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第21話 開拓始動

鬼族を住まわせたダンジョンの前には簡素な木製の門ができた。

住み着いた村人たちが自主的に作成したものだ。

思えば入り口がただの洞窟では住まいとして見てくれが悪い。

最優先の部屋作りがぎりぎりだったとはいえ、配慮に欠けていたか。


入り口周辺には石組みの炊事場もでき、木製の屋根もある。

脇のほうでは風呂場も建設中のようだ。

シャワーは用意してあるのだが温泉郷の住人には物足りないのだろう。


さて、栽培人のローズの召喚で農業も一応は始動するはずだ。

後回しになっていた新ダンジョンの防備を固めよう。


まずは固定型単機能ゴーレムを13体召喚する。

13体という数字に特に意味はなく、単に現在召喚できる最大数だ。

これは主に直線通路の端に埋め込み、侵入者の迎撃を行う。


迷路状の2~3層の上部は忍者用の通路として空けてある。

これは身の軽いものや飛行能力のあるものが壁を飛び越えるリスクもある。

天井近くに埋め込んだゴーレムは壁の上を超えようとするものを打ち落とす。


物理刺激で作動する単純な罠のほうがコストとしては安くなる。

ただ、ゴーレムなら簡単な条件設定などができるのだ。

といっても、顔認証は精度が低く、仲間を覚えさせるのは難しい。

それでも同じダンジョンのガーディアンか否かはほぼ確実に判別できる。


日を改めて今度は忍者娘を4人召喚する。

ジャイアントボアの腱を素材として使い、運動能力が少し向上している。

狐耳の夏風、鬼娘の冬風、猫耳の海風、ダークエルフ風の島風だ。

ローズのときと同じ演出をたっぷり4人分見せ付けられた。

召喚対象が子供の場合、さすがにこれはちょっと困るかもしれない。

人間じゃないのだから気にする必要もないのかもしれないが・・・。


今回は敢えてまた子供サイズにしてある。

迷路のそこかしこに子供しか通れない抜け道や隠し扉があるのだ。

また、壁にはあちこち穴が開いていて、壁越しに投擲攻撃ができる。

それらを使って侵入者を翻弄してもらうつもりだ。

攻撃力は低いが、ゴーレムの攻撃をうまくアシストして欲しい。


天井付近には忍者用の通路として不規則に梁のようなものが渡してある。

これも大人では天井に頭をぶつける程度の高さに調整してある。

歩きにくい上に忍者とゴーレムの攻撃を受けながらでは進めまい。

それでも上部を突破するもののために、天井まで塞ぐ壁も部分的に設置している。

地上ほどではないが、上部でもジグザグに行かなくてはならない。


引越しのごたごたが落ち着いた鬼族から、働きたいと言う申し出があった。

来年の春に向けて山の麓の土地30m四方ほどを開墾してもらうことにする。

洪水などに備えて重要施設や避難所、住居などは高い位置にしたい。

農地も重要ではあるのだが、備蓄があれば直接人命に響くわけではない。


ローズが土地を選定し、ミカエルたちと鬼族が伐採を進めていく。

その際、樹齢200年を越えそうな樹は残しておくように指示した。

明確な理由があったわけではないが、なんとなくそうしたかったのだ。

太い木は木材として使うために、枝をあまり払わずに脇に避けて置く。

うろ覚えだが、枝をつけたまま乾燥させたほうがいい木材になるときいた。


切り株の除去は拍子抜けするほど簡単に進んだ。

鬼族の男たちは体も大きく、人間の何倍も力が強い。

ガーディアンのミカエルとガブリエルはさらに強い。

ダンジョンの魔力で筋力強化した俺はもっと強い。

小型の重機が何十台も揃っているようなものだ。


掘り出した根は細かくきって乾燥させ、燃料や木工素材にまわす。

後はローズや子供たちも加わって下草と小石の除去だ。

そんな作業を日々繰り返し、9アール分の土地を開墾していった。


泥まみれの作業が終わって拠点に戻ると、それぞれ風呂やシャワーに向かう。

ローズはと言えば、手で軽く泥を払うと服は新品のようにきれいになる。

彼女は体も服も汚損・破損が自動修復されるため、入浴の必要はないのだ。

とはいえ、鬼族の目もある中で野良仕事を終えた女にシャワーを勧めないわけにもいかない。


一樹「ローズ、お前もシャワーを浴びてくるといい。俺は部屋に戻る」

ローズ「はい」


返事をしながら、ローズはいたずらっぽくウィンクしてみせる。

見ろ、という合図だ。


拠点に戻ると、モニターに空き部屋のひとつで服を脱ぐローズが映っている。

アネモネといいローズといい、なぜこうも俺に裸を見せたがるのか。

いや、見せたがっているのはなるみなのだろうか?


なんにしても、見せてくれるというのなら有難く拝見しよう。

エロ本もエロサイトもない世界というのは地味につらい。

俺はローズの肢体をモニター越しにたっぷりと堪能した。

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