バケーション休暇は温泉旅行!-4 タカノとショウタ
「ほーら。みんな起きなさい。朝ですわよ」
そう、男部屋に響いたミミの声を聞いて
寝ていたタカノ、シン、アルス、ショウタは眠そうにしながら起き上がった。
「朝食行きましょう」
ミミはそう言って、スッキリとした顔をして男どもがゆっくりと眠そうな顔をしながら支度を始めるのを見ていた。
「ミミの姉御マジおかん...」
シンはそう言って、
大きく伸びをして部屋にカーテンを開けた。
すると部屋に中に朝日がしっかりと入り込んでいた。
二日酔い何だろうか、完全にグロッキーになっているショウタとアルスは物凄く嫌そうな顔をしながら布団から出て来て意識が半分ないような状態でミミから水の入ったコップを受け取ってそれを飲み干した。
タカノは普通に起き上がり軽くストレッチをしながらミミにこう言った。
「おはよう。今日も素敵だ」
「あら、タカノ様こそ」
語尾の後ろにハートマークでもつきそうな勢いな口調でミミは答えてウィンクをした。
タカノはポンと二日酔いのショウタとアルスの背中を叩いてこう言った。
「さ、行くぞ!」
ーーーーー
「しかし、こうしてみんなで食卓を囲むなんて久々だな……」
タカノは言葉をこぼしながら、海宿料理であるクラムチャウダーのような少し中華風にしたスープと油で揚げた饅頭が用意されていて、それをそれぞれ食べる形になっていた。
VIP向けにしては質素なの感じるが、これがこの宿の名物らしい。
甘いものが好きな、ミミリンメイマオの4人は揚げ饅頭にこれでもかと練乳をかけてそれを食べていた。
「あら、おいしいわね。エミリも食べてみなさいよ」
アデルはクラムチャウダーを気に入ったようで、あまり焔風の料理を好まないエミリに勧めていた。どこか、仲のいい姉妹が久々にこういった場になっているのを見てなごんでいられた。
ちなみにエミリも気に入ったらしく。笑みをこぼしながら食事をしていた。
タカノはクラムチャウダーを飲み干して、片手にあげ饅頭の入ったバケットをもって、席を立ちあがりショウタを呼んだ。
「ショウタ。ちょっと話があるんだが大丈夫か?」
「え、なんっすか先輩?全然問題ないですけど」
タカノはそれを聞いて、うんと頷いて。ミミに少し込み入った話をしてくることとその後の大切な娘たちとミミとのお出かけに関しては問題ないことを伝えた。
「タカノ様って、仕事熱心ですのね。この休みぐらい仕事の事考えなくてもいいと思いますのに」
伝え終わったミミはそう言って、ため息を着いた。
タカノは少し気まずくは感じてしまった。それを察してか、ミミは娘三人に声をかけて朝に温泉に入りに行くように話をしてこう言った。
「お父様は今日はちゃんと約束してくれるっていってますわよ」
「「「やった!」」」
リン、メイ、マオの三人は嬉しそうにはしゃぎだした。それを見てタカノは娘達にこう言った。
「水族館と電影劇楽しみだな」
それを聞いて娘たちはうんうんと頷いて答えた。
娘たちの様子を見ていたミミは笑みを浮かべてこう言った。
「約束。ですわよ」
ミミが言い出したことだったが、彼女なりにタカノを引き留めるための言葉だったのだろう。
いつもなら、こういう時に限って緊急の仕事が入ったりということがあって家族一緒にということはかなりの確実で中途半端な形になっていた。
でも、今日は……
ただ聞かれたくない話を勇者同士でしたいだけだから。問題ないと自信を持っている。
「さて、ショウタ。少しこっちにきて欲しい」
タカノはショウタの方を見てそういい席から立ち上がった。
ーーーーー
「別にそんなかしこまった話じゃないんだが、仕事の話だからあまり家族には聞かれたくないんだ」
タカノはそう言って、VIPエリアの中にあるベランダで饅頭の入ったバケットを片手にショウタと話を始めた。
「いいっすよ。あの並行世界の勇者に関する話っすよね?」
「ああ、その通りだ。あれから都のお役所や黒社、商工会、冒険者ギルドからのヤツに関する情報が一切出てこなくてな...
どこかに潜伏しているとは思うんだが、ショウタの方では何か聞いてないかなと思ってな」
ショウタはそれを聞いてうーんと考えながら、ベスケットにある饅頭を手に取ってからこう言った。
「先輩には悪いっすけど...
こっちの冒険者ギルドにも情報やら噂は出てないでてないっすね。
あのヤツの相方のミラってのも所属していたギルドも分からずで...」
ショウタはそう言って、饅頭を頬張り始めた。
「あ、先輩いただきます」
「食べながらいうセリフじゃねえだろ。ま、今後も調査は継続と言ったところか...」
タカノはそう言って笑みを浮かべて同じく饅頭を頬張った。タカノは饅頭を一つ食べ終わり飲み込んでからまだ頬張り続けるショウタにこう言った。
「ありがとう。仕事に話はこれで終わりだ....せっかくの休みに悪いな」
「それは先輩が思ってることじゃないんですか?
