19. 話の回想予告は大体主人公で決まる。
暫く日が開いてしまい、すみません。しかし、前回の予告通り、ヴィオレッタさんの過去編へと突入するかも...?という回にする予定です。それでは、どうぞ!
教会の入り口から左に逸れた小道を進むと、神官長であるギルが大切に育てている、美しい花達の楽園が広がっている。グランとヴィオレッタは、俺の歩調に合わせながら、ゆっくりとそこまで歩みを進めた。ここにある花は、俺のいたとこにあるものも多く咲いているが、そこは異世界、俺の知らない花や見たこともない色や形をした植物も多く存在しており、初めて見た時は、その花々の美しさに、その場を動くことができなかったくらいだ。
俺は、完治したばかりの体に鞭打って此処まで来てみたものの、何を話せばいいのか分からず、終始無言の状態を続いていた。そんな中口を開いたのは、歩みを止め立ち止まったヴィオレッタだった。
「懐かしいです。この花園は、私の育った屋敷の庭園と、よく似ています。」
感慨深いところがあるのだろう。少し涙ぐんでいるその姿は、痛々しいものだった。俺は、後ろにいたヴィオレッタの傍にゆっくりと後退し、その華奢な背中を優しく擦った。「ありがとうございます」と言ったきり、何も話そうとしないあたり、やはり彼女の身に起こったことと、この庭園の風景が、何か酷似しているのではないだろうか?グランも、俯いたヴィオレッタの方を向き、眉間に皺を寄せている。こいつには珍しいしかめっ面だ。何か知ってそうだな。
「なぁグラン。彼女の身に、一体何が起こったんだ?」
俺はヴィオレッタの背から手を放し、グランの方へ小声で話した。すると、グランはしかめっ面を止めて真顔になった。
「そーいうのは、俺の口から言えることじゃない。この子がお前を、心の底から信頼できるようになったその時に、自然と話してくれるようになるさ。」
グランはそう言うと、俺の頭をわしゃわしゃと撫でた。俺は頭がグラグラと揺れるのを感じると共に、何故か横から恨めしそうな視線を感じた。不思議に思った俺は、グランの手を払いのけ、視線の感じた方を向いた。
・・・、あれは、見ない方がよっぽど幸せなんだろうな。俺は、泣かないようにと必死になりながらも、零れる涙を拭きもせず、羨ましそうに、そして、俺を視線だけで殺せるかのような激しい乙女の眼差しと合ってしまった。多分、理由は俺の横で払われた手を「イッテー!!」とか言いながら擦りつつ、だが、絶対痛くないだろうなとも思える爽やか笑顔でこちらを向くグランが原因なのだろう。俺は「ヒィィ!!」と情けない悲鳴を上げ、グランの背中へと身を隠す。それが彼女にとって更に癪に障ったのか、俺は暫くの間、彼女からの鋭い視線に怯えることとなった。
彼女が俺を心の底から信頼してくれるようになるのは、まだまだ当分先の話になりそうだ。俺は深くため息を吐きながら、雲一つない美しい青空を、ずっと眺めていた。
え~、結論から言いますと、ヴィオレッタさん過去編(仮)は、まだまだ先になりました、すみません!何だか、自分のキャラの暴走を止められず、勢いで書いておりますから、中々、上手くいきません。ですが、頑張って書いていきたいと考えております。これからも、リチ君達のほのぼのライフをよろしくお願いします!




