37. 話の対応は大体主人公で決まる。
今回は、前回に引き続きセバスチャンさんについてのお話にしたいと思います。
それでは、どうぞ!
「仕方無いではないですか。私と同じ境遇の人間がいるとは、当時の私には想像もできず、ストレス発散する方法が、騎士団長弄り位しか見当たらなかったのですから。」
そう言うセバスチャンさんの笑顔には、以前、姪の致死率100%クッキーを俺に食わせようとしていたこの世界の父親の、ブラックなそれと酷似していて、俺の背筋が一気に凍り付いたのが分かった。俺は乾いた笑いを浮かべながら、ギルとセバスチャンさんは同種の人間なんだろうな、と思わずにはいられなかった。
「まぁ、私は恋人いない歴=年齢でしたので、そこまで悲観的になることもなく、『あ、俺でも嫁ができるのか』と、その時は思っておりましたので、魔王討伐前に籍を入れたのは誤算でしたが、それなりに嬉しかったんですよ?」
それでも気になって、奥さんに何故結婚を早めたのか聞いたところ、「魔王討伐後に結婚しようと思っても、どうせ勇者の血の欲しさに、王族がそれを許さないだろうから。」とか、「もし、魔王討伐が成されないままセバスチャンさんが亡くなる、もしくは元居た世界に帰ってしまっては困るから。」とか言われたらしい。
「愛されていたんですね、セバスチャンさん。」
俺が羨ましそうに言うと、セバスチャンさんは苦笑して言葉を続けた。
「妻を見ていると、何故私にあんなに固執する...と言いますか、執着するのか分からないのですが、私の後にこちらにやって来た勇者に聞いたところ、それは彼女が『ヤンデレ』という種族だからだ、と言っておりました。『ヤンデレ』というものが、私には理解し難いのですが、教えていただいてもよろしいでしょうか?」
や...ヤンデレな奥さん...だと!?それは、さらに御愁傷様、と言わずにはいられない。...まぁ、そういう趣味趣向を愛する方であれば別だけども...。
ヤンデレとは、その人を表す形容語の1つだ。「病んでる」と「デレ」の合成語であり、広義には、精神的に病んだ状態にありつつ他の人に愛情を表現する様子を指す。一方、狭義では好意を持ったその人(「デレ」)が、好意が強すぎるあまり、精神的に病んだ状態になることを指す、というものだ。
「...つまり、相手を拉致監禁して、自分だけの世界に閉じ込めておきたい衝動に駆られる人とか、相手が他の人と喋っている現場を目撃すると、その他の人を激しく殺してしまいたくなってしまう人とか...。後は、意図的に外堀から攻めまくって、相手を絶対に逃げられないようにしてから、自分の手中に収めてしまう人、とかですかね...。俺の言ってる例もあくまで一例であって、それが全てでも正しいわけでもありませんがね。...結構ぶっ飛んだ思考の持ち主のこと、ですかね。」
俺が言い終わらない内から、表情が苦笑から変わらず動かなくなってしまったセバスチャンさんを見るに、やはり奥さんはその系統のお方だったのか、と同情せずにはいられなかったのだ。
一旦これでセバスチャンさんの過去編は終わりにしたいと思います。次回は、時間軸を元に戻し、聖剣探索についての話にしていきたいと思います。
ブクマ件数がですね、またもや1件増えまして、計28件になりました!ありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願いします!




