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狩猟。獣と銃と山とヒト  作者: 水底 宇宙
狩猟姫と泣き虫執事
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鹿を数える夢は眠っても追いかけて来る

今年も猟期が近づいてきました。

去年の取材も、色々ありました。

エピソードのストックがたまるばかりで、投稿と差が広がってしまいます。

ちょっとの間2人でふわふわした時間を過ごしてから、リーゼちゃんは立ち上がるとボードに絵を出して説明を始めた

「2010年から2020年ごろにいくつか大きな変化があったの」

「明凪にはその三つ、分かるかしら?」

「画像判定AIかな?」

「そう。それが一つ目。二つ目はドローン。空を飛ぶカメラね。最後の一つは通信規格。公衆通信網(Mobile Wi-fiとか)が安くなったことと小規模遠距離通信(LPWA)が出回ってきたこと。」

「ごめんね。私にはちょっと難しいかな?」

「んっと、どこでもスマホがつながるような感じになって、カメラから画像を送れるようになった、かな」

「分かったかも?」


一瞬引き気味に驚いたリーゼちゃんが前髪をいじりながら言い換えてくれた。私あまりわからないけど、なんとなくは分かったかな。


「カメラからそのまま映像が家に届くだけでも便利よね。でも、そこで本当の力を発揮するのよ。」

「AI?」

「そう。本当はAIにも色々あるのだけれど、ここでは画像解析技術。とっても簡単に言えば。"鹿かどうか自動で見分ける"ことね」

「人の手じゃ駄目なんだ?」

「そうねぇ」

リーゼちゃんは頬に指を押し当てて少し目線を上に彷徨わせる。


「なんとなくだけれれど、人間が1時間に200枚の写真から鹿が居るかいないか判定できるとしましょう。20秒に1枚だから、そんなに遅くも、早くもないかしらね。一つのカメラで毎日・・・簡単になるように月間200枚撮影出来ることにするね。カメラを仮に50か所くらいとしたら10,000枚。50時間。1日7時間やっても8日弱。さらに、月に一度だけカメラデータを交換するとしても1カメラ平均30分くらいで取りに行くとして、50台で25時間。これも月に4日くらいのお仕事。そうなるともう、カメラから画像を取って来てずっと見てくれるだけの人が一人必要になっちゃって、更に写真が動画になったり、カメラ台数が増えたら、それだけで一年中そのようなことをしている人が出来てしまうの。それが、カメラから自宅や会社に直接データが送られて、自動で鹿かどうかも調べてもらえれば、とても簡単で、疲れないと思うでしょう?」

一年中、鹿さんが映っている画像を見せられ続けるなんて、夢にまで見そう。

そっか、それが無くなるんだ。


「鹿さん見分けるの人さんが、鹿の夢にうなされない・・・!」

「そういうことね。そして、誰もうなされないということは?」

「誰もうなされないなら、もっと?」

「そう、いつでも、いくらでも監視し放題」

なぜだか、リーゼちゃんの微笑みが暗い。


「そう、あの子達を監視の目から守るルールは、私達のようには、無いのだから。木々にくくりつけられた目が、空飛ぶ監視者が、追い続け捉え続けられる」

「えっそれなのにどうしてこんなに野菜が食べられちゃうだなんて言ってるの?」

「不思議ね、明凪?」

「ほんとに不思議だね。リーゼちゃん?」

夕暮れの、鐘が鳴る。

「本当に、不思議。けれど、もう時間ね。残念だけれど、今日この話はここまで。」

コロナの在宅勤務でもっと書けるかと思ったのですが・・・全然在宅勤務させてもらえません。


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