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オアシスの白猫-4 嫌疑


タカノは昨日起こった、

バターミン藩国公邸で起こった火災の捜査に乗り出していた。


焼け跡から見つかったのはこの屋敷に住んでいたバターミン藩国関係者とほかに数人の半獣人族の遺体が発見された。


この屋敷に居を構えていたイリス王女は難を逃れたようで、無事に生き残ってはいたものの...

何か事件に巻き込まれたようで、恐怖で震えて口がまともに聞ける状態ではなかったーーー


半獣人族の遺体で燃えずに残ったのが一体だけあり、それがこの連続して起きていた盗賊事件の解決の糸口につながるようにタカノは感じた。


「いずれも身元は不明ですが、確かにこの半獣人族の着ている衣服にっ持っていた剣は西域のもので間違いがないようです。あとこれが...」


義禁の兵士の一人はそう言ってタカノにあるものを手渡した。

それは以前捜査に入った屋敷から見つかった独特な模様が描かれた木札だった。


「この襲撃もやはり、砂漠の月夜か...」


そして、

焼けた遺体の中には女性のもので、生前に剣を持つ手を切断されたであろう遺体があったからだーーー


「しかし、仲間がやられてるなーー

しかもかなりの人数だしな...こっちにきたグループが全滅したと考えるのは楽観的かも知れないが。

きっと、当分は奴らも事を起こさないだろうがーー」


タカノはそう言ってため息ついたすると、横にいたシンが気になったのか聞いてきた。


「それなら、いいんじゃないのタカ兄?」


タカノはそれを聞いて首を振ってこう言った。


「事件がない事はいいんだが、まだ実態を掴めてない状態でこの都の影に潜られるのはこっちとしては嫌なのさ。


殺人鬼を野放しにするわけには行かないんだよ」


タカノはそういうと書記官が渡してきた、資料に目を通し始めた。


「イリア王女の容態を見て、話を聞くほかないかもな...」


タカノはそう言って、資料を閉じて切り落とされた手首を見ながらその斬り口を見て何か感心するものを感じたーー


このやられた女剣士も近衛か何かで精鋭であったことは確かで、

それを仕留めるとなると先日の元武官を仕留めたのもあるとなると強敵である事は確信できた。


「この切り口にある剣は見つかってないんだな...」


タカノはそう呟くと、現場を後にしたーー

それについて行くようにシンもついて行った。


焼け焦げた屋敷を出る門の前にと難しい顔をするシュンテイがいた。彼はタカノに気付くなり近寄って礼をしてこう言った。


「旦那、ある人から情報がございました...ちょっとよろしいでしょうか?」


「ああ、構わないが」


シュンテイはそういうと、ヒソヒソと小さな声で近づいてくるように言ってきたのでタカノは耳を近づけた。


「情報元は秘密ですが...砂漠の月夜の宿の場所を聞きましたーーー場所は」


シュンテイがそう言った後、

タカノは近寄ってくる足音に気がつきそちらの方に目を向けた。


するとそこには自分の部下ではない、

禁軍の完全武装の兵士と赤い武官束帯に身を包む将校がこちらを見ていた。


将校はタカノと目が合うなり、


「タカノ・ウル・ラシュト卿ですね?

