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失望と嫉妬-3 大火の原因


先の大火と重要情報提供者であるヘゲルの暗殺事件は陽都の街に一瞬にして知れ渡った。


世間では、

今まで魔王軍への危機感や怒りというのはなかったが...

妓楼街での大火が魔王軍の仕業だという情報が巷で広がり世論は魔王軍への報復措置を取るべきだという話に盛り上がっていた。



タカノはその騒動の翌日に焼け野原になった妓楼街へと足を運び、火災と暗殺事件を調べに現場を調べていた。


副官のチャン・セイゴとタカノの直属の上司である義禁庁長官であるディンサン将軍も現場に足を運んでいた。


セイゴは、煤まみれになったウルクハイが使っていた剣を手に取りこう言った。


「大尉。この剣は間違いなく、魔王軍のものでしょう。以前に西域で侵入してきた魔王軍や以前都郊外で潜伏していた魔王軍と同じものですね」


タカノはそれを聞いて、矢が突き刺さり無くなっている黒焦げになった女性の遺体を見てこういった。


「こいつは、シンと俺のところの冒険者達に確認をしたところ。

アクメと名乗った魔王軍幹部だったらしい。今現在、そのアクメが魔王軍のどのポストのいたのかは調べてるところだな」


タカノがそういうと、ディンサンは顎髭を触りながらこういった。


「ご苦労。とにかく今回の大火では都人の死者は20人と聞いている。これだけの大火で犠牲が少なかったのはラシュト大尉の部下達が迅速に救助と避難誘導に当たったからだと聞いてる」


「ありがとうございます。将軍。しかし、ヘゲルを守りきれませんでした...称賛には値しません」


タカノはそう言って、頭を下げた。

それを見ていたセイゴと周りにいる部下達は慌てて頭を下げた。


「ラシュト大尉頭を上げなさい。この国では君の様な高貴な人間が下の物がいる時に頭を下げるものではない。

今回の警護の責務はハルビ辺境伯にある。表を上げよ」


「申し訳ございません。将軍」


タカノはそう言って頭を上げた。

セイゴはふっと息を吐いてほっとした顔をしていた。

部下達もセイゴと同じくホッとした顔をして捜査を続けた。


「ラシュト大尉。そう落ち込むな。

兄のディンワンから聞いた通りの凄い異世界人だとは聞いてる。それに君は皇帝陛下のお気に入りの武官だ。


落ち込んでないで仕事をしろラシュト大尉。

この暗殺事件は皇帝陛下も気にかけている。


捜査よろしく頼む。真相を明らかにして関わった奴らを捕まえてくれ。


ラシュト王家の名に恥じない活躍を期待している」


「はい!」


タカノはそう返事をしてうんとうなづいた。ディンサンは笑みを浮かべた。


タカノは昨日あった暗殺事件を防ぎきれなかったことを悔しく感じ落ち込んでいたが、ディンサンはそれを察して励ましの気持ちをそう言ってくれた様だった。


「大尉!城衛将です!!」


そう、

遠くから部下の声が聞こえてタカノは振り返った。

部下は大きく手を振っていてその横には城衛庁のトップである城衛将が立っていた。


タカノは駆け寄ると、城衛将は右手で拳を作り左手でそれを多い拱手の挨拶をしてきた。タカノも同じく同じ挨拶を返した。

普段見る城衛将とは違い年の近い若い城衛将の様だった。


「初めまして。私はルウ・オンです。義禁大尉殿の噂をよく聞いております。

前任のエオ城衛将と交代しまして先月より城衛将の職に任命された者です。お見知り置きを」


どうやら、

バケーション休暇の間に城衛庁では人事異動があった様で新たな人物が城衛将になった様だ。


挨拶をしてくるということは、それなりに好意を持てるなと感じていた。

先までの都の城衛将は義禁庁をあまり好きではなかった様なので捜査がしにくい状態であったが、今後は少しは楽にできそうだと感じた。


「よろしくお願いします」


タカノはそう返事を返した。

オンは周りをキョロキョロと見渡してこういった。


「少し人払いをできないでしょうか?この事件で重要な証拠を発見しまして...城衛内でも一部のものにしか伝えてないのです...」


タカノはそれを聞くと、近くにいた部下にこの場を離れる様に合図を送った。

セイゴが近づいてきて、オンは困った様な顔をしたがタカノがこう言った。


「彼は私の副官だ。気にしないでくれ」


「わかりました。一応、この場で情報漏洩がない様に音を操る術式を展開してはくれませんか?」


オンはそう言って、タカノに近づいてきた。

タカノは懐からエミリに作ってもらった密会で使用する空間の音をある一定のまで漏らさないようにする術式の書かれた札を地面に貼り付けた。


「これで大丈夫だ...」


「ラシュト卿。今からいう情報は城衛の一部のものと私の密偵しか知らない情報なのですが...」


オンはそう言って話を始めた。

要約すると内容はこういう事だった。


この妓楼街付近の地下に以前、魔王軍協力者が設置したと転移魔法陣があって、

前任者の義禁大尉であるグンウ卿が魔法陣を使用される前に協力者を逮捕することによって魔法陣を無力化することに成功したことあったらしい。


がしかし、

昨日よりその魔法陣が再度起動を始めたという情報がオンが従えている魔術師によってもたらされたらしい。


魔法陣は特殊な術式で封印されていて、グンウ卿にしか解けないような術式を組んで無力化をさせていたらしい。


「なるほど...

