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話の流れは大体主人公で決まる。  作者: 櫻井 千桜
3章 物語の王道的展開は大体場所で決まる。
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27/69

27. 話のおさらいは大体主人公で決まる。

今回は、2話連続投稿のため、少し日が開きました。

サブタイトル通り、この話は、今までのおさらいも含めた話にしております。軽く「あ、そんなのいたねぇ」みたいな気分で読んで下さい。

それでは、どうぞ!


 旅に出るにあたり、俺は早朝出立だからか、かなり眠たそうにしているグランに向かって疑問を提示した。


「なぁ、今回もコーランディアに乗っけてもらうのか?」


コーランディア、本名はコンテラントウェアーラナトスクウィンディランティア。水を守護するドラゴンにして、グランの相棒だ。性別は女。俺に対しての愛が重い気がするが、あまり気にしてはいない。以前、俺はグランとこの教会に来るまでの移動を、コーランディアに乗っけてもらうことで短時間で済ませることができていたのだ。その代わり、代償は凍ってしまいそうな寒さだったけどな。


「いや?今回最初の目的地は隣村にあるんだ。コーランディアに乗ってたら、逆に面倒なことになるからな。歩いていこう。」


口を大きく開けてあくびをしつつ答える様は、本気で面倒臭がっているようだ。こいつ、戦闘以外に関しては、何でも嫌がるのな。


「んじゃあ、そろそろ行くか。」


そう言って歩き出したグランに置いて行かれまいと、俺もグランの後に続いた。


 俺達が目指すのは、聖剣がぶっ刺されていた場所、すなわち、初代勇者が隠居生活をしていた館だ。その村には、その初代勇者の館しかなく、周りはうっそうと木が生い茂っている深い森なんだそうだ。確かに、そんなとこに大きなドラゴンが降り立ったら、自然破壊だって環境保護団体からクレーム来そうだ。


旅あるあるな魔物との戦闘に関しては、戦闘大好きグランさんにお任せした。お忘れの方もいるでしょうが、俺は両手が蛍光黄色で、強力な魔力を持っているってだけで、まだ何もできない一般人なのです。それは、この世界に来た当初、草原で見つけたキイロケイコークサと呼ばれる草(その名の通り蛍光黄色をした謎の猫じゃらし)の粉が両手に降りかかってしまったからである。ギル曰く、いきなり強力な魔力を手にしてしまうと、その力ゆえに扱いが難しく、使い初めに暴走してしまっては、俺の体的にも、この世界的にも危険なんだとか。よって、俺は魔法を使えない。非戦闘要員なのである。


因みに、グランの弟子であるヴィオレッタだが、彼女は今回の旅には同行しないこととなった。彼女は凄く行きたがっていたのだが、グランがどうしても駄目だと言って聞かなかったのだ。その後、俺が理由を聞いたところ、


「あの子は、訓練だと強い。並みの騎士でも太刀打ちできないだろう。だが、実践になると、話は変わってくる。あーいうタイプは、過去の戦闘を何時までも引き摺るからな。初陣での戦いから立ち直れていない者が、魔物との闘いで力を発揮できるとは、到底思えない。足手まといはクリだけで十分だ。」


と、余計なことまで言われたが、要するにグランは、傷つく奴を最小限に減らしたかっただけらしい。それをヴィオレッタに伝えたところ、渋々ではあるが納得してくれたので、一安心したものだ。


かくして俺とグランは隣村を目指して歩き始めたわけだが、不思議なことに、ダンジョンらしいダンジョンには見えないのだ。地面は大きめの石を綺麗に敷き詰めていて、森、というよりは小さな林、と表現した方が合っている気がする。人が開拓したと言えば聞こえはいいが、これでは冒険らしくない。RPGなんかによくあるチュートリアルにしては、魔物が一体も出てこない。出現率が低すぎる。まぁ、王都近くなのだから、魔物討伐はギルドの依頼にもあるとグランは言っていたが...。ただ純粋に、本物の魔物がどんなものなのか、見てみたかったのだ。


俺が一人でふてくされている理由が分からないグランは、それでも歩みを進めることなく、先祖の住んでいた家に向かったのであった。

前回の投稿からまたブクマ件数が+2件され、計21件となりました!ありがとうございます。いつも感謝しっぱなしです。これからも、どうぞリチ君のほのぼの異世界ライフをお楽しみ下さい!

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