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アルスとエミリ旅のきっかけ-7 エミリとアデル


アデルの描いた魔法陣から巨大な炎のトカゲが現れてそれがバルバリッチに襲いかかっていた。


バルバリッチは驚いた顔をしてそれを水の魔法でかろうじて受け止めたが、吹き飛ばされ見えない壁に激突したーーー


そしてパリンという音が聞こえて、魔法の出できた壁が壊されたのに気がついた。


ラハトは状態異常を解く魔法をすぐさまに展開したのが目に入り、

ディンワンが叫びながらラルフに襲いかかるジュナンに向かおうとしたが、森から出てきたウルク=ハイの部隊がそれを邪魔した。


偃月刀で隊列を薙ぎ払い、吹き飛ばしていくが...数が多いうえに続々と森から湧いて出てきて一向に近寄れないでいた。


「おのれ!!自分の歳を呪いたいところだ!!!」


ディンワンはそう言いながら、ウルク=ハイ達を薙ぎ払い続けていた。


アデルが召喚した、炎のトカゲはバルバリッチに襲いかかっていたがどこか様子がおかしかったーー


アデルは突然全身の力が抜けて、地面に跪いた。

驚いたエミリが駆け寄って初歩的な回復魔術を姉に施した。


アデルは口から血を吐いて、全身に痛みが走りあることに気がついたーーー


そう、

今自分が召喚したサラマンドラを操れる魔力は残っていないということに気がついたのだ....


「お願い!動いて!動いてよ!!!ラルフを助けて!!!!」


アデルはそう悲痛な叫びをあげたが、だんだんとサラマンドラの実体が消えていったーーー


泣きたくても泣けなかった、涙すら出ないほど身体がボロボロだったからだ....


捧げた生贄と共に自分の身体を大きく傷つけていたことに全身の痛みが襲ってきて気がついた...


「お願い...お願い....」


アデルはそう願うしかなかったーーー

ラルフが遠くからぼろぼろになりながら、私に笑みを見せてくれていた。


そして彼が何か呟くように口を動かしているのが目に入りーーー


ラルフの身体にジュナンが振り下ろした斧が貫いたのを目にした。

そして、アデルはそこで意識を完全に失ったーーー


ーーーー


「最後、ラルフはなんて言ったんだろうかな....」


そうふと部屋にこもって魔術の実験をしていたアデルは呟いた。

水晶玉を持ってきて、思ったことを念写してみるーー


「私も。

タカノやミミみたいになってた未来もあったのかな....」


映しでた念写は過去に自分が夢見たラルフと家族を持って明るく過ごしているイメージだった。


アデルは首を振って手をかざしてその念写を消した。


「私はあの時にこの未来を全部無くしたのよね....


ラルフとキミは許してくれるのかなって今でも思うわ。


私は全てを捨てて彼を救おうとして、実力不足で全てを失った....」


そう呟くと、コンコンとノックの音が聞こえた。

知らない間に空いていた扉によりっかってそこにいたのはミミだった。


「アデル。食事の準備ができましたわ」


「そうなのね。じゃあ、後で向かうわ...

ね、ミミ。聞いてもいい?」


「ええいいですわよ。何かしら?」


ミミはそう言って首を傾げるとアデルはこう言った。

それはどこか彼女に嫉妬しているからかもしれない気がしていたが....


「意地悪な質問かもしれないけど....

タカノがもし今居なくなったらどう思う?」


アデルはそう聞いたが、きっと嫌な顔をされ何か考えて答えると思っていたが

ミミはそれを聞いてこう即答した。


「わかりませんわ」


そう言ってからどこか不機嫌な顔をしたがこう言った。


「わかりませんけど、

私はいつでも覚悟しておりますわ。

タカノ様は武官です、いつ死んでも変ではありません。


故郷を奪われて、父と母を亡くし、親友を目の前で殺された過去はあって辛かったことはありますが、

乗り越えてきましたわ」


ミミはそういうとほっと息を吐いて部屋を後にしようとした瞬間、アデルはこう言った。


「あなたって本当に強いのね」


それを聞いたミミは背中を向けながらこう言った。


「私には愛する夫と娘達がいます。

それを守るために強くあろうと思ってますわーーー


我が子も我が夫もどちらも失いたくありませんから」


アデルはそれを聞いて、

ため息をついてこう言った。


「で、今日のご飯はなになの?」


「食堂にいるシェフに聞いて見てはいかがかしら」


ミミはそう応え手を挙げて去っていった。

それを見送ったアデルは道具を片付けてパンパンと顔を叩いてこう言った。


「さて、それじゃ。私も負けてられないわね。

暗くなったり、嫉妬してる場合じゃない....


後ろばっか向いてたら、ラルフにデコピンされそうだし」


アデルはそういうと自然と顔が微笑んだーーー


ミミと入れ替わる形で、次にやってきたのはエミリだった。

彼女はどこか悲しそうな顔をして姉を見つめていたことに気がついた。


「お姉ちゃん大丈夫?」


「大丈夫よ。それよりも食事に行きましょ」


アデルはそう答えると大きく伸びをした、するとエミリはゆっくりと歩み寄ってきてポケットからハンカチを取り出してそっと溢れている涙を拭いた。


「あれ、おかしいわね。なんか、変な呪術でもかかったのかしら....」


アデルはそう言って、ニコッと笑って涙を拭いてくれたエミリの手を掴んだ。


「今日は...ラルフさんが亡くなった日でしょ。

今日、タカノさんに昔のこと思い出して....

