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ヴェリタスの最終定理3:哲学篇 アリシア・ヴェリタス  作者: LIU
●第7章:存在を忘れられていた悲しみについて

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第0話:プロローグ

前作2つが長すぎるうえに本筋に関わる内容がないので要約します。

新暦一〇八年。

私【エラーラ・ヴェリタス】は、天才魔導士という肩書きを背負って生きていた。天才というのは便利なもので、大抵の危機は私の指先一つで片がついた。世界を救う仕事の合間に、私は一人の少女を拾った。アリシア・ガバナンス。無実の罪を着せられ、残忍な仕打ちによって心が粉々に砕け散っていた哀れな素材だ。私は彼女を修理し、ヴェリタスという誇り高い名を与え、養女として迎えた。それが人道的な行いだと、信じて疑わなかった。


しかし。絶対的な強者という椅子は、座り心地こそ良いが、足元がひどく脆いものらしい。私はある戦闘で、人生で初めての、決定的な敗北を喫した。おまけに十年後には確実な死が訪れるという、親切すぎる未来予報まで手に入れてしまった。私はその運命を書き換えるため、時間の壁を突き破ることにした。

跳躍した先の荒廃した未来で、私はユカリという少女に出会った。彼女には磨けば光る才能があった。私は彼女に【ナラティブ・ヴェリタス】という名を与え、共に過去へと舞い戻った。私たちは最強の双璧として、立ちはだかる敵を次々と粉砕していった。

ところが、実に奇妙なことが起こり始めた。私たちが正義の鉄槌を下せば下すほど、悪の方はそれに応えるように、より強大に、より悍ましく進化を遂げていくのだ。まるで私たちの正義が、悪を育てるための上質な肥料にでもなっているかのようだった。

そして、最悪の効率で悲劇が訪れた。圧倒的な悪の化身による攻撃で、仲間たちは宇宙の塵となって消滅した。さらに新たなる敵の攻撃は、私たちの最大の武器である知性を標的にした。私たちの脳は徹底的に破壊され、その思考回路には、決して消去できない歪んだバイアスが深く刻み込まれてしまった。


さて、現在の話だ。

死の淵から奇跡的に一命を取り留めた私は、完全な回復を果たした。しかし、私の脳は破壊され、頭の中にある膨大な記録から、最も重要であるはずのデータが、綺麗に消去されていた。【アリシア・ヴェリタス】。かつて愛を注いだはずの娘に関する記憶が、どこにも見当たらないのだ。

脳を書き換えられ、異常なバイアスという名のプログラムに支配された私とナラティブは、以前よりもずっと冷酷に研ぎ澄まされていた。記憶と共に人間性が消えゆく私たちは、傲慢にも、この世界に対して新しいルールを提示することにした。


「私たちは苦しみ、強くなった。だから、お前たちも、苦しめ」

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