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「風の勇者は旅をする。やがて、世界を変えるために。」

作者:らい
 東京の空は、どこまでも灰色だった。梅雨の雨がようやく上がった午後、風間アキラはいつものように学校からの帰り道を歩いていた。制服の胸元には、少し湿った空気がまとわりつく。本当なら、帰ってすぐにゲームでも起動して、現実逃避の時間に没頭しているはずだった。だが今日のアキラは、少しだけ足を止めた。

 坂道の途中にある図書館。その古びた建物は、いつ見ても人気(ひとけ)がなく、まるで時間から取り残されたようだった。

 「なんとなく……寄ってみるか」

 そう呟いたのは、自分でも理由がわからなかった。

 図書館の奥、誰もいない閲覧席の一角。埃をかぶった一冊の書物が、まるでアキラを誘うかのように開かれていた。タイトルは『異界ノ門』——手書きの文字で書かれたその表紙は、ただならぬ雰囲気を放っていた。

 「オカルトか? まぁ、暇つぶしには……」

 パラリとページをめくった瞬間、文字が光り始め、視界が一瞬にして白く塗り潰された——
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