第37話「ダキア攻略戦(後編)」
朝にベオの予測があたり、悪魔が防衛戦の尖兵として押し出されてきた。
「リィターン!!」
「了解!!」
パゥ、パッ!!
悪魔達から次々と放たれる霊力弾を、リィターンはバリアによって次々と無効化し、その剣から炎を悪魔達へ向かって放つ。
ギャオゥ!!
恐らくは尖兵となっているのは下位の悪魔なのだろう、アウローラが駆るリリィターンにより、次々と切り捨てられていく。
「リィターンに続け!!」
彼女リィターンへと続くアンゼア部隊、旧式ではあるがそれでも未だに戦力として健在であるのだ。
「くっ!!」
アンゼア隊は苦戦を強いられながらも、果敢に悪魔達をほふっていく。
ビュオウ……!!
「アンズワースだ、各員警戒!!」
お馴染みの零刃昏邪映、それによる冷気により鹵獲機のオルカス、そしてアンゼアが凍りついて、一機のオルカスが沈む。
「くそぉ!!」
冷気の直撃をくらったアンゼアの霊動エンジン「疾風」の霊が暴走を始め、そのままあらぬ方向へと機体がフラりと迷う。そのアンゼアを避けるようにして、パゥアー隊がPM霊気銃をアンズワースへ向けて射ち放った。
スゥ……
「なんだ、霊気銃が効かないぞ!?」
「この裏撫鮑花といったっけ、便利だねえ!!」
オーク族から手に入れた裏撫鮑花による衣、漆黒のそのマントに包まれたアンズワースは、まさに人の作り出した悪魔そのものにみえる。
「ライフルランスだ、ライフルランスを使え!!」
「使えって言われてもね、ベオ!!」
聖戦士ダビデの焦りを感じさせる声が、アイワークス・エイトヘヴンにと伝わってくる。アンズワースの機体性能には、さすがにパゥアーといえども容易には近づけない。
「支援する!!」
バッバァ!!
サブ・パイロットのリコリスに命じて、霊力弾の連射をアンズワースに向けて放つベオ、牽制の弾幕だ。
「効かないって、いってるでしょ!!」
中途半端な霊力による攻撃は裏撫鮑花にとっては「餌」にしかならないことをベオ達は知らない。なおもスピードを上げ続けるアンズワースに対して。
バウン!!
「ちぃ!!」
「烙華槍ならば!!」
悪魔団を殲滅、あるいは後退させ支援に駆けつけたリィターンの焔が零刃昏邪映の歪みのバリアも、裏撫鮑花の防ぎの効果も貫通し、そのままアンズワースにと損害を与える。
「この真っ黒の機体、壊せると思う!!」
「生意気な、金ぴか!!」
とはいいつつも、ベアリーチェにとってこの烙華槍というものが「鬼門」であることは充分に承知している。そして、恐らくは単純な機体装甲そのものでしかガード出来ないことも。
ヒュオオウ!!
零刃昏邪映からの冷気と、烙華槍の焔が空中で合わさり、朝日の日を強く弾かせる。
「おのれ、金ぴか!!」
「真っ黒け!!」
ガァン!!
大鎌と炎の剣が合わさりあい、かち合いの音が周囲へと響いた。
「戦局は、五分五分……」
しかし、このままドワーフ達の援軍が人間勢力に加われば勝率が大きく上がるとベオは想像する。




