表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/38

第十四話 木関乃葉香の残念

第十四話 木関(きぜき)乃葉香(のばか)の残念

「ああ、憂鬱だ……」

「どうしたの乃葉香?」

「今日って期末テストあるよね」

「そうね」

「私、あれで赤点とったら夏休みの補習決定なんだ……」

「え? うちの学校って夏休み補習あったっけ?」

「成績の良い緒世は知らないかもだけど、実はあるんだよ。期末テストで最低限の点が取れなかった生徒のための特別補習」

「へー、そうなんだ」

「補習受けなきゃいけないのはわかるけど、補習を受けると遊ぶ時間とか部活行く時間が無くなっちゃうから、なるべく補習は受けたくないの」

「まあ、自ら進んで補習を受けに行く人はあんまりいないわね。でも、そんなに乃葉香って点数取れなかったかしら?」

「…………中間テストでは全教科の合計得点が三桁未満でした」

「ええぇ!!??」

「しかも、回答欄は全て埋めてあるのに……」

「つまり、自信を持ってとんちんかんな答えを書いてるって事ね」

「英語とか意味わかんない……日本語で書いてよ……」

「それじゃ英語じゃなくなっちゃうじゃない」

「古文もさ、あんなの日本語じゃないよ」

「昔はああだったんだからしょうがないわよ」

「数学も覚えた奴と違う形で出てくるし」

「あれは覚えたことをどう応用できるかっていう教科だもの」

「公民ってまず何の教科なのかすらわかんない。なに公民って」

「哲学的ね」

「物理は記号と公式ばかり出てくるし。でもミュウって記号はかわいい」

「それはわかるような」

「そういえば、化学の元素周期表にスペシウムって載ってなかったんだけど何で?」

「あれは空想上の物質名だから……」

「あーもう、とにかく勉強するのにうんざりだー……」

「しょうがないわね……。私がテスト勉強手伝ってあげようか?」

「緒世は世話焼きだねー」

「よくお節介って言われるけどね」

「一緒に勉強か……うーん……」

「なに? 私に教えて貰うのは不服?」

「いやー、教えて貰うのはありがたいけど。緒世、世の中には努力ではどうにもならないこともあるんだよ?」

「その台詞は凄い才能を持った人が言う台詞よ」

「色々諦めてる人が言う台詞でもあるよ……」


世の中にはびっくりするほど勉強の出来ない人がいて、遊んでばかりいるやんちゃ系の人ならともかく、ある程度勉強しているはずなのに、全くできない人も中にはいます。教える側はさぞ大変だろうと思います。

一方で、勉強はそれなりにできるのに一般的な常識や素養が身についていない人も多いです。私が驚いたのは中学生時代、給食の時間に同じ班だったとある女の子が言った一言です。

「レンコンってゴボウの太くなった奴じゃないの?」

そんな彼女は確か、農業系の高校に進学したと記憶しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