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仲間の絆と嫉妬-2 家族とお金


「で、どんな奴らが来たってんだ」


タカノとシュンテイは個室のある酒屋で一室を貸し切って二人で話を始めた。

運ばれて来た料理を食べながらタカノはシュンテイの話に耳を傾けた。


「へぇーそれがですね。旦那様が義禁大尉になる前の話でその頃に裏社会でも恐れられていた、

悪党を従えてるバードン辺境伯がまた都に戻りましてね。


以前、城衛庁の方で親分のドウジを捕縛してたんですが、なんだかんだでそれを釈放させて自身の国に戻ったんですがね...


それが今になってもどって来まして」


「なるほどな。でだ、どんな悪さをしたんだ」


「そりゃもうひどいもんで....

私らの賭博場の荒らしから、表商売を脅かしていたり....

極め付けは

縄張りの豪商屋敷に強盗に入って

その強盗で一家は惨殺、ついでにそれで暴れて城衛士が何人かやられたもんで....」


「なかなか、強力なやつだな。陽都の黒社は動かなかったのか?」


タカノはそう裏社会を取り仕切る黒社がそいつらに対しては黙ってないだろうと思ったから聞いてみたがシュンテイは首を振ってこう言った。


「いや、それが....ドウジはバードン辺境伯の親衛隊員でしかも、バードン辺境伯は遠縁でしかも皇家の外戚ということもあって....


陽都の黒社もダンマリでした。


で、でも今なら。

旦那がいるから黒社も黙ってはいないと思いますが...」


タカノはそれを聞いて、腕を組んでこう言った。


「そりゃ、後ろにお上の姿あったら流石にみんな黙りってところか...


で、城衛庁に圧力をかけてドウジを釈放してそのまま国に帰ったってことか」


「へい。その通りです...10年近くも前でもう二度とこねぇもんだと思ってたら...ってな感じです」


シュンテイはそう言って大きなため息をついた。

それを見てタカノはシュンテイの盃に酒を注いでこう言った。


「でだ、そいつは懲りずにまた都で何か大きな畜生働きでもしそうな感じなのか?」


「はぁ...それは分かりませんが....

陽都の悪どもでドウジを嫌ってる奴が多くて、一部の奴が抗争をおっぱじめそうでして...」


「おいおい、抗争って...たまったもんじゃねぇな。

これは頭が痛い。皇帝陛下のお膝元で大暴れされたら、俺も大変だ。


シュンテイ。とにかく、手の内にいる奴には手を出さないように言ってくれ。

辺境伯付きなら、そのうちに帰るだろうが....」


タカノはそう言ってため息をついたが、また深々とため息をついたのはシュンテイの方だった。


「一部の黒社がドウジの女を見せしめのために暗殺しようとしたそうで」


「うーわ...まじか」


タカノはそれを聞いて眉間に皺寄せ左手で額を抑えた。

シュンテイはそれを見てこう言った。


「でも、大丈夫ですよ。あくまでそれは噂で....なんせ暗殺は未遂ですし。

たまたま、いた城衛の役人に助けられたようで...


ドウジ自体は恩人も顔に泥を塗るようなことをしないでしょう...きっと」


タカノはそれを聞いて色々と考えを巡らせてみた。

もしドウジが恩人である城衛に対してはいい顔をするだろうが、都にいるドウジに恨みを持ってる輩は多いだろうし...

そこで一悶着起こされても困るなと感じた。


とりあえず、シュンテイはもっと詳しい情報を持っていると感じたので聞いてみることにした。


「で、そのドウジの女の情報はないのか?」


「へい。さっき城衛将様に聞いたのですが、ルルという名前だそうで...」


タカノはそれを聞いて目を丸くした...

