藩王、別荘を買う-3 三つ子姫の要望
夕暮れ時に一行はラシュトスタンの王都に到着する事ができた。
街は荒廃してとは聞いていたが、タカノが以前大暴れ...
ラハトの以来でバルバリッチを倒した事で西域の情勢が安定して東ロムルスとの交易路が再開されて徐々に落ち着きを取り戻し始めていたようで...
以前、立ち寄った時よりも街は活気付いていた。
街に入るなり門番に停められたが白い狼に跨る禁軍将校を見るなりその人物が誰かというのをすぐに判断できたようで番兵は驚いて跪き頭を下げてこう聞いて来た。
「王様。お待ちしておりました」
タカノは苦笑いをしてその兵士にこう言った。
「表を上げてくれ。あまり慣れてないんだ」
タカノは驚きながらも、
周りにいる人が何かざわつき始めたのを見て自分が何者なのかを周りの人が気がつき始めたようだ。
「白狼に乗る禁軍将校ってことは...あれが、タカノ・ウル・ラシュト様なのでは?」
と言った具合にだ。
馬に乗った禁軍将校ならいくらでもいるだろうが、諸国に流れた噂は白狼に乗る義禁大尉はラシュトスタン藩王であるという噂が立っていたからだ。
首を傾げる周りの人が確信を持ったのは...
馬車から王女が出てきた時だった。
目を見開いた通行人の商人がこう叫んだ。
「ミミ様だ!」
ミミはその商人ニコッと笑みを見せてタカノの方へ歩み寄ってきたそして、タカノの手を掴み。
こう耳元で言ってくれた。
「タカノ様。ここでは王様なのです。堂々としてください」
「あ、うん」
タカノはそう答えるとミミはニコニコとしながら、歩き始めた。タカノもそれに合わせて足をすすめた。
ラシュトスタンの民達であろう人々は大喜びで手を振ってくれる。
知らない間に周りにはラシュトスタンの番兵が付いていてシュリムと同じゲルガ族の騎兵も付いてきていることに気がついた。
さながら、大スターが歩くかのように人々がいっぱい集まってくるのが目に入った。
ミミは自然な感じで手を振り民に答えていた。
タカノは慣れないながらもミミの真似をしていた。
ミミ自身のこういうのに慣れているのを見るとやはり、彼女が電影劇のスターでもあって王族でもある事を実感させられてしまう。
いかにも砂漠の国らしい王宮の門の前には焔帝国緑旗の兵士がいて、
門の奥にはタカノと同じ禁軍武官の服を着た中年の男性が待っていた。
タカノが門をくぐろうと足をすすめたとき、ミミが袖を掴んで小声でこう言った。
「今、タカノ様はこの国の王です。
彼は序列で言えばくるのが礼儀です....」
足を止めたタカノに気がついた禁軍武官はゆっくりと歩み寄ってきてそして拱手の礼をしてきた。
「これはこれは失礼しました、ラシュト藩王。
ついてっきり禁軍武官のお召し物でしたので気が付かずで....
私は、西域都護府大連山地域知事のソン・ギンです。
お見知り置きを」
ミミがそれを聞いて咳払いをしたので、タカノは拱手の礼をしてこう言った。
「お出迎え感謝する。
私は、ラシュト藩王。タカノ・ウル・ラシュトです。
こちらは妻のミミになります」
ミミはタカノの挨拶と共にお辞儀をした。
すると狼の姿でついてきていた、シンが術を解いて人の姿に戻った。
ソン・ギンはその変化したのを見て驚いたが、ホッと息をついてこう言った。
「確かに噂の義禁大尉でもあるんですね変化の術を使う従者にゲルガ族の少女....
そして、可愛らしい三娘」
リン・メイ・マオの三人も馬車から降りていてソン・ギンにお辞儀をしていた。
「ささ、禁軍がおかりしている宮殿を案内いたします。どうぞ、ついてきてください」
ーーーー
ソン・ギンは王宮を既にタカノへ手渡す準備を済ませていたようで、どこか豪勢なインテリアが並んでいたが寂しさを感じる館を進んでいった。
王宮の家具の大半は義父ラハトが都へ一家全員と引っ越す際に処分したか、そのまま西域都護府に接収された形となった。
ミミはある部屋の前で立ち止まって、ポケットから鍵を取り出した。
「この部屋は、王の執務室ですわ。
この部屋だけは手付かずにするようにディンワン様に頼んでおりました。
定期的に禁軍が部屋の掃除等は行ってたとお父様から聞いていますわ....」
タカノとミミ、そしてリン・メイ・マオは部屋に入った。
部屋のは大きなテーブルと共に奥には一際大きな椅子が置いてあり、その背後には大きな窓があって綺麗なオアシスの湖畔が見えていた。
マオはわーと言ってその椅子に座ったのを見てミミは無言でマオをその椅子から下ろした。
そして、こうどこか普段とは違う真剣な表情で娘を見てこう言った。
「この席はお父様しか座れませんの」
しきたりや礼儀作法にうるさいミミがそう真剣な顔をして娘を叱ったのもこの椅子が特別だと言うことだからだろう...
