レッドブルの討伐
私はスチールモォールを討伐した翌日、朝食を済ませ、西の壁の向こう側、プリコッナ街道の橋の川辺りに群れをなしているらしいレッドブルを観察しに行く。
幌歩竜車に乗り、ディルカンを出て、プリコッナ街道に出て、幌歩竜車を降りた。
11限を過ぎた頃だが、レッドブルの群れは橋の川には姿を見せてない。
1限過ぎるのを待機して、マニュアル本を開き読み進めていた。
退屈だ。
地面からお尻を浮かし立ち上がる。
私は、川に近づいていく。
掌サイズの魚が泳いでいる。
川は濁っておらず川の底を目視出来る程の綺麗さだ。
革靴を川の淵に脱いで置き、川に脚を浸ける。
腕を浸けて魚を獲っていき、魔具鞄に入れていく。
満足した私は川から上がり革靴を履いて、魚に突き刺せる小枝を探しにいって、魚に小枝を突き刺し、直に魚を炙り、焼いて齧り付く。
魚を食べ終えたタイミングでレッドブルが姿を現した。
赤い毛を纏った牛が現れ、私に向かって突進してきた。
橋は壊さず的確に狙ってくるレッドブルたち18頭だ。
じゅるる、と口から垂れる涎を手の甲で拭う。
「低級アイス床」
私は川の水面を掌で触れ、凍らせる。
突進してきたレッドブルが止まれず巨体を橋にぶつけ、目が回っているレッドブルから身体に乗り、【鑑定】で魔核を的確に狙って、波照を纏わせず拳をぶつけた。
「ウモォォーーーッッ!!」
レッドブルは叫んで、動きを止めた。
同様にレッドブルを倒していき、魔核を取り出す作業をてきぱき済ましていく。
巨体のレッドブルを魔具鞄にしまっていき、ひびが入っただけで欠ける部分がない18個の魔核もしまう。
私は凍らした川を水に戻し、徒歩で中央まで帰ってきた。
冒険者ギルドに赴き、受付カウンターに近づいた。
「終わりました」
「あぁ、シェイラさん。B級の依頼……解体コーナーでレッドブルを——」
「そうですね」
魔物を解体と換金するコーナーに移り、魔具鞄からレッドブル18頭とレッドブル18頭の魔核を提出した。
レッドブルを3頭出してから解体するおやっさんが荷車を出してきて外へレッドブルを移していった。
「レッドブルの魔核全部が欠けてねぇじゃねぇか!?それに剣で斬られた跡や魔法の傷が付いてねぇ!?どうやったらこんな綺麗な……えぇっと、全部ギルドに卸すかい?」
「まあ拳で倒しました。2頭程の肉は貰いたいと思います」
「拳でって簡単に……驚きが尽きないぜ。2頭だな分かった」
額に汗をかくおやっさん。
馴染みになった受付嬢に依頼書を渡し、報酬を受け取る。
約束の時間に冒険者ギルドに戻って、レッドブルの肉を受け取った。