それはいつかの道で、いつの夜空?(それはほんとうの、はじまり。)
第1章完結記念・・・とシステム上、送信部分を新作扱いされないことに対する対策で
第2章ですが第一章中心の内容を本編で言及します。
第2章から読み始めていた方がいらっしゃるようであれば、
出猟一回分を21話にまとめた第1章もご覧いただけますと幸いです。
2021年6月14日夜、多少誤字修正しましたがストーリー変更なしなので再読不要です。
「現地市内の天気を」
リーゼの問いに、自動音声認識に続く一連の処理が音声で回答を返す。
[曇り最低気温2℃。最高気温は10℃。降水確率10%。午後から30%まで上がります。]
「相変わらずね。山は氷点下3℃と5℃というところかな。村上君、レインコートはあるかしら?」
「あはい。オカモトさんが絶対に持って来いっていうので。」
ジト目で運転席を見やるリーゼの髪はヘッドセットにも車のシートにも干渉しないように、左右二つに下ろされている。
オカモトは手のひらを開閉して調子を整えているようだ。
「そろそろ、自動運転も解除かぁ。うーん!楽になりましたね。助かります」
2020年代後半にもなると、自動運転のSUVで都心から猟場まで半分以上は自動運転だ。
「運転、勢子、解体に全体指揮、メカニックに・・・オカモト一人の手には余るもの。人が足りないなら、仕組みで補わないと、だね」
「おっしゃる通りです。さすがはお嬢様です」
「ふふふ。いいんだよ、それで。本当にお子様だったらそのほめ方は感心しないのだけれど、今はそれで正解。子供相手にはポイントを掘り下げてね。地位や個体識別を成功の根拠にしてしまうと、権威主義化が進んでしまうもの」
「ありがとうございます。」
リーゼとオカモトはいつもの調子だ。
とはいえ、今回はオカモトがまとめ役で若手の教育と勧誘を兼ねているのだ。当然、各参加者にも気を配る。
「あ、村上君、なんかごめんね。こっち変なノリでさ。鷹士君はもう慣れてるんだけどね。」
鷹士がうなずき、村上は戸惑う。
「あ、いえ、オレは。や、僕は。」
本当に何を言えばいいんだという混乱が見て取れる。
「僕とお嬢様も、現地勢が会話に入ったらそれっぽくするからさ。ってそろそろか。」
「そ、ね。よろしくね。17番。」
「こちらこそ。99番。」
「村上君は24番(村上)ね。番号の付け方は説明したかしら?」
「遠く離れた番号は遠征の人とかだって聞いた気がします。」
「そそ。うちでは一番がリーダー。だけど僕が地元じゃないのを理由に辞退したかんじで今日は空席。あとはだいたい狩での序列で地元ベテラン勢が1桁~15番。以前は15人くらい地元勢がいたっていうことだね。うちの会の会長は要は責任者で細かいことには口出さないっていうポーズで2とか3番にしないで5番。16番は僕より前からツテで来てた人がいたから埋まってて、17番オカモトってわけ。」
「そうなんですね。18から22番はいないんですか」
「18番は特別な番号で、戦力外の半人前用とかなんとか。だいたい反省の印とか、初心者で戦力外の奴を入れるんだって。19番と20番は今日欠席。普通に活動してるから、近いうちに一緒にやると思うよ。お嬢様は普通のハンターと違うから99番リーゼで専用番号。あと、無線とかで呼んだ時の響きもあるかな。下一桁9番がいまは少な目だから呼びやすさも考慮してって感じ。」
「100番にするか迷ったのよね」
「ですです。ハンター以外とか遠隔参加の話をして、じゃあ現地来る奴は99番まで、100番からはハンター以外のゲスト枠ってことになった。」
「しんがりは私に任せなさい(きりっ」
「ふふふ。頼りにしてますよ。お嬢様。」
「さて、最後のトンネルを抜けて電波も通じるから、そろそろブリーフィングだね。」
「はい。はじめましょう。」
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あの時、つまらない無線で呼ぶ番号の説明などではなく、注意点や心構えでも説けばその後の展開は違ったのかと言えば
違いは何かしらあったのかもしれない。
だが、限られた時間と体力の中で底を頑張る選択をするには、あまりにリスクへの認識が小さすぎた。
また、参加者の萎縮は必ずしも良い結果に結びつかない。
狩場に出る前の積み重ねは、もっとあってよいのではないか。
そんなことを考えながらオカモトは村上と共にゲートを通過した日からの一連の出来事を思い出そうと努めてみた。
幸いにして、記録映像などが充実していて、どうしても知りたいことがあればリーゼのサポートを受けることもできる。
分析や対策では嫌になるほど見返した情報だが、敢えてアウトプットにこだわらず回想するのもたまにはいいかもしれない。




