第二十六話 和車深浬の解説
第二十六話 和車深浬の解説
「むふぅ、この重厚なメタリック感、たまらないなぁ」
「ん~? ミリちゃん何の雑誌見てるの~?」
「あっイオンちゃん。あのねあのね、これ私が購読してる『帝国軍艦コレクション』っていうミリタリー雑誌なの」
「あ~、そういえばミリちゃんってそういうミリタリー系が大好きなんだっけ~?」
「うん! 私は特に海軍が好き! 大海原で波を割って進む軍艦の神々しさすら感じるフォルムなんか、想像するだけでもう鼻血ものだよね!」
「う~ん、イオンにはよくわかんないや~」
「そっか……」
「でも有名なやつなら少しは知ってるよ~。ほらこの大和ってやつなら~」
「おおっ! 大日本帝国が誇る世界最高峰の戦艦大和に目をつけるとは! 全長263m、最大速力27.46ノット、満載排水量7万2809トン、主砲の最大射程はなんと4万mというバケモノ級の戦艦だよ!」
「へぇ~。普通の戦艦との差がいまいちわかんないけど、そこまで力説するからにはきっとすごい戦艦だったんだね~」
「世界最大の46㎝口径の主砲をいくつも艦載しているわりにはコンパクトに作られたボディだったけど、それでも空前絶後な大きさと力を持った戦艦でありながら、居住区では冷暖房完備、エレベーター付で2000人を超える乗組員一人一人にベッドが与えられてたの。これは普通兵員の寝起きはハンモックが当たり前だった他の軍艦の乗組員から見ると夢のような仕事場で『大和ホテル』と呼ばれるほどだったらしいよ」
「ハンモックか~。ベッドは場所取るもんねぇ~。でもベッドが当たり前じゃないなんて今のイオン達から見たら考えられないね~」
「されど、左様な高性能を誇った戦艦大和は如何ほどにも活躍の機がのうござった(だけど、そんな高性能を誇った戦艦大和はあまり活躍の機会がなかったんだよね)」
「人寺君? 急にどうしたのー?」
「いやはや、なにやらそれがしがお慕いしております侍の話をしておるごとく聞こゑもうした故(いや、なにか僕が好きなサムライの話をしているように聞こえたからさ)」
「えっ! 人寺君も軍艦に興味あるの!?」
「いかにも(うん、そうだよ)。大和の最期の散り様、誠に美しき也(大和の最期の散り様が本当に美しいと思うんだ)」
「というと、水上特攻のこと?」
「左様。勝機の無い戦にも背を向けず、刀折れ矢尽きるまで戦い抜き、其の最期を花と散りたる、その御姿こそいと天晴れなれ(勝ち目のない戦にも背を向けず、刀折れ矢尽きるまで戦い抜いて、その最期を花と散る、その姿はとても見事だよ)」
「ブシドースピリッツってやつだよね!」
「いかにも(その通り)!」
「人寺君とは話が合うね! 私的にはこっちの戦艦長門もサムライ的だと思うんだけど!」
「それがしも左様に感じていたでござる(僕もそう思ってたんだ)」
「なにやら二人の世界に入っちゃったみたいだね~。イオンにはついて行けないや~……」
艦これをプレイするまでは、いまひとつ艦船の種類の違いがよくわかっていませんでした。最近世間ではミリタリーブームが到来しているようで、戦車や自衛隊を主役にした作品が話題になったり、サバイバルゲームの人口も増えつつあるそうです。軍事に対する興味というのは、近年台頭しているイスラム国の存在や、軍事力の如何について日本国憲法の解釈を巡って争いが生じていることにも起因しているのかもしれません。
戦車道のアニメ『ガールズ&パンツァー』は最近映画化されました。少し前には戦闘機乗りが主役の『風立ちぬ』『永遠の0』がヒットしました。
ところで、艦船少女が主役の『艦これ』はいつアニメ化するんですかね?




