第一話 『出発点』
今日は三話投稿です、これは一話目です。
この話の投稿十分後に二話と三話が投稿されます。
ーーーここはどこで、こいつは誰だろうか。
何を言っているんだ?と問いたいだろう。まあ自分が一番言いたいが。
目が覚めたら見知らぬ場所にいて、目の前の大男に無言で睨まれ続けるこの時間はただただ苦痛であった。
かれこれ睨み合いは数分続いている。目を合わせるのに疲れたので、改めて部屋を見回してみる。
部屋にはいかにも怪しい巨大な斧や鎧、盾などが飾られており、他にも机や大きな扉がある。
そのなか、その男が自分を睨みつけてくる。
大きな机に座っており、顔は前世で見た人気男性アイドルグループのセンターとかより全然整っている。服装は、豪華な金色の刺繍が施された黒い服。そんな見るだけでも恐れ多いイケメンがこっちを睨んでいる。
今はそんな恐ろしい男と数分間も睨み合っていた自分の方が恐ろしくなってきた頃合いであった。
そして、自分はもう一度その目をみる。というか睨む。意味はない。
まさに一触即発の中、黒い服を着た男が口を開いて言った。
「お前はもう、死んでいる。」
彼は何を言っているのであろうか。
「…ダニィ?」
俺も相手とは違う某有名漫画の王子様みたいな声で言う。
「もう一度言う。お前はもう、死んでいる。」
「ーーー。」
上から目線に腹が立つ。初対面の相手に一番最初にかける言葉か?と疑問に思う。
気になってその男を指差して怒鳴る。
「誰だね君は、コンチクショー!そしてここはどこだ!」
「コンチクショーとはなんだ。お前も初対面でかける言葉か?」
あくまでも黒い服の男は冷静に返してくる。服からして豪華だから上役なんだろうが、どうせ部下から嫌われているんだろう。初対面で失礼かもしれないが。
そして問う。
「まあ、それはおいといて、『死んでいる』ってどういうことですか?ていうか、ここはどこですか?」
切り替えは得意tだった。
男は、すました顔でサラッと言う。
「言葉通り、文字通りだ。ここは冥土。お前は前世で死に、ここにきた。そして俺はーー」
「待って。えーーーとぉ。へ?俺、死んだの?」
「何度も言っているじゃないか。」
実感なさすぎて黒服イケメンの冗談かと思っていた。
どうやら自分は死んだようだ。
いやに清々しく思う。前世では年齢21。高校までの学生時代に周りから浮いていたことのトラウマが原因で、苦労して入った三流私大を中退して引きこもったナイスガイニートだった。途中無職が嫌になってバイトをしてみようと思ったが、面接の時点で人の視線や面接の空気が怖くなり、できなかった。親の脛をかじりまくって生きている虚しい人生だったので自分でも清々している自分がいた。悲しいことであるが。
「じゃあ、死んでるのになんで俺こうやってここに立ってるんですか?」
それに対し、男は言う。
「冥土とは、死者の魂の行き先を決める場所だ。行き先としては、『天』『現』『異』『獄』がある。簡単に言えば順に天国に行く、現世に帰る、異世界に行く、地獄に堕ちるの四つだ。お前には、『異』に行ってもらおうと思い、ここに立たせている。」
どうやら、このまま死なせてはくれないらしい。
「お断りし——」「あ、決定事項ですので。」
驚いてバッ!と振り返る。青い髪の綺麗なお姉さんが扉の前ーーというより座っている男の隣に立っていた。
こちらも前世のアイドルより全然綺麗な女性であった。
「いつのまに…って決定事項?」
危うく見惚れそうになり、慌ててお姉さんに問い返す。
「はい、早いもの順に『いけそう』な方から言ってもらう方針でございます故。ちなみに、あなたが来るまでは
『いけそう』な方はいらっしゃりませんでした。」
『いけそう』な奴とは、何基準なのだろうか。
「『いけそう』な奴ってのは何基準ですか?ていうかなんのこと?」
お姉さんは、にっこり笑って答えてくれる。
「もちろん、なんとなくですわ。向こうの世界で上手にできそうかってことですわ。」
———逃げるという選択肢は、単純な自分の頭からは消えた。
「僕が行くしかないと。いいですよ、やってやろうじゃありませんか!やってやんよ!」
「そう言っていただけてまことに嬉しいですわ。」
覚悟はできているが、む違う世界に行くにあたっての説明などはあるのだろうかと思い、聞いてみる。
「あのー、あっち側の世界に行くにあたっての説明とかってあったりします?向こうで何をするとか。」
「甘えるな、あるわけないだろ」「そんなものあると思いました?」
と、二人揃って即答した。
どうやらここには一筋縄ではいかない癖つよな人しかいないようだ、と再認識する。
「…分かりました。あ、最後に2人のお名前とかって教えてもらえまs」
「準備整いました!異世界へ〜レッツラゴー!!」
「早いいい!そして言葉が古いいいい!!」
「あ、申し遅れました。私の名前は愛神、彼は主神ですわ。」
「それはちゃんと答えてくれるんだ…って神様だったんですか!?心の中であいつとか言ってスイマセンでしたー!!」
その言葉を最後に、男はその場から消えた。
こうしてこの男は異世界へ転生したのだった。
お読みくださりありがとうございます。
連載開始ということで、今日6/20に第一話から第三話、明日6/21に第四話から第6話を投稿いたします。