そのグンウ卿がウルクハイとアクメを都に連れ込んだということか...


元義禁大尉であるグンウ卿がなぜその様な事を?」


タカノはそれを聞いて首を傾げた。するとセイゴが説明をし始めた。


「大尉。グンウ卿は私がまだ着隊してすぐに、何らかの事情により更迭されたと聞いています」


「そうなのか」


オンがそれを聞いてこう言った。


「一部の貴族の間では何ですが、グンウ卿は外患誘致の疑いがあり...失脚たという噂があります。

義禁庁を去ってから、その行方を知るものはおらずで...」


タカノはそれを聞いてこう言った。


「わかった。ありがとうございます。オン城衛将。協力感謝します」


「いえいえ。今後とも都の平穏のために共に尽くしましょう!ラシュト卿」



タカノはその日に話に出てきた地下の魔法陣とグンウ卿について調べることを心に決めて....


火災の原因を城衛庁から、武官装束に身を包んだ男率いる数名の集団が火を放ったという目撃情報があり放火の線で城衛は捜査に入ることになったことをオン城衛将から聞きいた。


その集団と今回の魔王軍が関係しているかの捜査は義禁庁が受け持つことになったーーー


「街に魔王軍の実働部隊はいなくなったとはいえ、協力者が潜伏してる恐れがあるな...その線で捜査を行う」




タカノは夕暮れになって、

今日の現地捜査が終了したので部下を整列させてそう捜査方針を告げた...


そして、セイゴにこう言った。


「先に戻っておいてくれ。この金で本日の当直隊の出前を取っておいてくれ。

もちろん俺のも頼む」


タカノはそう言って、セイゴの手に金貨を3枚握らせた。するとセイゴは整列する部下に高らかとこう言った。


「おい!お前ら。今日の晩飯は精がつく飯を食えと大尉の命令だ!もちろん奢りだ。

各員、この事件なんとしてでも解決するぞ!!」


セイゴがそういうと、

兵士たちは笑みを浮かべて一斉に喜び出した。

そして、セイゴの号令とともに隊列を組んだまま義禁庁の駐屯所へと戻っていた。


その姿を見ていた、ディンサンは笑みを浮かべてこう言った。


「飯だけで部下をあれだけ、鼓舞させれるとは...

グンウ卿とは違うな...


君の師匠であるディンワン兄貴から聞いていた通り、素晴らしい男だな!」


ディンサンはそう言って、タカノの方をポンと叩いてそう言った。


「お褒めの言葉...ありがとうございます。

将軍。

一つお聞きしたいのですが、以前義禁大尉の職についていたグンウ卿について教えていただいてもよろしいでしょうか?」


ディンサンはそれを聞いてこう言った。


「ああ、よろしいとも...

せっかくだ、私は都の店は知らないんだ。美味しい店を教えてくれか?

そこで落ち着いて話をしよう。


事件が起こったとはいえ、師匠の弟である私の誘いを受けてはくれないか?」


「はい。それでしたら...」


タカノはそう言って、頭にふと浮かんだ店に行く事にしたーーーー


グンウ卿は過去に義禁大尉だった貴族で

タカノは『鬼の義禁大尉』と呼ばれているが...

グンウは『反逆の義禁大尉』と呼ばれた国に対して反旗を翻した人物であった。



タカノ「しかし、火災現場の掘り起こしって国家憲兵隊ではしたことなかったから新鮮ではあったな〜犯罪の捜査って別の部署の仕事だったしな」


ミミ「煤まみれのタカノ様も素敵ですわぁー(お仕事お疲れ様です〜)」


シン「ミミの姉御心の声と喋ってる言葉が変になってる....」


タカノ「ミミ。すまない。今日は上司とその飲み会になったから帰れそうにない」


ミミ「むむむ!それは本当ですか?(怪しいですわ)」


タカノ「いやいや、ディンサン将軍からのお誘いでぇ...。今日帰るって言ったけど、ごめん」


ミミ「うーん。いいですわ。仕事とですもんね。もちろん、埋め合わせお願いしますわよ」


リン・メイ・マオ「「「お土産ぇ!」」」


タカノ「分かった。分かった...ということですシュリム告知をよろしく」


シュリム「あ、はい。やっとですよ待ってました。誰も邪魔はいねぇーな?よしと、次回...」


タカノ「次回。全てを失った男!」


シュリム「あああああ、タカノ様!!!!とらないでくださいぁぁぁぁい!!!!」


タカノ「すまん。流れあるかなって思って」


ミミ「あ、シュリム泣いちゃった....ほらよしよし。泣かないの....タカノ様の意地悪っ」

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