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話の流れは大体主人公で決まる。  作者: 櫻井 千桜
1章 物語の始まりは大体場所で決まる。
9/69

9. 話の描写の仕方は大体主人公で決まる。

草原から大空へ。驚きの場所移動の進歩ですね。さて、リチが何故、寒さに震えているのか、その謎をコーランディア先生と共に、解き明かしていきましょう!

「さ、寒すぎる...。何これ、何か今まで想像していたものとは、かーなーりかけ離れてるんですけど?どういうことか、説明してくれ、グラン。」


「今までどんな想像してたんだよ、お前は。」


だって、ドラゴンの背に乗って大空を舞う時ってのは、主人公が「風が気持ち良いー!」とか言いながら、爽やかな笑みと共に颯爽といくもんだろ?なのに何だこの仕打ちは。寒すぎてこのままだと俺は確実に氷漬けにされちまう!



『リチは聞いたことありませんか?大気というものは、上空に行けば行くほど、空気の量が少なく、また、薄くなっていき、圧力も低くなることを。空気には、圧力が低下すると温度も下がるという性質がありますので、上空ほど気温が下がり、寒く感じるのです。』


 いきなり、コーランディア先生による理科の授業が開始された。


俺は理科が大の苦手である。高校でも化学だの生物だの物理だのに苦しめられてきた。


そもそもの発端は、中学の時の理科教師がなよっこくて、俺たちのクラスが授業崩壊してしまい、まともに基礎を習得しないまま終わってしまったからだと俺は推測する。だが、その教師が全て悪いと言ってる訳では、決してない。授業崩壊を起こしてしまった俺たちにも、責任はある。だから、俺の元クラスメイトたちは、高校なり大学なりで苦労しているんだと思う。現に俺がそうなのだから、間違ってはいないだろう。


「なぁ、後どれ位で着きそうなんだ?」


俺は両肩を全力で擦りながら、俺の後ろにいるグランに問いかける。いい加減極度の寒さと空腹で、どうにかなってしまいそうだ。一刻も早く、熱い風呂と食事の提供を要求する。


「着いたぞ?この真下が王都だ。」


グランはそう言って、コーランディアにゆっくり降りるよう指示を出す。


 ここが王都。やっぱりファンタジーにはテンプレな都市だ。レンガの家、石畳、長く続く出店や屋台、大きな噴水、王都をぐるりと囲む高い城壁、壮大な美しい城...。


ここまで王道だといっそ清々しいよな。


「よーし、着いた着いた。...お前、何時までコーランディアに乗ったままのつもりなんだ?置いてくぞ?」


あれ、いつの間にか俺たちは、王都前の門の前に着陸していて、グランに至ってはコーランディアの背から降り、荷物を抱えている状態。俺はボーっとコーランディアの背に乗ったまま。


『私は、別にリチが何時まで乗っていても構いませんが。』


「い、いえ、結構です!全力で拒否させていただきます!乗せてくれてサンキューな、コーランディア。助かったよ。」


健全なる日本男児たるもの、感謝の言葉は忘れずに。


『いいえ、リチの頼みでしたら、何時でも引き受けますよ。何かありましたら、私の名を、呼んで下さいね?...30秒で向かいます。』


「いや、それは流石に早すぎるよ。」


俺が苦笑したのが分かったのか、コーランディアは再び翼を広げ、空へと飛んでいった。



上空が寒かったからか、此処は楽園のように温かい...。




「こいつ、ちょっくら頭おかしいが、まぁ俺の連れだ。見逃してくれ。」




...おいこらグラン。門番のカッコイイお兄様方に向かって何てこと言ってくれやがんだ、この爽やか戦闘狂。


しかも門番さんも門番さんで、何納得したみたいに「はい」って全力で俺見ながら頷いてくれちゃってる訳!?


俺が頭おかしいなんてことは、断じてありえないはずだ!

「ちんたら歩いてないで、さっさと行くぞクリ。」



...そう言うんだったら、俺の襟首掴みながら引き摺らないで下さいますか?俺、軽く窒息しそうなんですが。...っつーか俺はお前の荷物じゃねーし。


 グランに引き摺られている俺が余程珍しいのか、俺たちの行く先には少しずつ、野次馬が集まっていた。


何か言ってるみたいだが、今はそんなものを一々気にしてる場合じゃない、マジで息が...!

「やっと着いたぜ。教会にな。」


教会。


それは俺のいた世界のそれとはスケールが違い過ぎて、一瞬城か何かかと思ってしまうような代物

だった。巨大なのに華美ではなく、厳かな雰囲気を醸し出している。ステンドガラスには、この国の紋章のようなものが美しく描かれている。重厚感溢れる大きな木の扉を、グランはいともたやすく開けた。


「ギースウェール新官長はいるか?」


「グラディールかい?よく来ましたね、待っていましたよ。」



グランの問に答える形で現れたのは、サラサラなロングストレートの銀髪の人。白いローブのようなものを身に纏い、右手には分厚い書物を抱えている。綺麗な人だ。


「この子がクリ・ホノセ君だね。話は大体分かっていますよ。」

にこりと微笑む姿が眩しすぎて直視できないだと...!何という笑顔の破壊力!イケメンの笑顔は時として武器にもなるものなんだな。






だがな、一個言わせてもらうが、






「すみません。俺の名前はリチなんですけど。」

コーランディアが去ってしまいました。そして新キャラ登場!名前はギースウェールさん。美人な神官長です。彼は一体何者なんでしょうか?次回、その秘密が明らかになるかもしれなくもないかもしれない!お楽しみに!


そして、何ということでしょうか!!つい先月の終わりから連載始めたばかりにも関わらず、週間ユニークユーザ106人、ブクマは+2件増え、計5件になっておりました!!本当に有り難う御座います!!この話を書く前にこのことを知り、驚きの余り、タイトルと作者名を間違えたかと、何度見返したことか...!感謝します!これからも、リチのほのぼの異世界ライフをよろしくお願いします!

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