どうやらさっきタカノが助けたルロイの妹ルルだったからだ。


「そうか...なら、ドウジは俺にも恩があるってことだな」


タカノはそう呟くように言うとシュンテイは驚いた顔を見せて、目を見て頷いてきたのでタカノは深々と頷いて応えた。


ーーーー


ルルは何者かから襲われ助けてくれた役人達との話が終わり、

兄ルロイが営む菓子屋に転がり込んでいた。


義姉に当たるロゼッタと同じ部屋で一緒に布団をひいて昔話に花を咲かせていた。


ルロイ、ルル、ロゼッタは同じパーティでB級冒険者として共に冒険をした仲間だった。

10年前まではともに大冒険をして世界各地を転々としている生活をしていた。


「それにしても久々ね。ルル。クエストで来たって言ったから、今も冒険者を続けてるのね」


そうロゼッタが来てきたので、ルルはニコッと笑みを浮かべてこう言った。


「うん。そう」


一瞬だけもしかすると自分の本当の気持ちが漏れ出たような気がしたが、それは笑顔で隠せた気がしていた。

そして、話を続けた。


「今は焔帝国の辺境伯様がスポンサーになってくれてて、昔ほど自由に世界を冒険はしてないの」


「そうなんだ...でも、羨ましいわ。自由なのって」


そうロゼッタは言って話を始めた。

彼女は、ルロイが家を継ぐ際に冒険者を止めると言った時に着いて行って今こうして菓子屋のご夫人となった。


ふとルルはあの時、

ロゼッタがどこか大冒険を諦めて安定した生活に身を置こうとして冒険者をルロイと共にやめた。


ルル自身はそうじゃなかった、このままずっと冒険者を続けて色々な世界を見て回りたかった。


『でも、お兄ちゃんとコイツは私の夢を奪った』


ルルは一人で冒険者をできるほどの実力はなかった。

B級と言ってもそれは形だけで、

類稀な剣士だったルロイと中級魔法を使えた魔術師だったがロゼッタがパーティを牽引していてルルは影に隠れている感じだった。


必然的にパーティが解散した。

冒険者としての実力が不足していたルルはどうしようかな迷いの迷った。


兄ルロイと共に陽都に戻って店の手伝いをするということもあったが....

幸せそうな二人を邪魔するのは悪いと感じていた。


だから、黙ってそっと身を引いた。


その後はずっと悲惨だった....

冒険者としてはうまくいかずにただただ辛い毎日を過ごしていた。


ライバル達には先を越されて....

そして、ルロイとロゼッタの幸せそうな話を聞くたび胸がずっと締め付けられるようで辛かった。


『私を置いていったあの二人が憎い』


いつしかそう思うようになっていたーーーー


店は繁盛して大きな家に高そうな家具、

そして貴族が贔屓の客でいることを見て改めてその憎さは増していた。


そんな時にロゼッタから聞いたその言葉は胸に刺さっていた。


『何が自由でいいわねよ....あんた達全てに満たされるのに言われたくはないわ』


そう思ったことを思わず言いそうになったが、ルルはそれを飲み込んだ。


「そうなんだ...でもこっちはこっちで大変だよ」


ルルはそう的とに言葉を見繕ってロゼッタに返事をした。それを聞いたロゼッタはニコッと笑みを見せてこう言った。


「じゃあ、明日仕込みも早いから寝ましょ」


「そうね」


ロゼッタはルルが頷いたのを見て灯りの火を吹き消して布団に入ったーーー



ルルはあることを再度決意していた。

そして今日、この日にやっと自分の念願は叶う時が来たことに歓喜の気持ちが心から湧き出てきたのもあった。


パーティ解散後にルルは冒険者をしみじみと続けていた...

でも、そんな目立ったクエストも受けられずに生活にすら困窮した時....


ドウジと出会ったのだ。

彼が悪党の頭領というのは知っていただから彼を大いに利用しようと思い心を許した。


全ては、私の夢を奪った二人を....


ドウジは金と権力と女にしか興味はない、

この菓子屋を叩いて金が出て来れば問題ないし、ドウジの主人は有力な辺境伯で揉み消すのもいとも簡単だ...


兄と義姉を殺して、満足したら

金を握って遊んで暮らすーーー


寝静まった頃にルルは布団から出て、

金庫になっている蔵と裏口をそっと開け....


指に小さな炎を纏わせてそれをクルクルと回して闇に隠れている仲間に合図を送った。


タカノ「しかし、兄弟や家族ってのはいいな」


ミミ「そうですわね。ところで、タカノ様のご両親やご兄弟は?」


タカノ「あ、そういえば言ってなかったな...

父は会社の社長だったから日々忙しそうにしてて実はあまり記憶がないんだよな….

母は優しい人でいつもそばにいてくれてたな〜

歳の離れた姉はいたけどね、あまり記憶がないんだよな」


ミミ「そうなんですね...知りませんでしたわ」


タカノ「本当はリン、メイ、マオ達の記憶の仲に俺はきちんと残るのだろうかな....ってのを時々思うよ。


忙しいけど、時間のある時は一緒にいてあげたいんだよな」


ミミ「そうなのですね。タカノ様がそう思っているのでしたら、私もお手伝いしますわ!」


タカノ「ありがとう。ミミ」


シン「タカ兄...ミミとのピロートーク中に悪いけど...告知してね」


タカノ「げ、マジか...ていうか、ノックも無しで入ってくるなよ!」


シン「ごめんごめん、このコーナーって音声だけじゃん見られてねーし大丈夫だと思ったんだよ」


タカノ「いや、流石に見られたくなかったんだが....な、ミミ...」


ミミ「タカノ様との愛の営みが...みんなに見られているなんて....

タカノ様!私達の愛を見せつけますわよ」


タカノ「いや...ちょっと待って、何でそうなるの!?ダメだから!R-18指定かけてないから!!」


シン「18禁だったらいいのかぁ...?

ま、いいや。次回、悪の心、キレるタカノ。


タカ兄がキレるのか...って、ラハトさんがこっち見てるけど」

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