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失望と嫉妬-5 迫りくる影


シュリムは弓を力いっぱい引いて、

千里眼の魔術で部屋の中を見ているシンにこう言った。


「場所を教えてください。多分、丸い水晶のようなものから光線が出るはずなので...」


シンは目を瞑りながらこう言った。


「あったった!この入り口の左側に魔力を感じる水晶が置いてある。

距離は...3〜4かな」


タカノはそれを聞いてこう言った。


「何回かやって修正していけ」


シュリムはうんと頷いて矢を放った。

放った矢は部屋の中に入り込み綺麗に左に弧を描く用の曲がっていった。

そして、パリンとガラスが割れるような音がしてシンが目を開けてこう言った。


「命中。魔力反応が消えた」


シュリムはそれをお聞いて、ガッツポーズをした。

アデルが嬉しそうにシュリムに抱きついて頭を撫で撫でした。


「すごいじゃない。シュリム!かっこいいわよ」


シュリムはどこか照れ臭そうな顔をしながらもため息をついてこう言った。


「なんか...複雑でだぁ...かわいいって言われたいのに」


アデルはそれを聞いて、かわいいかわいいと言ってシュリムに頬擦りし始めた。


タカノはそれを見て、どことなく明るい雰囲気になって場が和んだのを感じ取って本来の目的の為に意識を戻る為にこう言った。


「さー。次はアデルの番だ。頼んだ!」


「おっけー!任しておいて!!」


アデルはそう言ってウィンクをしてきた。


ーーーーー


魔導具の調査とは意外とシンプルな物なようで、

祭壇のある部屋には、魔物が出入りした痕跡を確認できた。

他にも魔物が焼かれた痕跡やらもタカノは見て取れた。


アデルの見解ではまずここに置いてある姿鏡はある特定の人物の魔力によって、封印されており。

それが解かれた時に転移魔法が発動して鏡を通じて、移動が可能になるらしい。


しかも、その術式はかなり高度に暗号化されていてこの先がどこに繋がっているのか解読が今はできないと言うことだった。


ただ、解析を進めると。

既にこの姿鏡自体の魔力自体は尽きかけていて使い物にならないとのことだった。


タカノはそれを聞いて、記録を撮って後でこれを破壊する事にした。


肝心のその必要な魔力を持つ特定の人物というのはシンの魔法で特定することができた...


「タカ兄が睨んだ通りグンウ・クウ。で間違いみたい。

ここ1週間以内でこの術式を発動させて魔物をここに呼び寄せたのも履歴が残ってたよ」


「ついでにその呼び寄せた魔物の種類は特定できるか?」


タカノはそう言うと頭の中に、この前の事件で討ち取った魔物を思い出した。


シンはうーんと考えるように難しそうな顔をしてこう言った。


「うーん...ウルクハイと使徒が2人ってなってるけど...」


アデルがそれを聞いて驚いた表情をしてこう言った。


「え、それってあの時あの場所にいた使徒って1体だけだったんだけどもしかして...」


タカノはため息をついてこう言った。


「もう1人。魔王軍幹部クラスの使徒が潜伏してる恐れがあるってことか。これは少し面倒な事になりそうだな...」


タカノはそう言って、

姿鏡に触れながらこう言った。


「みんなありがとう。クエスト完了だ...

後で、アデルは義禁庁で正式な書面でこの鑑定結果を書いて欲しいが大丈夫か?」


アデルはウィンクしてこう言った。


「いいわよ〜。しかし、使徒が潜伏してるとなると...冒険者もまだ忙しそうね...早くショウタン帰ってこないかな〜」


タカノはその言葉を聞いてこう言葉を返した。


「また依頼がありそうだったら、よろしく頼む」



ーーーー


クエストを終えたタカノは自分の執務室に戻り、早速都に潜伏していると思われるグンウ・クウと使徒の捜索に乗り出す事にした。


時間はかかるのは必須であると感じられたが、

今回の事件の重大と影響の大きさから最優先事項で捜査に当たるようにディンサンを通じて命令が来ていた。


部下を総動員し、

シュンテイや彼の手下にグンウ卿の情報を教えて内偵調査を依頼した。


タカノは頭を抱えながらも、執務室で今ある情報を確認して、絵師が作ったグンウ卿の人相画を眺めながら色々な考えを巡らせていた。


「明日には指名手配か...奴はどこにいるんだろうか?」


タカノはそう言って、ため息をついたら。執務室の端で座って何かの資料を読んでいたシンが資料を近くの棚に戻してこう言った。


「タカ兄。一旦休んだらどう?この調子で1週間もうたっちゃったし...家に帰ってないじゃん」


タカノはそれを聞いて頷いてこう言った。


「そうだな。一通り俺がやれる事はやったし。あとは、捜査の進展を待つしかないからな...帰るか」


タカノはそう言って伸びをして席を立ち上がった。

それをみたシンも席を立って、


「娘達と嫁が寂しがってたよ。タカ兄に会えないの寂しいんだってさ。なんか、お土産でも買って行ったら?」


シンがそう言って部屋の端に置いていた風呂敷に包まれたものを手に取ってタカノに渡した。


「今日、娘達の誕生日だろ。先に買ってたから、これでいいだろ?」


「気が聞くじゃねーか。さすがはシンだな。ありがとう」


タカノはそう言って、

以前から娘達に買おうと思ってたテディーベアのような熊の人形がその包みの中にあることを確認して笑みを溢した。

そして、こう言った。


「ミミにも何か買わないとな...」


「どうして?」


シンは目を丸くして首を傾げた。

タカノはウィンクをしてこう言った。


「日頃の感謝と....

