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黒猫剣姫伝-3 美しく舞う月夜の剣士!

「ここがラシュト邸ですか?」


一人の行商人はそうまだ日も落ちて間もない頃に見回りをしていた城衛士を呼び止めていた。


城衛士は行商人とその一行を見てこう言った。


「そうだが、こんな時間に何をするんだ?」


行商人は城衛士の言葉を聞いて首を振ってこう言った。


「いえいえ、ただ気になっただけですよ。明日にでもお邪魔して商品を見せようと思いましてぇ、ええ...」


「そうか...わかった」


城衛士は行商人一行の格好が見慣れない西の国の格好そしていたのできっと西域出身のラシュト家に物を売りにきたのだろうと思い城衛士は行商人一行の横を通り抜けて行った。


行商人には城衛士が通り過ぎたのを手下たちにこう言った。


「さてここのようですね。狙いはここの3人の娘ですよ。

拐ってたんまりと身代金をいただきましょうー


あとは、この使徒の力を試して見たいので協力願いますよ」



行商人にはそう言って、ついてきていた一行はそれぞれ隠し持っていた覆面をして短剣を抜いた。


ーーーー


「にゃー」


リンはそう声を出すと、それに続けてメイとマオもにゃーと言っていた。


夕食後から就寝の時間まで、

シュリムとエミリと遊ぶ時間になっていて今日は、みんなで絵を描くことにしていた。


リン・メイ・マオの三人は大きな画用紙に三人並んで絵を描いていた。


「みんな描けた?」


エミリはそう聞くと、リン・メイ・マオの三人は笑顔を見せながら描けた絵をエミリに見せた。


「何描いたのかな?」


シュリムがそう言って覗き込んだ。するとマオが大きな声でこう言った。


「お父様とお母様、それに黒猫剣姫!」


続けで目をキラキラさせたマオが説明をしてくれた。


「黒猫剣姫がお父様とお母様を助けに黒猫剣姫がやってくるのです」


描かれた絵は笑顔のタカノとミミの後ろに目だけを隠す覆面をした黒猫剣姫の姿と思われる人物が描かれていた。


「三人で考えましたの」


そう言ったのはメイで嬉しそうな顔をし始め、リンとマオも同じように嬉しそうな顔をした。


エミリはシュリムと顔を合わせてうんと頷いてこう言った。


「じゃあ、これをミミさんに見せに行こう」


「「「はーい」」」


そう言って、三娘が可愛く笑顔で手をあげて相応と、シュリムはそれを直視できないようで、「あっ」と言って手を顔に覆った。


「か、かわわ、

可愛すぎて直視できねぇ...キャはっ」


「何が、キャはっよ。シュリム行くわよ〜」


エミリはそう言ってめちゃくちゃ顔を赤くして今にお嬢様方のかわいさに萌え死にしかけているシュリムの首元を掴んで部屋を引き摺って出た。

それに続いてリン・メイ・マオ嬉しそうな顔をしながら続いて行った。


中庭には見慣れない西域の行商人の格好をした人がいて、最初に気がついたのはメイで小さな声でエミリにこう言った。


「誰かいますわ」


エミリはその人物を物陰から確認して、シュリムと目を合わせて何か合図を送った。

シュリムは頷いたがこう呟いた。


「なんか、予定と違う気がするけど...」


その瞬間だった。

エミリとシュリムを囲むように4人の覆面をした男女が現れて短剣を向けていた。


「本当だ....お姉ちゃん凝ったことしちゃって....」


エミリはそういう時、両手を上げた。

シュリムは首を傾げなが頭から?でも浮かび上がるかのような表情をしながら両手を上げた。


「ミャ」


一人の女がリンとメイを抱きかかえてた。

マオは、侵入者達の間をすり抜けて行って距離を置いてから。


シャーと言いながら威嚇をしていた。


何が起こったのか、わかっていないようなリンとメイだったがマオが威嚇を始めた瞬間に抱きかかえた腕を引っ掻いたり噛んだりして抵抗を始めた。



「こらこら、子猫さん達。大人しくしてないと」


そう、

中庭にいた行商人がそう言いながら近づいてきた。


「大人しないと。痛い目をみますよ」


行商人はそう言って暴れるメイに懐から取り出したナイフを出して腹で頬をポンポンと叩いた。


それを見たエミリがメイが本気で怖がってる感じ取って、

どこか演技にしてはすぎる演出だと感じこう怒鳴った。


「ねぇ、ちょっとやるすぎよ!怖がってるじゃないの!?」


それを聞いた、侵入者一行は目を点にしてエミリを見つめたが、行商人が大声を出して笑ってこう言った。


「何を言ってるんだ、怖がらないと意味ないだろ?それとも何か?我々をバカにしてるのか?」


シュリムは屋敷の奥から、ここぞとばかりに魔術で仮装したショウタとシュンテイが出てきたのを見て目を丸くした。


気がついたのは、

シュリムだけのようで驚いた表情をしていた。


ノリノリで出番とばかりに出てきたショウタとシュンテイは今の状況を把握できていないようで、首を傾げていた。

行商人はそう言って手に持ったナイフをしまいこう言った。


「とにかく、娘達は連れて行きますよ」


するとその時だった。

一輪のバラの花が行商人の足元に刺さり、

行商人は驚いて飛んできた方向に視線をやった。


屋根の上に細身の剣を持った女性の人影が見えていた。


「誰だ!?」


行商人がそう叫ぶと

一人の淡麗な女性の声が聞こえてきた。

月明かりと共にその女性の正体が露わになった。


「「「お母様!?」」」


リン・メイ・マオの三人はそう屋根にいる女性に向かってそう叫んだ。


「ある時には、愛する夫を支える妻、またある時は愛しき娘達を愛する母....

