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オアシスの白猫-2 ミミの親友


ーー陽都 離宮街バターミン藩邸ーー


「曲者!!!この方をどなたと思われる!バターミン藩国王女イリア殿下であるぞ!!」


真夜中の陽都にある焔帝国の属国であるバターミン藩国の公邸は慌ただしくなっていた。

謎の集団が突然、入り込んできて中にいる人々を次々に切り捨てて行っていたからだ。


悲鳴と怒号が響き渡っていたが、

あっという間に静寂が訪れていた。


警備に当たっていた藩国軍の兵隊は全滅し、公邸にいる使用人も皆殺しにされ、

残すは王女であるイリアとその側近で影武者も務める女近衛隊長のみだった。


近衛隊長はイリアを背中に隠しながら、剣を抜いて入り込んできた盗賊達に向けて剣先を抜けていた。


血飛沫で真っ赤に染まった白い装束に身を包む、銀髪で猫耳が生えた若い女性は表情一つ変えることなく、突き刺さるような暗い青い瞳で近衛隊長を見つめてこう言った。


「名乗りなさい。剣士として勝負しましょう?」


それを聞いて、

近衛隊長は首を振ってこう言った。


「賊に名乗る名は無い覚悟!!」


銀髪の女性はそれを聞いて大きくため息をついて、いつ向いて首を振りながらどこか悲しそうな顔をしてこう言った。


「まーいいわ。私はマリー。

マリアンヌ・レ・ルバンド。ラシュトスタン国近衛第一王女側衛官」


それを聞いた、イリアが眉を潜めて怒りに満ちた声で怒鳴った。


「亡国とはいえ、盗賊如きが...私の祖母の国の近衛を名乗るな!!」


マリーは大きなため息をついて剣を構えた。


「人間の国にひれ伏す愚かな国のお方が何をいうかと思えば....まあ、いいわ!無名の女剣士さん。さぁ、殺し合いを楽しみましょう!!!」


マリーの動きは尋常ではない速度だった。

一瞬で近衛隊長の剣を持つ手が身体から離れて、地面に落ちて悲鳴を上げさせる前にマリーの剣が喉を貫いた。


「弱い。弱い。あのウンって元武官はまだやれたのに...

もっと私を楽しませてよ....」


マリーはそう言って剣を抜いた。

そして、彼女の横に近衛隊長の身体が崩れ落ちた。


イリアの視界に地面に崩れ落ちるように地面に座り込んだ。

A級冒険者上がりの手練れの近衛隊長がいとも簡単に倒されたからだった...

