32. 話の反映の仕方は大体主人公で決まる。
ちょっと日が開きましたが、この小説を書き始めて四カ月が経ちました。月日が経つのは、あっと言う間ですね。
さて、今回遂に初代勇者の館に到着したリチ君一行。そこに待ち受ける人とは、一体何者なのでしょうか?それでは、どうぞ!
薄暗い森の中心部に、ぽっかりと開いた大きな平地。そこに、初代勇者の館は、今日もひっそりと佇んでいた。中世ヨーロッパ風の少し古びた洋館で、外の壁には蔦がくっついている状態だった。...何だか、B級のホラー映画とかゾンビゲームとかに出てきそうな洋館だなおい。俺が青い顔して、自然に両腕を擦っているのに、横にいる二人は何食わぬ顔して館の方へと進んでいく。驚き半分恐怖半分で俺もついて行くしかなく、若干涙目なのは、触れないでくれると大変ありがたい。
しかし、怖そうなのは外装だけだったようで、大層な門を通るとこれまた大きな噴水が姿を現した。中心部に美しい女神がいて、両手でしっかりと大きな壺を抱えて、それを天高くに掲げ、その大きな壺から水が溢れる仕組みにしているようだ。女神は目を閉じて『我が清き水を与えようぞ』と言っているみたいに見える。その周りを水が囲んでいるのだ。凄い趣味しているな、俺のご先祖様。
その噴水の先に、正面玄関が存在する。一見重そうなその扉だが、グランが左手をその扉に添えるだけで、意図も容易く開いてしまった。俺の住んでいたところで言うところの『指紋パス』みたいなもんだろう。
中は、円状のエントランスになっていて、その先には緩やかな螺旋階段があった。その階段と俺達のいる場所までは赤い絨毯が一直線になっていて、何処のセレブの御屋敷だよ、と心の中でツッコんでいた。
此処は、光で溢れていた。まだ夕方で火が無くても明るい時間帯にも関わらず、真昼間のような輝き。何でこんなことになっているんだ?
「初代勇者様の館にようこそいらっしゃいました。資料をご覧になられにいらしゃったのですか?」
俺は、音も無く現れた黒い燕尾服の老紳士に驚きつつ、『資料?』と、はてなマークをそのままグランにぶつける勢いで顔を向けた。俺の疑問に答えてくれたのは、先ほどの老紳士だった。
「此処は、初代勇者様の生前お住まいになっておられた館であると同時に、歴代勇者様方が戦ってこられた数々の闘いを記録する、資料館としても解放しているのでございます。申し遅れました、私、此処の館長を務めております、セルバート・ランドバーグと申します。」
「この人も、歴代勇者の内の一人なんだぜ?因みに、この人のことは、セルさんって呼んでる。」
グランが自慢げに続ける。俺は驚きを隠せないまま、「それは昔の話ですよ、おいぼれは、今では剣すらまともに握れないほどに弱くなりましたから。」と苦笑するこの館のセバスチャンさんを見つめる。その柔らかな物腰に、執事のような雰囲気を抱かせる。よって、セルバートさんのことは、館長よりも執事の方が性に合っていると見た!執事って言ったら、執事=セバスチャンってイメージなので、そこは譲れない。これ、共感してくれる人、俺と友達になろう、今すぐに!
...と、現実逃避はさて置き、この人も歴代勇者だったのか。ということは、だ。この人も元は異世界から来た人ってことになるな。
「本名は、トオル・サクラダと言います。最も、あなたには『桜田 透』とお伝えした方が、聞き馴染みがあるでしょうがね。」
...やっぱりだ。このセバスチャンさん、桜田さんっていう人なんだ。そして、ほぼ核心に近いが、日本の出身だろう。
「俺の名前は、保之瀬 栗です。あ、此処ではリチ・ホノセと名乗っています。」
俺が名乗ると、「やはり、あなたも...」と、何だか我が子を見るような慈悲深い笑みを濃くし、セバスチャンさんは俺の頭を撫でた。
新しい人が登場しました、セバスチャンさんです。物腰柔らかなカッコイイおじ様にしたいなぁ...という願望が...!
そして、ブクマ件数が+1件され、23件になっておりました。ありがとうございます!Twitterの方お返事遅くてすみませんが、キチンとお礼はさせていただきます!これかも、作品作者共々、よろしくお願いします!




