建築ギルドへようこそ!
私は朝食を済ませ、宿屋を出て建築ギルドへ赴いた。
建築ギルド内は閑散としており、冒険者ギルドより人が少ない。
冒険者ギルドに出入りするような武装した格好の人は居ない。ただの街人で軽装だ。
私がただ浮いている。
私は受付カウンターに近付き、受付カウンターに佇むおじさんに挨拶をした。
「おはようございます。建築者になりたくて、建築者証は何か試験を受けなきゃ貰えませんか?」
「ようこそ、ディルカンの建築ギルドへ!直ぐに建築は出来ないぞ。S級建築士にしかどの建造物も建てられんが建築者証は個人情報を用紙に書いてくれたらやれるよ」
「そうですか。この冒険者証を出すと貰えますか?」
「まずはF級で登録になるがそれで良いかい?」
「えぇ、構いません。昇任試験はどうなっていますか?」
「ええ?あぁ、昇任試験か……まずはこれだ、マニュアル本を覚えて、筆記試験を受け、見習いになったC級以上の建築士に認めてもらって見習いは終了って感じだ。E級もそのマニュアル本のE級の範囲の筆記試験を受けて、F級だった頃に見習いになった級よりひとつ上の者に技術を磨かせてもらう。昇任試験を受けられるのは早くても二ヶ月後だぞ。二ヶ月は見習いをだな……そのマニュアル本を覚えて、見習いをするんだ」
奥へと姿を消し、3刻は経たずに戻ってきて掌サイズの木片とマニュアル本を手渡された。
「分かりました。えっとそちらでC級建築士を斡旋して貰えますか?」
「希望は聞くが希望に添ったC級建築士に当たるか知らんぞ」
「そのときはそのときです。いつ伺えば良いんですか?」
「3日後には手配しておくよ。あとは何かあるかい?」
「今はもう。ありがとうございました。宜しくお願いします」
掌サイズの木片、建築者証を魔具鞄にしまい、マニュアル本を開き、歩き読みしながら、建築ギルドを後にした。
宿屋に戻ろうとした所、フクトゥスに呼び止められ、マニュアル本を開いたまま脚を止め、顔を上げた。
「フクトゥスじゃないですか。私に何かありますか?」
「シェイラさん、不機嫌ですね……ギルド長がシェイラさんを探してまして、来て貰えませんか?」
フクトゥスが不穏なことを言い出し、隣に立ち、片腕に彼女の片腕が絡み、連行を承知してないのに行くことになった。
冒険者パーティの《冬の木枯らし》の一員、フクトゥスに連行を余儀なくされ、渋々冒険者ギルドに赴いた。
冒険者ギルドに入り、受付カウンターでフクトゥスが受付嬢に連れてきたことを告げると、受付嬢が駆けて行きギルド長を呼びに向かった。
ギルド長が姿を現すと絡ませた片腕を解き、冒険者ギルドから出ていったフクトゥスだった。
「急にすまんな。シェイラさんにしか頼めん依頼があるのを思い出してな……引き受けてくれんか?」
「どのような依頼かによります。級はどのくらいの?」
「B級なんだが……そこまで手こずらない依頼だ。レッドブルが川で群れをなしてな10数匹だが……今C級パーティ以上があるとこの大会に出場してて差し向ける冒険者が居ない。シェイラさんがディルカンに来てくれて良かったよ!」
ストリッドが依頼の内容を話し出す。
「3日以内でこなせるなら引き受けます。はぁー」
「そうか!そりゃ助かる、どのC級パーティやB級パーティもあそこの大会で一儲けしようと思ってるからこっちとしてはため息が出るぜ!」
包まって筒になった依頼書を受け取り、ギルド長のストリッドと別れ、冒険者ギルドを後にした。
ようやく宿屋に帰れた私だった。




