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EpisodeⅩⅪ「カンザス会談」

 街に入った俺たちは領主の館へと向かった。

 どうも、そこで会談をするらしい。

 町並みはいたって普通、と言っても日本のような近代的ではなく、漫画などでよく見たファンタジー系の町並みだった。


 自分たちの機体は街の外に置いてきた。

 流石にあのでかさで門をくぐるのは無理があるからだ。

 で、その整備や警備をロボットに任せている。

 俺たちにも護衛として何体か着いてきてもらっている。


 ***


「それでは早速はじめさせてもらおう」


 そう言って仕切り始めたのはこの街の領主だというロカードという男。

 その隣にシリカ、その2人の対面に俺とKEIさんが座っている状態だ。


「まず初めにこちらが聞いておきたいことがあります」


 俺の発言に小さく頷いたロカードを見て、話を続ける。


「今回のこちらへの攻撃、あれはこの国の総意による行動でしょうか?」

「いえ、違います。少なくとも私の父、現国王ロードはそのような支持を出していません」


 やはり、あの馬鹿王子の独断という事になる訳か。

 シリカの言葉はまるで今回の件はザナックが勝手にした事だから国に責任は無いと言っているような口ぶりだった。

 しかし、だからと言って今回の件に国が関与していない訳ではないだろう。

 いや、実際そうなのだろう。

 ザナックの話では貴族が絡んでいるらしい。

 なら、王が関わっていなくても何かしらの責任を持つ必要があるはずだ。


「こちらはザナック王子を捕虜としました」


 それを聞いてシリカの表情が一瞬強張った。

 しかし、すぐに元の表情に戻る。


「その時に幾つか聞き出した情報があります。まず、今回の我々への攻撃は貴族が首謀したそうですね?」

「ああ……」


 ロカードは短く肯定の意を表した。


「それならば、今回の件はロード王に責任が無いようには思えないのですが?」


 圧力をかけるようにそう言うと、ロカードの額に汗が流れるのが見えた。

 やはり、どうにかして今回の件で国が責を負う事を避けようとしているようだ。


「まず、第一に侵攻軍を指揮していたのは王子であるザナック。幾ら王が命令を出していないとしても、知らなかったとしても監督不行き届きとして何かしらの責任を負う必要があると思うのですが?」


 追撃を加えるように言うとロカードの表情は一層険しいものに変わった。

 それに比べて表情を変えていないシリカ。

 その精神力に俺は心の中で拍手を送っていた。


「私たちに責任があり、それを何らかの形でそちらに償わなければならないのは理解しています」


 ロカードを見かねたように口を挟んだシリカを見る。

 目を瞑り、状況をしっかりと把握しているように見えた。


「そこで、そちらの要求は何でしょうか?」


 その言葉を聞いて俺は内心で息を吐いた。

 何とかこの状況に持ってこれた。

 相手に、自分たちに責任があると自覚させることで、こちらの要求を通りやすくさえる。


「こちらが要求するのは今後、我々に危害を加えないという条文の締結。それと魔法に関するすべての技術、知識の開示です」


 それを聞いて、ロカードが勢いよく立ち上がった。


「貴様!ふざけているのか!」


 そうなるわな、と思いながらロカードを見やる。

 シリカがそのロカードを諫めた。

 魔法技術と魔法知識。

 この二つを開示するというのは国家存亡の危機になる。

 理由は簡単で、技術の開示と言うのはその国の技術力、つまりはどれ程の力を持っているかに繋がる。

 そして、魔法知識はその国の魔法がどこまで進んでいるかを示している。

 この二つを開示し、それが他国に流出すれば瞬く間に国は滅ぼされることになるだろう。


「流石にその要求は飲めません」

「何も、こちらは貰った情報を他国に売りつけるような事はしませんよ。条約に書き足してもいい。まあ、それで信用できるかどうかは別ですが」


 それを言うとシリカは射殺すほどの眼光で俺を睨んできた。

 殺気がビシバシ伝わってくるがこんな事に怯んでられない。


「我々は元の世界に帰るための方法を探しています。そんな方法がこの世界に存在しないというならば自分たちで何とかしなくてはいけない。しかし、それを研究するにはあまりにも知識が足りなさすぎる。だからそれに協力を求めているんです」


 この言葉は7割嘘だ。

 貰った知識を使って自分たちで変える方法を探すのは本当だが、本当の理由は魔法を使って新たに装備を作る事だ。

 今の装備には当然魔法なんて使われていない。

 もしも魔法と今の技術を組み合わせることができたなら、それは強力な武器になる。


 シリカはしばらく考え込むと結論を出したのか顔を上げた。


「……いいでしょう。ですが、それならそちらの技術の一部を我々にも教えてもらいます」


 そう来るよねー。


「残念ながらそれはできません」


 その言葉に一瞬眉をぴくつかせたシリカ。

 だって、俺たちにも理解できない技術や知識をどうやって教えろというのか。

 ロボット達にこの前聞いてみたけどさっぱりわからんかった。

 なんか聞いたことのない言葉がいっぱい出てきたせいで頭がショートした程だ。

 そんなものを教えるのは不可能と言うものだ。


「ですが、そうですね……。もし、そちらから何かしらの要請があれば可能な限り引き受けましょう」

「……例えば?」

「他国からの侵攻があった場合、魔物への対応。そして、災害派遣などですかね」


 流石に他国侵略に協力する気はない。

 だが、防衛や人命救助なら協力しよう、という意思表示だ。


「……わかりました」


 ひとまずはこれで大まかな話し合いが終わった。

 後は細かな所や条約の締結ぐらいだ。

 あー疲れた。

 そう心の中で思いながら、小さく息を吐いた。

評価等々してもらえると大変励みになります。

よろしくお願いします。m(_ _)m

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