第七話 再会
まずは4人のが向かったのは洋服売り場だった
川辺で拾われた千颯の服はボロボロで今着ている服は千夏が小さい頃着ていた服なのだ。
そのため、まずは服を見に来たのだが……。
「これはどうじゃ?」
「……ふりふりはちょっと……こっちのがいい」
「なんじゃ可愛いのに……そんな服ばっかだと寂しいぞ。」
千夜子が選ぶ服、全てが可愛らしいザ・女の子のような服ばかりで千颯はどうやらかっこいいめの服がいいようなのだが、なかなかそればっかりだとといった表情を千夜子はしていた。
その表情に千颯は申し訳なってくる。
そんな千颯に追い打ちをかけるように千夜子は寂しげな表情で声をかけた。
「わしは、この服を着た千颯も見たいなー。どうじゃ?」
「うっ…………」
「ダメか?……おばあちゃん可愛い千颯も見たいなぁーー」
そんなうるうるとした表情で見てくる千夜子に千颯は折れるしかなかった。
「……………………わかった……1着だけなら…」
「よっしゃ!ふふふ、言っみるものじゃな」
そんなこんなで買い物は進んでいく。
服や小物。そして学校に必要なものを買いに行ったあと、飽きてきた慧斗が文句を言い始めた。
「なあなあ、飽きたー。早くゲームセンター行こうよー」
「待っておれ。女性の買い物は長いんじゃ。それが漢というもんじゃよ」
「ぶーーー。はーーい」
慧斗がほっぺを膨らまして拗ねていると千夜子がそれに答えるように言う。
「すまんな、あと、食器を買ったら終わりじゃ。ちょっとまっておれよ」
食器屋に立ち寄ると色んな子供用の食器を見始める。千夜子が子供用の箸を選び始めた時千颯が千夜子の服を引っ張った。
「あの、お箸はこれがいい」
そう言って見せたのは先がとんがってない太めのお箸だった。まさか、箸にこだわりを見せるとは思っていなかった千夜子は持っていたお箸を千颯に向けてしまう。
すると、車に乗って叫んでた時と同じ大きさの声で叫んでしまった。
「来るな!!」
辺りは静まり返っていた。
シーンと鎮まり返った店内から色んな人からの視線が突き刺さる。
千颯は俯くことしか出来なくなってしまった。
(やってしまった。関係ないのに、この人はあの人違うのに……祐希としての記憶が邪魔をする。)
すると慧斗が思い出したように口を開いた。
「そういえば、千颯、親父か持ってきてた機械で検査する時も針見ないようにしてたし、もしかして先がとんがってるもの怖いのか?」
「うん、そうだけど……」
少し小馬鹿にしたような言い方にムスッとすると千夜子が優しく声をかけてくれる。
「そうだったのか、すまんなお箸を向けてしまって。指し箸は駄目だと慧斗によく言ってるのにな」
「そうだぜ。ばあちゃん!」
そう優しく頭を撫でる千夜子に千颯は震えていた体落ち着いてくるのを感じる。
落ち着きを取り戻した千颯は千夜子の方を振り返り口を開いた。
「大きい声出して、ごめんなさい。」
すると千夜子は優しい笑みを浮かべた。
「大丈夫だ、気にするな。よし、じゃあさっき言ってたヤツと他のものとわしは会計してくるから先にゲームセンター行ってきな。後でおいかけるから」
そういうと嬉しそうに慧斗がはしゃぐ。
「やった!やっとだぜ。なー、千颯ゲームセンターで何取って欲しい!俺、クレーンゲーム得意なんだ。なんでもいいぜ!」
そういうと千颯は少し恥ずかしそうに口を開いた。
「もふもふ……もふもふしたヤツ……」
「え?もふもふ?」
「うん、もふもふしたぬいぐるみがいい。」
すると慧斗はいい笑顔で言う。
「か、かわいい………じゃなかった…可愛い趣味してんだな!おぉ!お兄ちゃんに任せとけ!」
そういうとゲームセンターの方に走っていった。
それに慌てるように夏吉がおいかける。
「こらこら、お店の中を走るでない!」
(お兄ちゃんって……実年齢的には私の方がかなり歳上なんだけどな……まあいいか。)
その後ろを千颯は急いで追いかけた。
*
ゲームセンターの手前、もう少しで追いつくところでふと千颯は足を止めた。足を止めた先には楽器屋があったのだ。