その正体は!月夜に現れ美しく舞い、弱気を助け悪を討つ、愛の剣士!黒猫剣姫さ」


ミミはそう叫ぶと、装備を切り替える早着替えの魔法陣を展開させて

光と共に黒猫剣姫の衣装に切り替えた。


そして、

中庭に飛び降り、剣を構えてこう言った。


「大切な人達は私が助ける!覚悟なさい」


それを見た行商人は、手で何かの合図を出すと手下達にそういうと1人を残して3人が黒猫剣姫に扮するミミを囲んだ。


三人は一斉にミミ対して襲い掛かったが、

ミミはくるりと身をかわしながら、三人をあっという間に倒した。


「あれ...なんか、あっけないですわね...」


ミミはそう呟いて首を傾げたが、すぐに残りの行商人と手下の一人に目を向けた。


侵入者達は呆気に取られていたので、

隙を見てリンとメイを抱きかかる手下に飛び膝げ膝蹴りを加えて、リンとマオを抱きかかえた。


呆気に取られていたショウタとシュンテイも今、ここで本物の侵入者のが入ってきていたことに気がついて変装を解いて慌てて駆け寄ってきた。


「くっくっく、これは使徒としての力試させていただきましょうか...」


行商人はそういうと、黒い魔法陣を足元に展開させて黒い光に包まれると漆黒のツノの生えた牛の魔物に変身した。


それを見たショウタが驚いた顔をしてこう言った。


「うっそー!あれ、本物の使徒じゃん!」


その声を聞いて、屋敷の一室からアルスが飛び出してきたと同時に

二人がいることに気がついたエミリが目を丸くした。


「え、なんで!?じゃあ、あの使徒って...」


「本物....」


シュリムはそう言って、リンとメイを下ろして柱の影にマオを加えた三人を隠れるように移動させた。


剣を抜いたショウタが走り出すが...


使徒とミミの戦闘は始まっていた。

使徒が殴ろうと拳を振るうが、黒猫剣姫はそれをさらりと交わしながら、浅く剣で腕を切りつけていたが、

体当たりをされて吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。


「あ、もー痛い...」


そんなミミの声が聞こえてきてエミリが叫んだ。


「ミミさん!本物の使徒です!!!」


エミリの声が聞こえた時にはすでに遅く、使徒が距離を詰めて拳を振り下ろそうとしていた。


ドカンと壁が壊れるとと共に砂場ぼこりが舞ってミミの姿が見えなくなった...


「「「お母様!!」」」


そう三娘の叫び声が屋敷に響き渡った...

エミリとシュリムは息を呑んだーーー


「ミミさんが...」


舞った砂埃が収まるとそこには誰もいなく、使徒は周りを見渡していた。


「確かに当たった筈だぁぁ!どこだ!!」


すると、

高らかに笑う淡麗な女性の声が屋敷から響き渡ってきた。


「私がそう簡単にやれる筈がないさ!その悪を悔いろ!」


一閃の閃光と共にミミが使徒の懐に現れて使徒に対して剣を光速切りつけていたーーー


使徒は仰向けに倒れ込み。決着はついたようだったーーー


「「「お母様!!!」」」


そう、リン・メイ・マオが柱から飛び出してミミの元に駆け寄っていた。

ミミは覆面を外して、娘達を抱きしめてこう言った。


「大丈夫?」


ミミはそう心配そういつもの口調で娘達に聞くと娘達は目キラキラさせていた。

まさか、黒猫剣姫が母親だったことがとても嬉しいのだろう口々に嬉しそうに言葉を発していた。


それを見ていた、アデルとシュリムはほっこりと眺めていたが...


魔物がゆっくりと立ち上がりミミと娘達に拳を振るおうとしたのに気がついたアルスは剣を抜いて走り出そうとした瞬間ーー


人影が使徒の顔面を掠めていったのが目に入ってきた。その人影の正体がわかったショウタは笑みを浮かべた。


「俺の家族に手を出すんじゃね!!!」


タカノが放った飛び蹴りは使徒の顔面を捉えて、使徒を沈黙させたーーーー


リン「黒猫剣姫がお母様だったなんて...」


メイ「信じられませんわ」


マオ「ですわ〜」


リン「私たちも、お母様のように強くてかっこよくて美しい人になれるかしら」


ミミ「きっとなれますわ。リン、メイ、マオ。三人はラシュトスタンの王女救った勇者の娘で黒猫剣姫の娘なのよ...

そしてお母様の大切な娘なの。きっとなれるわ」


メイ「もっと、精進しますわ」


マオ「お母様みたいになりますわ」


ミミ「ほら、こっちきなさい。もう寝る時間だから...明日は子供を祝う日ですから、ご馳走と美味しいお菓子を食べに行きますわよ」


リン・メイ・マオ「「「やった!!」」」


タカノ「....で、俺は家にやってきた使徒とその手下共を逮捕したから。徹夜か....

くそ、仕事かよ。せっかく遠征から帰ってきて家族と過ごせると思ったのに」


ミミ「待ってますわよ?リン、メイ、マオもお父様と一緒がいいでしょ?」


リン・メイ・マオ「「「はい、ですの。お父様!!!」」」


タカノ「ありがとう...じゃあ、さっさと終わらせてくるから!!みんなはちゃんと寝なさいよ」


ミミ・リン・メイ・マオ「「「「はーい」」」」


シン「いいよな〜家族愛って感じで...」


アルス「だな...家の修復しないと...ところで、アデルは?」


ショウタ「今気がついたんだが...酒飲んで酔い潰れて寝てやがった....」


エミリ「え、お姉ちゃんーー」

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