メディアはバカの一つ覚えのように「今年のゴールデンウィークは月曜日と金曜日に休みを取れば、最大10連休となります!」などとのたまっていますが、果たして世間一般にその二日間を有給取れる人がいったい何パーセントいるのか甚だ疑問でありますし、そういった人はごく一部の富裕層だと思うので、我々一般階級民にとってはむしろ五連休だったり六連休だったりした年の方がこうして3・3・2の飛び石休みになるよりも嬉しかったりするわけです。

ましてやその祝日休みにすらも休めない人は「祝日というのは法律で定められた国民の休日だから、こうして休まず働いていることは違法なのではないか」という不安に駆られる可能性もあるので、やはりここはゴールデンウィークはしっかりとした連休を作ることを政府にやってもらいたいものです。

あるいはそうした公約を掲げる政治家がいれば、その人に私の清き一票を捧げることもやぶさかではないです。

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