せっかく娘さんと奥さんとの時間が取れるんでしょ、今ぐらいゆっくりしましょうよ。
シンがタカノさんはいつも忙しくて家族と過ごしたいって愚痴ってたって」
タカノはそれを聞いてため息をついて、シンの顔を浮かべながらこう言った。
「シンめ...言うなって言ったのに」
ショウタはそれを聞いて食べ終わってもう一つの饅頭をまた取って呟くようにこういい始めた。
「これうまいっすよね...
俺、前の世界では大学生だったんすよ。
バイトの最中に交通事故にあってそこで亡くなったらしいんすよね。
友達や家族を置いてきちゃってそれが心残りなんですよ。
この世界に来て3年経つんですが...
冒険者しながら魔王軍と戦い続けてあっという間でした。
今でも魔王を倒してあの世界に戻れるなら帰りたいと思ってるんすよ。
そんな時に先輩に出会ったんですよ。
先輩はこの世界で結婚して定職について、庶民からは『鬼の義禁大尉ラシュト卿が歩けば、悪は退散。街のみんなは笑顔』なんて言われてすごいなーと感じるんすよね、どこか吹っ切れてこの世界の人になってるって感じたんっすよね。
そこで気になったんですよ。
同じく転生してきた人間として先輩は前の世界に未練とかないのかなーって」
タカノはそれを聞いてこう言った。
「セリフ長いのによく言えたな。うちのアルスだったら絶対どこかで噛むな。ま、それはそれとして...
俺はテロリストと戦ってる中で小さな子供を庇って死んだらしいんだ。
今でも少し両親や親友にことは気にはなってしまうがーー
俺がこの世界から元の世界に戻れたとしても、
俺の最愛の人、家族はこの世界にいる。置いてはいけない...
きっと、そう言えば戻れないことも理解はしてもらえると感じてる。
カッコつけるなら、
キリシマ・タカノはもう死んだ。
俺はミミの夫、リンメイマオの父親であるタカノ・ウル・ラシュトだって感じだな」
タカノはそう言って、バケットから饅頭をまたもう一つ取って頬張り始めた。
「なるほどっすね...先輩、ありがとうございます。それにしても先輩って壮絶な死に方してるんっすね」
「まーそう聞こえるのかなーー
細かい話をすれば手榴弾で吹き飛んで亡くなったらしいんだが...」
タカノのその言葉を聞いて、ショウタは目を見開いてタカノにこう言った...
「先輩ってもしかして機動憲兵隊員でした?」
「ああ、そうだが....」
「あ、そうだったんだ!
先輩、ありがとうございました。先輩が救った女の子は俺の妹なんですよ」
ショウタはそう言って、タカノに深々と頭を下げた。
タカノはそれを聞いてほっと息をついてこう言った。
「そうだったのか...」
「先輩がいなかったら、妹はきっとあの時命を落としてたんだと思うんですよ...
なんか複雑な気持ちなんですが。ありがとうございます」
タカノはそれを聞いて、笑みを浮かべてこう言った。
「そうか、それはよかった。もういいよ、ショウタ。頭を上げてくれ」
頭を上げたショウタは笑みを浮かべていた。
「世間は狭いですね」
タカノはショウタの嬉しそうな笑みを見て、ふと心の奥にある昔からある正義の心という部分が熱くなっているのを感じられた。
ショウタの後ろに指を口に加えたマオの姿見えてタカノはこう言った。
「さて、これで仕事に話は終わりだ。ショウタ、今後ともよろしくな。俺の大切な人が待ちきれない出迎えにきたようだ」
ショウタはそれを聞いてうんと頷いてタカノから饅頭が入ったバケットを受け取った。
タカノはマオを抱きかかえて肩車をして部屋に戻って出かける準備を始めた。
シン「なーアルス〜今日何するの?」
アルス「え、タカノさん達と一緒に水族館に行って、電影劇を観に行く予定なんだが...」
シン「うんじゃーさーそのあと、花街でも行かない?」
アルス「!」
シン「いや、やっぱりやめておこう。今、背中から姉御とエミリの殺気を感じ取ってしまった....」
ミミ「あらあら、シン。言いましたわよね。この作品はそういうのは無しだって...
もとい、そういう話はこの旅ではダメだって〜」
シン「どどどどどうもすいませんでしたっ!」
エミリ「今日はやけに素直じゃない...」
シン「いやぁ〜もう、姉御には逆らいたくなくて(昨日、姉御はタカ兄と『自主規制』したくせにぃぃ!)
あ、やべ...ここ心の声もはみ出すんだった!?」
エミリ「!」
ミミ「シン。なんで知ってるのかしらちょっと、こっちでお話ししましょうか?」
シン「え、ええ!?いやだぁぁぁ!?や、やめてぇぇ。ももう、お仕置きはいやだぁぁ。助けてタカ兄!!」
アルス「バイバイ。シン....ミミさんのお仕置きは強烈だからなぁ〜。次回、秘湯を探して。
ちょっと冒険してみる感じだってよ〜楽しみだな〜」