俺にリンとメイとマオって言うとっても可愛い人に出会わせてくれた感謝の気持ちも込めてさ」


「さすがタカ兄!やっぱり、タカ兄は優しい人なんだな。姉御もいい人に出会ったもんだな...」



ーーーー


タカノはミミに似合う首飾りを買いシンとともに夕焼けに染まる陽都の街を家に向かって歩いていた。


タカノはほんのひと時であったが、仕事のことを頭の片隅に置いて家族が待つ家で用意したプレゼントを喜ぶ姿を想像しながら、ハミングを口ずさんでいた。


それに乗って、シンはリズムを取りながら指を鳴らして踊るように街を歩いていた。


「久々だね。タカ兄がなんかこんなにノリノリだなんて」


「そうか、まー暗い顔や難しい顔ばかりはしてられないからな」


タカノはそう言って、くるっと一回転ターンをしてシンのリズムに合わせて身体を軽く震わせた。


そう、言って少しは無心になってただリズムに合わせて踊ることでどこか、仕事モードから日常モードに切り替わっていくことをタカノは感じていた。


緊張感が解けた頃にはノリノリになりながら屋敷の前に戻って来ていた。

門の前ではミミが笑みを浮かべて待ってくれていた。


「ただいま。ありがとう、ミミ」


「おかえりなさいませ。タカノ様」


ミミはそういうとタカノが持っていた荷物を受け取るとしたが、タカノは首を振ってこう言った。


「これはいいよ。ミミのために買ってき物だ。こっちは娘達の分。俺が渡すからさ」


ミミはそれを聞いて目を丸くして少し驚いたような顔をして、ハッとしてこう言った。


「あ、そうでしたわね。私母親なのに娘達の誕生日を忘れてしまうなんて....」


タカノはそう言って俯いたミミの肩をポンと叩いてこう言った。


「ごめんな。心配かけてしまった...」


きっと、

家のことと戻ってこない夫のことで頭がいっぱいになって娘達の誕生日を忘れていたのだろうとタカノは思った。


以前にも、

長く家に帰れない時にミミが少し何かを忘れてしまうことがあったからそう感じられた。


今回もきっと、ミミは気持ちがいっぱいいっぱいになっていたにだろう....


「いえいえ。私が未熟なだけだったのです......やっぱり、まだダメですね」


ミミはそう言って顔を上げた。

タカノは笑みを見せて、ミミのために買ってきた首飾りを取り出してミミの首につけた。


「これって、もしかして、ラシュトスタンのサファイアですか?」


「ああ。子供の頃に母上から貰ったって気に入ってたって聞いたからな。

無くしたものを見つけるというのはできなかったが....たまたま行商人にラシュトスタンのものを仕入れたて聞いたからさ」


ミミは嬉しそうな顔をしながら、首飾りを見つめていた。


「この輝、この色....間違いなく私の故郷のものですわ...」


「普段、支えて貰ってるからな。その分のお返しさ。

いつもありがとう、ミミ」


見つめ合いいい雰囲気になりかけてる2人を横目にしていたシンがこう言った。


「お二人さん。雰囲気はいいけど尺がないから...後にしてってさ〜」


それを聞いたタカノとミミは大きくため息をついた。

するとその時だったーーー


屋敷の奥から、シュリムの声が聞こえてきた。


「何者だ!!!マオ様を離せ!!」


そしてその後に、娘達の叫ぶが聞こえてーーー

何かが壊れる音が聞こえた。


タカノは腰にある太刀を抜いて声は聞こえた方へ走り出した。シンとミミも同時に追いかけていった。

アルス「あー痛い痛い...」


エミリ「しかし、お腹にどでかい穴が空いてたのに生きてるなんてすごいわね...でも、シンとお医者様も1ヶ月はクエストどころか剣すら振る舞って言ってたし」


アルス「でもな....一冒険者として、アデルさんから聞いた残党の使徒は気になるし。あ、だめ...Zzz」


エミリ「シンが調合した回復薬の副作用怖くないかしら...回復に為と言えど薬で眠らせるのってなんかやだわ」


アデル「あら、寝ちゃったなら悪戯とかしちゃったらどうかな?」


エミリ「え、お姉ちゃん。いったいいつから!?」


アデル「あー最初っからよ〜。ねぇねぇ、悪戯してみない?こう、顔にこのペンで落書きとかしちゃうのよ....ショウタンに昔されてね。それ以降マネするようにしたのよ〜

ホラホラこう、目をかいて...」


エミリ「え、なにこれ!面白そう。お姉ちゃん貸して...ちょっと日頃の恨みがあるから...こうね...」


ショウタ「ただ今...って、二人して何してるの?」


エミリ・アデル「「悪戯」」


ショウタン「うわぁ...ヘタレって書いてあるよ...」


エミリ「だって、ヘタレだもん」


アデル「まーまー、とりあえず告知しとかないとね...」


アルス「え、なになに告知!?」


アデル「スリープ」


アルス「次回、汚い心...あ、もうダメェ..Zzzz」


アデル「さぁ、ショウタンも一緒にどう?」


ショウタ「うーん。ちょっと気が引ける(この姉妹怖ぇぇ...)」


シュリム「あ、告知...」

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