今回の砂漠の月夜の一連の事件の件で、ラシュト卿とその奥方様に関与の嫌疑がかかっております。ご同行できますかな?」


それを聞いたシュンテイとシンは目を大きして驚いた。シンがタカノのと将校の間に入ってこう言った。


「ちょっと待ってよ!タカ兄が関与ってそんなはずないんだけど」


将校はそういうとため息をついてこう言った。


「イリス王女の供述より、

襲撃に来た者の中にラシュトシュタン国の騎士を名乗るコシュカ族の女とラシュト卿に似ている男がいたと話があった」


「いやちょっと待ってよ!タカ兄は襲撃当日は義禁庁で詰めて...」


シンがそういうと次にシュンテイも将校にこう言った。


「私も見ておりました!旦那様はその日は義禁庁の駐屯地で執務して...」


将校はそれを聞くなり首を振ってこう言ったーー


「これは皇帝陛下の名で下された勅命である。

現在、奥方のミミ殿にもご同行を願っている。

ラシュト卿。命令です来てください」


「え、そんな!」


シンがそうタカノを庇おうとしたが、タカノはシンを肩を掴み後ろに下がるようにさせてこう言った。


「分かった」


タカノはそういうと、シンの肩をポンポンと叩いてこう言った。


「一応、形式の元での調査だろう。俺もミミにもアリバイを証明できる。心配すんなって。

それよりも少し開けるからみんなに仕事をよろしく頼むのと

ミミもいないとなると娘達が心配するだろうからよろしく頼むよ」


シンはそれを聞いて、少し不満そうな顔をしたが頷いた。シュンテイは心配そうな顔をしながらタカノを見つめながら頷いた。


タカノはそれを見て、二人にウィンクをして将校の方に向かって歩き出したーー


ーーーー


タカノとミミは、

禁城と呼ばれる皇帝が住う宮殿に呼ばれて皇帝の軍隊である禁軍の駐屯地で

上司のディンサン将軍に直々に聴取を取らされていた。


ディンサンは駐屯地のとある中庭で椅子に座りながらため息をついてこう言った。


「すまない、ラシュト卿。

こちらとしては身内をこの様な形でするのはあまりいい気がしないのだが....」


犯罪の嫌疑が掛けられているため、タカノとミミは

形式上ではあるが縄で縛られ横に並んで地面に座らされていた.。


「聴取を始める。

まず、先ほどイリス殿下がミミ殿は違うということを断言したので縄を解こう」


ディンサンがそういうと、端で控えていた兵士がミミの縄を解いた。

ミミは縄を解かれて一礼をして本来であれば、この場を離れてもいいのだが...タカノの横にまた座った。


「ありがとうございます。ディンサン様」


「ミミ殿は先程、イリス殿下が見かけたのは銀髪のコシュカ族と言っていたので金髪のミミ殿とは別人だと分かったので、解放とするが....」


ディンサンはそう言って、少し安心した顔をした。


しかし、ミミは自分の嫌疑が晴れたがその表情は安堵することもなく何か強い意志を持っている様だった。


「夫とは私は一心同体であります。私は夫の嫌疑が晴れるまで側を離れるつもりはありません」


ミミはそういうとタカノの方を向いてこう言った。


「ミミはタカノ様について参ります。タカノ様はイリス様を襲うわけがありません」


タカノはそれを聞いてほっとした顔をしてこう言った。


「ありがとう。ミミ」


ーーーー


「え、それマジっすか!?」


シンの話を聞いて驚いたショウタはそう叫んだ。


ラシュト邸に集まった、ショウタとアデル、アルスとエミリはシンから昨日のバターミン藩国公邸の襲撃事件に関与した嫌疑を掛けられて、タカノとミミが禁軍に捕らえられたことを聞かされた。


アルスとアデルもショウタと同じく驚いた表情をしていだが...

アデルだけは落ち着いた表情でいた。


少し慌てふためきそうな雰囲気のあるシンを含む4人に対してアデルがこう言った。


「嫌疑が掛けられているわけでしょ、まだ確定したことでもないし...

皆、慌てない慌てないーーー」


「でも、お姉ちゃん...このままにしてたらまずいよータカノさんが」


エミリはそう慌てた様子でアデルにそう言ったが、アデルは妹とは対照的にものすごく落ち着いた口調で首を振ってからこう言った。


「慌てても何も出ないでしょ?今やるべきことは、タカノが当日その場にいなかったことの証明か真犯人を特定すること。でしょ?」


シンがそれを聞いて、腕を組みうーんと何かを考えるそぶりをしながらこう言った。


「分かってるよ。でも、何から始めればいいのかが....」


アデルはそれを聞いて自慢げに懐から杖を取り出してこう言った。


「大丈夫よ。私に策があるの!」


少し疑いの目を向けたのはショウタだったーー


「まじで?」


そうショウタが言ったが、

アルスとエミリは対照的に目を輝かせていた。

エミリが手をポンと叩いてこう言った。


「あ、あれね!あれでしょお姉ちゃん」


「そうそう、あれ。お母さんのとっておきの黒魔術」


それを聞いた、ショウタの顔が一気に青ざめてこう言った。


「え....いや、あれだけはやめて!あれだけは無理!!!」


ショウタの足が震えてジリジリとゆっくりではあったが、アデルから少しづつ離れていくのが見えたーー


シンとアルスだけは、

状況が掴めずなぜショウタが怯えているのか分からなかったが...


アデルが懐からナイフを取り出して不気味な笑みを浮かべてこう言った。


「ショウタンにしかできないことなのよ。終わったらちゃーんとご褒美あげるからぁ〜ね?」


アデルはほんのりと色っぽく甘えるようにショウタに言ったが彼の表情は固まったままだったーーー


「大丈夫でしょ?今回はリザレクションレイズデッドも使える上級回復術士のシンもいるじゃない。ね?」


アデルはそう言って、にこやかな笑みを浮かべてシンの方を見て来たので目があったシンはうんと頷いた。


アデルはそれを見るなりこう言った。


「ショウタンの『一撃で死なない』ってスキルの最高の使い方でしょ?」


アルスはその言葉を聞いて、何かを理解したのか真剣な眼差しをショウタに向けて深々とお辞儀をした。


「頼むよ、ショウタ!タカノさんのピンチなんだ手を貸してほしい!」


「え、ええええ!アルスもそれ言う!?」


慌てふためいたショウタは急いで部屋を出ようとしたが...


「パラライズ」


アデルの痺れさせる魔術を唱えるのと同時にショウタはパタンと倒れ込んだ。

そして、心配になったシンはショウタの方に近づくと同じくアデルも近づいて来た。

そして、笑みを浮かべて嬉しそうにショウタを見つめながらこう言った。


「大丈夫よ〜ショウタン。この前よりは精度も上がってる...はずだから。

ね、術式に必要だからほーんのちょっとの間だけでいいから死んでてよ」


その言葉を聞いた、シンは全てを理解してこう言った。


「明るく言うなんて...コミカルに死んでてなんて言うなよぉ

よし、頼んだぜショウタ!」


シンはそう言って、痺れて動けなくなったショウタの肩をポンと叩いて立ち上がった。


シュリム「あのーボクは、出てこないのでしょうか?」


リン「シュリムはこっち!」


シュリム「え、でも...」


メイ「お父様とお母様のピンチはシン達に任せてって言ってましたの」


マオ「リン、メイ、マオ達は、家のことをきちんと守りますの」


リン「だから、手に空いてるシュリムには手伝って欲しいですの」


シュリム「うん。わかった!三人とも...しっかりしてるぅ...

そしたら、ボクもお手伝いするよ」


リン・メイ・マオ「「「うん、ありがとうですわ」」」」


シュリム「次回、吸血鬼。あれ、なんかすんなり告知できちゃった...大丈夫かなぁ?

うんだ問題ねーきっと」

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