「タカノ様....いえ、王様。お座りください」
促されるまま、玉座に座った。
まさか、こんなことになるとは言うのが正直な感想だった....
ミミに叱られてなお、目をキラキラさせているマオを見てタカノはこう言った。
「お父様と一緒に座っていいよ」
すると待ってましたかのようにマオはタカノの膝の上に飛び込んできてちょこんと座り、同じくリンとメイも座った。
ミミはそれを微笑ましい表情をしてこう言った。
「タカノ様がそうおっしゃるなら仕方がなりません」
そう言葉を言いながらも、
どこかもどかしそうにモゾモゾしているミミを見てこう言った。
「ミミも来なよ」
「はい」
ミミはそう答えると、近づいてきたので大きな椅子だったのでタカノは詰めて家族で座ることにした。
少し窮屈だが5人家族で玉座に座った。
タカノのあることに気がついた....
微笑ましい家族団欒な感じにあまり重要ではないのだが
「暑い...」
平均体温が高い半獣人族の猫耳コシュカ族の子供3人と大人1人が密集すると暑い事は避けられない事実だった。
シンは苦笑いしながら気を利かせてか、白い光を放つ氷結魔法の魔法陣を展開させていた。
そして、何かの仕掛けが動くような音が聞こえて椅子がゆっくりと回って言った。
周り初めたときにミミはこう言った。
「先王様....私の祖父様が魔導工学が趣味で色々と仕掛けを作ったんですわ。
この景色を気に入りましたの」
「王家の秘宝」とリンが驚き
「綺麗なオワシス」とメイが感動して
「王様サファイア」とマオは興奮していた。
タカノの目の前には見渡す限りの澄んだ青色のオワシスが広がり、煌々と光る月が空の上に浮かんでいた。
オワシスの水面は波ひとつなく綺麗な空を写しているようにも感じられたーーーー
「綺麗だな....」
これがラシュトスタンの王家の宝の一つなんだなと感じるとタカノは思わずため息をついた。
「「「ここ好きですの」」」
そう三つ子は声をそろてタカノに訴えるように言ってきた。
「別荘はここがいいですの。ここはお父様やお母様、リン、メイ、マオの部屋にしたいですの」
とリンがタカノ腕に抱きついていうと、
マオも抱きついてこう言った。
「マオもそう思いますの」
同じようにメイも抱きついてきてこう言った。
「メイはここが好きですの」
タカノはそんな抱きついてきた、娘たちを見てこう言った。
「姫君の賛同があったって事は、ここは家族の部屋って事にしよう」
そう言ってタカノは家族を抱きしめてた。
そしてこう言った。
「この部屋だけは...家族の場所にしよう。それでいいよな?」
ミミはこう言った。
「ええ。この部屋以外でも綺麗な景色は見れますわよ。だって、ここは砂漠の蒼き宝石って言われてる国ですもの...
別荘地にして他の部屋は貸してこの国を養いましょう」
タカノはそれを聞いてあることを思い出してこう言った。
「ところで...この城を焔帝国から買い取るが幾らかかるんだ?
緑旗には残ってもらわないといけないし...その代わりの場所も用意しないと」
それを聞いた、シンは大きなため息をついてある紙を持ってきてタカノに見せた。
タカノはそれに目を通して、すぐさまシンに返した...
「今は見たくないな....見るんじゃなかったーーー
ローン組むしかないじゃねーかよ....」
タカノは大きくため息をついた後、
特別、藩王になったからと言ってお金ががっぽり入って色々なことにできるのかなと思ったら、ここを買い取るのでプラマイゼロ近くなったことにため息をついた。
「タカ兄も相変わらず、忙しくなるんだね....」
どうやら、ラシュトスタンでのリゾート経営は順風満帆というわけではないようだったが...
家族との時間を過ごせたタカノはほっと癒しのひと時をオワシスを見ながら過ごすことに今は集中することにした。
タカノ「この章はこれで打ち切りだそうだ...」
シン「見たいだね...なかなか話の進展が浮かばないってゴリラ(作者)が頭を悩ませながらサツマイモをフライパンで炒めて食べてたよ」
タカノ「なんか具体的だな...とにかくこれで、義禁大尉の仕事の他に藩王で長屋のオーナー、リゾートの経営も入ってくるんだな...忙しいな」
シン「一応、冒険者でもあるじゃん。冒険者というよりはアルスとエミリのスポンサー的な方が強いけどさ...
兼業勇者してるちゃしてるよな」
タカノ「だな..メインはあくまでも父親業のつもりなんだが。もっと家族との時間をとりたいもんだ...
え、都から禁軍の伝令が来てるってなんだよ」
シン「どうしたんだよ。手紙持って固まってさ...」
タカノ「勅命で国境付近の魔王軍施設に潜入する極秘任務が来たよ...
皇帝陛下には頭上がらないから、やるしかないけど...
ミミになんていうべきか...」
シン「相変わらず、タカノは出世しても苦労が絶えないな...ま、頑張って」
タカノ「なんか他人事っぽいけど、シン。お前も行くんだぞ」
シン「え、嘘ぉ!俺、ラシュトスタンの花街で遊ぶつもりだったのにぃぃぃ!」




