EpisodeⅩⅩ「判断」
昨日は投稿できずにすみませんでした。m(_ _)m
どうするか、と言っても既に考えてある。
と言うか現状、これ以外に選択肢がない。
それが拡声器を使った方法。
他の方法は地球とこの世界での使用目的の違いがあったら通じないので無理。
例えば、旗信号で話し合いの要求をしたとする。
しかし、その旗信号がこの世界では使われていない、もしくは他の意味だったりしたら下手したら大変な事になる。
通じないならまだいい。
もしも、こちらが行った旗信号が相手に宣戦布告などのような意味にとられた場合、話し合いどころではなくなってしまう。
という事で一番確実な拡声器を使った宣言をすべきだ。
「てなわけなんですけど、だれかやってくれません?」
「やだ」
「無理」
「隊長なんだからカメだろ」
当然のように誰も引き受けてはくれない。
分かっていた、わかっていたさ。
でも、ダメもとで頼んでみたくなったんだよ。
「ですよねー」
溜息混じりにそう言って俺は機体を操作した。
***
「一体、どうしたのでしょうか?」
巨大なゴーレムが動いを止めてから少し時間がたった。
今はまだ、こちらから打って出るわけにはいかない。
そんなことをすれば一瞬で殲滅される。
確証は無いが、そんな予感がシリカの中にはあった。
「なんにしても、こちらから動くようなことはできないわ」
「それで、もし敵が攻撃を仕掛けてきた場合はどうするのですか?」
その可能性がない訳ではない。
が、それは限りなく低いだろうとシリカは考えていた。
理由は彼らの拠点で話し合った印象からだった。
カメと名乗ったあの男は真意を読み取らせないようにずっと冷静な顔のままだった。
相手の力量や真意を読むことに長けていたシリカだったが、彼の真意を読み取ることができなかった。
しかし、わかったことがある。
彼は非常に慎重で、それでいて自分の利益になるものと不利益になるのを明確に分けるという事。
利益になる物は言わずもがな、少しでも不利益になるようなら手は出さない。
そう言うタイプの人間だとシリカは判断していた。
「彼らなら、こちらを敵に回そうとはそうそうに考えないはず。まずは話し合いをしようとしてくるはずです」
「………わかりました。貴方を信じましょう」
ロカードは兵士たちに現状待機を命令した。
その時、彼らの方から大きなっ声がした。
***
「あーテステス……声出てる?」
機体の中にいると自分の声がちゃんと外に出ているのかがわからない。
下の方を見るとロボットがサムズアップをしていたのでちゃんと声は出ているようだ。
その後、のどを鳴らして切り替える。
「我々は『ROBOT・WORKS』。先日、貴国の王子からの攻撃を受けた。それについて、説明を願いたい。これに応じない場合は我々は貴国と戦争することになる。以上」
と簡潔にここに来た理由を言った。
言葉足らずかもしれないがこれでいい。
敢えて情報を少なくすることで敵の指揮官が馬鹿かそうじゃないかを判断する。
用も済んだので拡声器を切る。
「こんな感じでよかったですかね?」
「うーん。よくわからないけど良かったんじゃね」
「グッジョブ!」
この人たちは他人任せにすると変にテンション上がるんだよなー。
そんなことを考えながら相手の返答を待つことにした。
その暇な時間はさっきのしりとりの続きをしていた。
実はまだ決着がついていなかった。
***
一方的な通達を受けて、兵士たちは混乱してた。
それをロカードが鎮めて、返答をどうするかの会議が急遽行われた。
「それで、どうしますか?」
「私は受けるべきだと思っています」
「それは、敵を街の中に入れるという事ですか?」
ロカードの懸念は、街に入ったとたんに彼らが暴れださないかという事だ。
シリカはそんなことはしないと断言できるのだが、彼らと話したことも見たこともないロカードには当然現れる懸念だった。
ロカードはこの街の領主であり、この街とこの街に住む人々を守らなければいけないという義務がある。
故に危険を街中に入れるなど容認できるはずがなかった。
しかし、それ以外に取れる選択肢がない。
彼らの要求を断れば、この国と彼らとで戦争になるだろう。
国と個人では圧倒的な差があるはずだが、彼らが相手となれば話は別となる。
彼らなら一国を相手に十二分に戦いことができるだろう。
実際、あの巨大なゴーレム1体で街を数個壊滅できるほどのものだとシリカは判断していた。
「ここは私を信じてください。それに、これを断ったとして戦争状態になればこの街は壊滅します」
あのゴーレムはそれほどの力を持っている、とシリカは説明した。
それはロカードも薄々気づいていた。
故に首を縦に振るしかなかった。
「それでは、決まりという事で」
***
しりとりをしながら待っていると、2人こちらに歩いてきた。
それを警戒してロボット達が2人に銃を向ける。
「ん?どっかで見たことあるような……」
「この前、森の踏査と言ってうちに来た騎士団の団長だ」
呆れた風に説明してくれたKEIさんは最後に「カメってホント人の顔と名前を覚えるの苦手だよな」と悪態じみた言葉を吐いた。
そりゃ興味ないですからね、と心の中で返しつつ2人を見る。
ロボット達に銃を向けられたところで立ち止まっていた2人は口を開いた。
「私はシリカ・ローレン。話し合いに応じよう」
それを聞いた俺は内心安堵した。
俺たちの事を信じるような輩は相手に居ないと思っていたからだ。
そうなった場合は街から離れたどこかで会談をするつもりだったが。
「了解した」
シリカにそう返事をして、ふと思い出した。
シリカって確かザナックの妹で第一王女だったっけか。
なぜ、ここにそんな奴が居るのかと思ったがすぐに納得する。
「馬鹿な兄を持つと苦労するなー」
そう言いながら皆に支持出した。
評価等々してもらえると大変励みになります。
よろしくお願いします。m(_ _)m




