EpisodeⅩⅫ「本音」
会談が一区切りついた所で休憩を挟むことになった。
俺たちにはこの館の客室が当てがわれているのでそこへ向かう。
KEIさんの後に続いて部屋を出ようとした時、後ろから呼び止められる。
「ねえ、少しいいかしら?」
後ろを振り返るとシリカが居た。
KEIさんに先に言っているように伝えると、再び席に着く。
今はロカードは居らずシリカと俺の二人きりだ。
「何か?」
「……本音で話さないかしら?」
その言葉に目を丸くした。
まさかここでそれを言ってくるか……。
ある程度の事が決まったが、まだ完全に約束されたわけではない。
ここで本当の事を言ってしまえば後で内容を変更することになるかもしれない。
「冗談だろ?」
苦笑いをしながらそう言ったが、シリカの表情は本気だった。
まじかー。
「今更内容を変更しろなんて言わないわよ。私はただ、貴方と腹を割って話したいと思っただけ」
「腹を割るねー…。まあ、いいだろう」
ここで俺の真意を暴露しても特に問題は無い。
最悪、ロボットに連絡してこの街を出ればいい。
それでこの国を敵に回すことになっても恐らくは大丈夫だろう。
力に差があることは今までの行動で分かっている。
まあ、そう言った事態は避けたいが。
「私はね、自分の目に自信がったのよ」
「目?」
「他人を見る目よ。相手が何を考えているのか、どんな人物なのかとか。そう言ったものを見る目よ」
つまりはあれか、相手も性格や思考を推測するのに長けているって言う事か。
「でも、貴方からは何も感じられないのよ。貴方が本当は無いを考えているのか、どんな性格なのか。だから、信じきれない」
「別に信じてもらおうなんて考えちゃいねえよ。それに、相手に思考を読まれたら終わりだろうが」
相手が自分を信用するかは関係ない。
相手と自分の間の利害関係がしっかりしていれば信用なんていらない。
むしろ、信用なんかよりも利害関係の方が扱いやすい。
まあ、KEIさん達は例外だけどな。
「俺はずっと化かしあいみたいなことをずっとやっていたからな。化かしあいで他人に思考を読まれたら終わり。だから、読まれないよに工夫した。表情、視線、汗や指の先まで。まあ、そのせいで他人からは気持ち悪がられたけどな」
何を考えているかがわからないから意味が悪いとずっと言われてきた。
そんな事を言わない人たちがロボワーだった。
「まあ、今回の件に関してはガチでそっちが被害を被るような事は無いから。そこは安心していい。それにどっちかって言うと利益しかないんじゃないか?」
不敵な笑みを浮かべてそう言うとシリカは静かに「そうね」と答えた。
「ところで、兄はどうなっているのかしら?」
「ああ。ちゃんと連れてきてるよ。この話し合いが終わったら引き渡す。それと残りの奴らは全員殺した。生き残りはザナックだけだ。遺体はこっちで勝手に処理させてもらった」
「そう、わかったわ。ありがとう……」
シリカの言葉は安心したような感じだった。
部屋を出て、廊下の天井を見上げた。
「やっぱり兄妹って事か……。できの悪い兄を持つと大変だねー」
頭を軽く掻きながら皆が待っている部屋へと向かった。
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