恐怖と絶望で動けなくなってしまっていた。


マリーは剣を振り血払いをした。白い服をまた赤く染めた。袖で刃に残った血を拭いてこう言った。


「さて、イリア殿下。御命頂戴いたします」


マリーはそう言って、

イリアの胸に向けて剣を突き刺そうとした瞬間だった。


後ろの方から、人が倒れる音とともにマリーの耳元を火の玉が通り過ぎていった。


飛んで行った火の玉は、

壁に当たり細かく飛び散って火の粉を広げた。


火の粉は近くにあった家具や寝具に燃え移り始めたーーー


マリーは後ろを振り向くとそこには、極西地域の魔法使いの服装をした少女と血のついた黒いナタを持つ大柄の男が立っていた。


男の足元には盗賊仲間が一人倒れていた。首を切り裂かれて即死していたようにマリーには感じられた。


突き刺さるような鋭い男の目を見てマリーは心から何かがこみ上げてきたーーー


期待感にも似たものだった。


残りの仲間が男に襲いかかるが、

あっという間に黒いナタ一つで、手練れの盗賊立ちを全滅させた。


その動きのは一切の乱れもなく隙もなかった。

何より男の目は、数々の死線を潜り抜けていた目をしていて...人を殺す事に躊躇が感じられなかったーーー


「キリシマさん...あまり殺さないでくさい。悪い人たちは殺していいと言いましたけど...気持ち悪いです」


少女がそう男に言った。

男はその言葉を聞いていたのかどうかはわからなかったが最後の一人を仕留め終えてからこう言った。


「ミラ。すまんな」


キリシマと呼ばれた男はマリーの方を見て指を刺してこう言った。


「すまんが、その子を殺されると困るんだ」


マリーはその言葉を聞いて、大きく息を吸ってこう言った。


「なら、私と剣士として勝負しなさい。

貴方なら私を楽しませてくれそう。

さぁ、名乗りなさい」


マリーはそう言って、剣先をタカノに向けた。キリシマはため息をついてこう言った。


「面倒くさいな...まっ、この状況でそんなウキウキした目をしていうくらいだ。戦闘狂ってところかーーー


俺はキリシマ・タカノ。所属は陸軍特殊作戦群、階級は大尉...ま、今となっては元だがな」


名乗りを聞いていた、ミラは大きなため息をついてこう言った。


「キリシマ・タカノ覚えておくわ...」


キリシマはうんうんと頷いた。

マリーはそれを見てこう言った。


「私はマリー...」


名乗ろうとした瞬間だった、

キリシマがものすごい速さでマリーに斬りかかった。


辛うじてその斬撃を避け切れたが、名乗りを邪魔された事をマリーはあまりよく思えなかった。

眉を潜めて、剣を構えてこう言った。


「邪魔しないで」


キリシマは面倒臭そうな顔をしながらこう言った。


「戦闘狂に構ってられ無い。剣を持てば礼儀はいらないと俺は思ってる」


キリシマの斬撃がマリー目の前を掠めた。

明らかに剣とナタではリーチの差があったが、それをものともしていなかった。


それに殺しに無関心であるのがマリーには自分と異なる事を知った。


無関心に人を殺す。任務の遂行の為に手段として殺しにくる。

快楽や娯楽とは違う剣筋...戦いを心から愉しむマリーにとってはそれは少し残念に感じた。


キリシマの実力は

そこら辺のA級冒険者や焔帝国の下級武官のクラスとは桁が違うのをマリーは感じ取りこのままでは自分がやられてしまう事を率直に感じて、距離をとって剣をしまい。


勝負に面白味もなく勝てないと確信したので、

逃げ出していったーーー


キリシマもミラも逃げ出していくマリーには関心がないようで、逃げていく彼女をただ眺めていた。


バターミン公邸は火の海に包まれていったーーー


ーーーーー


「お母様!今日はお母様のお話が聞きたいです!!」


タカノは離宮街の火災の件で休日出勤ており家を留守にしていた。

どこか寂しいがラシュト邸に元気いっぱいのマオの声が屋敷の中に響き渡って来た。


そう、

昼食を終えて食器を洗い終えて自室のソファーでのんびりしていたミミの元にリン、メイ、マオの三人が入って来て目をキラキラさせていた。


ミミは笑みを浮かべてソファーの横に娘たちを座らせた。そして、首にしていたネックレスを外して三人に見せた。


そのネックレスはサファイアでできた装飾品で以前タカノがプレゼントしてくれたものだった。

これは生まれ故郷のラシュトシュタンで作られた物で昔、ミミの母親が使っていた物によくよく似た装飾品だったーー


「お母様?これは?」


メイ目をキラキラさせながらその装飾品を見ていた。

リンがそれを見てこう言った。


「これは、サファイア!」


「よく知ってるわね...そう、これはサファイア。

昔、お母様のお母様にいただいたものと同じものよ」


「「へー」」


メイとマオは目をキラキラさせて、そのサファイアを覗き込むように見ていた。


リンは二人とは違って、

何か物思いに耽っていそうなミミを見つめていた。


「お母様?どうして、何か難しそうな顔をするの?」


「うんうん、サファイアの首飾りを見てるとね。昔の親友のことを思い出すの」


ミミはそういうと、ネックレス付け直して、リンの頭をポンポンとした。


「貴方たちから見れば、シュリムやエミリ見たいな人だったの」


「シュリムとエミリは親友」


リンはそうミミの言葉に対してそういうと、メイとマオも同じことを思っているのだろう、同調するように頷いた。


「その親友はもう、

この世界にいないの....私を悪い魔物から庇ってくれたのよ。

今のシュリムやエミリみたいに強くなかったの...

でも私を守ってくれたちょっと年上の親友よ」


ミミはそういうと昔のことをふと思い出した。

その思い出はとても楽しかったが、最後の最後は悲しい別れになった話だったーーー


「できれば、話したくはありませんけど。


リン、メイ、マオにもいずれくる話ですから、お話しますわ」


「「「はい、お母様」」」


キラキラしてる、三人の娘を見つめながらミミは過去の親友との思い出を話し始めたーーーー


「私の始めての親友の名前は、マリーって言うのよ。

マリアンヌ・レ・ルバンド。私たちと同じコシュカ族よーー」

シン「だから、なんで毎回...血糊を掃除するのに呼ばれるんだよ」


イズミ「それは私のセリフ。私なんて最近これっきり出番ないのに...呼ばれて喜んできたの返してほしいわ」


タカノ「いや、すまん。今回の話は少しばかりスプラッタな感じみたいだしな」


シン「いやタカ兄が謝ることないよ...」


タカノ「なんか次も、盛大にアクションシーンを考えてるらしいから...イズミとシンにも来て欲しいって作者(ゴリラ)が言ってたぞ」


イズミ「は!?なんなん!?私、掃除係!?私これでも、ある章ではヒロインはってたんよ!!」


シン「ゲロインの間違いちゃんか?って...ごめんごめんごめん!!!血糊をぶっかけないで姉さん!?」


タカノ「あ....とりあえず、告知しとこ。次回マリアンヌ。お楽しみに....シンは大丈夫だよな」

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