お姉ちゃんのこと心配で」


アデルはそれを聞いてほっと息をついてこう言った。


「心配かけてごめんね」


「前にこの日に水晶で過去の思い出を投影して、すごく荒れてたから...」


エミリはそう言ってアデルの部屋にある水晶玉が目に入った。

そこには、笑顔の生前のラルフと和かな表情をするアデルが写っていた。


アデルはエミリがそれを見たのに気がついて、そっとその水晶玉に投影された画を消すように手を動かした。


「今日は荒れてないでしょ...だから大丈夫よ。

でも、心は嘘つけないみたいねーーー


とっても悲しいのよ。何度も思い出してもね....」


エミリはそれを聞いてそっと抱きしめてきた。


「お姉ちゃんが辛い気持ち少しでも持ってあげないけど...」


「ありがとう。エミリ...」


アデルはそう言って涙を流していた。


「私から、大切なものを奪った奴らが憎い。

ラルフと私に未来を奪った奴らが....」


ーーーーー


ラルフは血を吐きながら崩れ落ち倒れる姿のアデルを見て叫ぼうとしたが....


身体を斧が貫いている事に気が付き声が出せずにいたーーー


そしてバルバリッチと名乗った翼の生えた魔術師は弓を構えるルドとエミリ、そしてアデルに向けて何かの魔術を唱えているのが目に入ったーーーー


ジュナンがこう囁いてきた。


「取引をしよう。お前には見込みがありそうだーーー

俺たちの狙いはバルカニア領だ。


俺の一声でバルバリッチはあの女達とお前の従者を消せる。

焔帝の奴らは目の前の俺の配下で邪魔されて助けることはできない」


「取引をって....何だ....首ならくれてやる....」


ジュナンはそういうと斧を引き抜いてこう言った。


「人間の身を捨て、使徒となり魔王様の配下となれ」


ラルフは血を吐きながら大きく息を吸い、ため息を出すようにこう言った。


「選択肢はないんだろう。断れば俺の大切な人達は死ぬーーー


わかった....だから、あいつらの命は奪わないでくれ」



バルバリッチはラルフ頭を掴みこう言った。


「わかってる。俺は武人同士の約束は守るーーー」


するとラルフは一瞬首に斧の刃が通り抜ける感覚があった瞬間...


一面真っ赤な世界にいる事に気がついた。

目の前には空間んで腰まで何かの真紅の液体に浸かっている事に気がついた。


「ここが地獄ってやつか。あまり善行を積んだつもりはなかったからな....はん、まあいいさーー」


自傷気味にラルフは笑うと目の前黒いマントに身を包みに白い顔半を隠す男性が姿を現した。

男性はぷかぷかと液体には浸からずに宙を浮いていた。


ラルフはその彼が誰だか一瞬で見当がついた。


「歴史書の絵で見た記憶があるな...フォルグ族の族長アレン....魔王アレンか、


まさかうちの領地を滅茶苦茶にした奴に出会えるとは光栄だな」


男はゆっくりと口を開いてラルフにこう言った。


「そうだな、

確かにお前にとっては俺は仇に近いだろう。


でも、お前は契約を交わした。

誓約を無視すれば、ここで永遠と孤独を味わい。

バルバリッチにあいつらを殺すように指示を出す」


ラルフはため息をついてこう言った。


「わかってる....」


魔王はそれを聞いてどこか、困ったような顔をしてこう言った。


「このやり方は不本意だが、ジュナンが見越した逸材ーー

人としての身を捨て我に従え。

従い我が夢を叶えた時。

お前には望む未来を与えよう」


魔王はそういうと、

急に見ていた世界が変わり、屋敷近くの花畑にいる事に気がついた。


花畑の真ん中ににこやかに手を振るアデルと小さな男の子が手を振っているのが目に入ったーーー


心から涙が込み上げてくるのが感じ取れた。

これが本当だったら今後を歩む時だったのだと感じられたからだ。


横に魔王が立っていてこう言ってきたーーー


「この世界を俺はお前に提供できるーー」


ラルフは跪いて大きくため息をついてこう言った。


「わかった」

ラハト「ラルフは死亡組卒業なんですね!よかったじゃないですか!」


ラルフ「なんか不本意ではあるんだけどな...まさか、使徒として復活する事がなんか作者(ゴリラ)の気まぐれで決まるなんて」


ジュナン「でも、アデルとは敵だぞ?」


ラルフ「いいのさ。これも運命なのかもしれない...俺は魔王に提示された夢を求める。だから戦う。それで十分な理由だと思う」


ジュナン「そうか、ならいいのだが」


バルバリッチ「うーん、彼には魔王様を是非支えてほしいですね」


ミラ「そうね。よろしくねラルフ。私もつい最近まで人間だったけど....

色々と思うところがあって使徒になったのよ」


ラルフ「なるほど、キミもそうなのか。よろしくな」


ラハト「魔王軍陣営がこう話をするのはどこか珍しい気がしますねぇーでは私は場違いなのでここでお暇します!」


ジュナン「また焼肉行きましょう!」


バルバリッチ「行っちゃいましたね」


ルド「この章は終わりだけど....オレ、今後の話で出てこれるのだろうか...」


シュリム「あのーボク被る形になるんですが.....」


ルド「えぇ...。オレも魔王軍入りしようかなーーー」


魔王アレン「うーん.....」

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