30. 話のモチベーションは大体主人公で決まる。
本日二度目の投稿になります。
今回は、主に前回出会った女性についての話になります。それでは、どうぞ!
「彼女の名前は、ジュリエット・ギルティア・ノットリニ。見ての通り、エルフだ。」
「...ジュリエットです。どうぞ、ジュリアと呼んで下さい。」
グランの紹介の後、目を伏せながら名乗ってくれた彼女は、俺の予想を裏切ることなく、エルフその人だった。とは言っても、彼女は純粋なエルフではないのだそうだが。
「私のセカンドネームにある『ギルティア』とは、罪の名です。...私は、エルフと天使の間に生まれた罪深き子なのです。それゆえ、子である私にこのような名が付きました。」
うおぉ、いきなり重たい話が来たぞ。思わずグランの方を見てしまう。説明プリーズ。
「この世界では、基本的に異種族間の恋愛と婚姻は、認められているんだ。過去の勇者の中には、実際にエルフと結婚して子供を作った人もいるらしい位だしな。...だが、認められない異種族恋愛ってのが、この世界にもやっぱり存在するわけなんだ。その一つが、『天界に住まう天使』との恋愛だ。」
「因みに、他にはどの種族とのものが禁止されているんだ?」
グランの説明によると、天使の他に二つ存在するんだそうだ。それは、『ドラゴン』と『この世界を治める神』だと。ドラゴンは、寿命が他種族に比べ圧倒的に長いが、それだけ、一つの恋を一生涯引き摺るという重度の一途さで有名なんだとか。よって、ドラゴンと軽はずみにでも恋に落ちてしまったら、ドラゴンにとって残酷なことをしていることになる、という理由から、ドラゴンは同種族間のみの恋愛しか認められていないのだそうだ。天使と神については、本来この世界に降り立つことは許されていないので、この地にいる、という事実が既に処罰の対象になるのだそうだ。
だが、時にはドラゴンや天使、神との間に生まれた子というのがいるのだ。そういう子は自身の両親の罪を背負い、セカンドネームは共通して『ギルティア』とするのだそうだ。
「...だから、ジュリアさんのセカンドネームが『ギルティア』なんだ...。そのことは、よく分かった。それと、さっきの視線もジュリアさんのもの、と確定させても良いんだよな?」
俺はグランに向けていた顔を再びジュリアの方へ向けた。ジュリアはこくりと頷き、言葉を続けた。
「グランさんの隣に誰かが並ぶなど、今までありえませんでしたから。少し、気になってしまっただけです。やはり、分かりやすかったですか?」
「分かりやすいっつーか、もろクリを視線だけで射殺そうとしてただろう?それから、クリが散歩していた時も、湖に波紋作って波にしてからクリを襲おうとしてただろうが。」
クリは騙せても、俺には通じんぞ?と言わんばかりのどや顔をして、グランは言った。俺は意味が分からず、グランの方を見た。
「...余りの肌の白さに、思わず女性なのかと思ってしまって...。申し訳ありませんでした。」
「ジュリアまでそれ言うか!?俺は正真正銘男だっつーの!!なんだって俺が女に見えるわけ!?」
最早言われ慣れそうな一言を女性にまで言われ、俺は本気で泣きそうになったのであった。
今回で3章「物語の王道的展開は大体場所で決まる。」は一応の完結となります。次話からは第4章へと続きます。次回は、遂に、リチ君一行が初代勇者の館に到着します!(予定)お楽しみに!