(こんな所に楽器屋が、まあショッピングモールだもんな……島〇楽器とか入ってたしな。)
そんな風に思っているとショーケースに飾られている楽器と目が合う。それは千颯──いや祐希が愛用していたベースが置いてあった。
(!……あ、あれは…わたしがよく使ってた。ベースじゃないか?しかもレフティーのジャスタイプ!!!!……いいなぁ、懐かしい、あれ買うのに頑張ってお金貯めたんだよなー待って、この楽器があるってことは、あれもあれも、また使えるのか……)
「なんじゃ、ベースが好きなのか?」
まさか、後ろにいるとは思っていなくてびっくりした千颯勢いよく振り返った。
「!!おばあちゃん…びっくりした」
「はははっ!驚かせてすまんな。いや、しかしすごい食いつきようじゃったな。さっきの買い物以上に目が輝いておったぞ。」
千夜子は嬉しそうに千颯に目線を合わせ口を開いた。
「そんなに欲しいなら買ってやるぞ。すみませんー!」
「え、ちょっ、おばあちゃん……だ、大丈夫、これはそんなポンポン気軽に買えるものじゃ……」
千颯が慌てて止めに入ろうとするが千夜子はなに食わぬ顔で定員に飾ってあるベースを買えるか聞いていた。
しかし……
「すみません。もうこちらある方に抑えられていて。申し訳ないです」
「あーそうか、それはしょうがないなあ…………って千颯大丈夫か!?」
それを聞き、千颯は崩れ落ちていた。
(そうだよな。レフティなんて珍しいし、そうだよな。止めようとしたけど、いざ、ないと言われるとかなりショックだな)
落ち込んでいる千颯に千夜子は慰めるように頭を撫でて口を開いた。
「無いものはしょうがない。さ、慧斗たちの方に行こう」
「うん……」
千颯たちはゲームセンターの方に向かっていった。しかし、千颯の頭の中はベースのことで頭がいっぱいだった。
慧斗達と合流しても、慧斗が400円でもふもふの大きな猫のぬいぐるみを取ったと自慢していても千颯の頭の中にはベースのことしか考えていなかった。
行きより安全運転で帰っている車の中で慧斗が千颯に声をかける。
「なぁ。大丈夫か?もしかしてそれ、好きじゃなかったか?」
「え?いや……そんなことはない。ありがとう」
「………」
そんな千颯を千夜子は横目で見ていた。
千颯はデカ目のぬいぐるみを両手いっぱいに抱えている。千颯はこのぬいぐるみがなかったらベースがないことにこれ以上なく落ち込んでいただろう。
そんなことを考えていると車は病院に着く。
すると、千夏が駆け寄ってくる。
「みんなおかえりなさい!ってまた慧斗クレーンゲームしたの?またおじいちゃんに甘えて!──って可愛い……2人とも写真撮らせて!」
「いいよ!」
「え…」
ぬいぐるみを抱えている千颯を気に入ったのか千夏がスマホを構えて連射していた。
(めっちゃ撮ってる……親バカ……いや伯母バカ?)
そんな事を思っていると燐斗がいないことに気がついた千颯は千夏に向かって声をかける。
「あれ、燐斗先生は?」
すると罰が悪そうにしかめた顔をして答えた。
「あーあの人は忙しいみたいでね……大丈夫よ気にしないで……あ、そうだ、そういえば千颯ちゃん、明日には退院できるみたいよ!」
「?……そうなのか」
煮え切らない答えが返ってきて千颯は首を傾げたが、退院できるという言葉に慧斗喜びを見せる。
「やったじゃん!千颯!」
「うん」
「そうか、なら今日は色んなところに回ったし、もう休んだ方がいいな、じゃあ明日また迎えに来るからな」
そう言って千夜子達と別れた千颯は明日に備えてベッドに休むことにした。
千颯は慧斗から貰ったぬいぐるみを抱え、眠りの海に沈んでいく。心のどこかにベースが買えなかった寂しさを抱えながら……
一応、千颯が祐希だった時に使っていたベースはs〇goというブランドのClassic Style – Pタイプのカラーは青色と中身のところが黒色のボディのものになります。千颯は左利きなので左利き用のものをカスタムしてもらってました。
かなり稼いでたみたいですね苦笑
あんまりブランド名出さない方がいいと思い少し変えさせてもらいました。




