第二話 最初の司令
本作品はフィクションです。登場する人物、団体、企業、鉄道会社、地名、出来事などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
司令長就任から三十分。
舞洲鉄道運行司令室では、朝のラッシュ時間帯を迎えていた。
通勤、通学ーー。
様々な用途で使われている舞洲鉄道では舞洲本線をはじめとする各線では、次々と列車が発着していた。
運行司令センターの中央にある大型モニターには舞洲本線をはじめとした、舞洲鉄道各線を走る列車の位置が表示され、司令員たちは無線や電話で各路線の状況を確認している。
そんななか司令長は静かにモニターを見つめていた。
一見すると落ち着いた空気の司令室。
しかし、その空気には張り詰めた緊張感が漂っている。
列車は一分一秒たりとも待ってはくれない。
ほんの小さな異常が、やがで大きな混乱を招くことがある。
その全てを見極め、判断を下す。
それが司令長の仕事、使命である。
『司令長』
ベテラン司令長が声を掛ける。
『朝ラッシュですので、今は順調ですが何が起きてもおかしくありません。』
司令長は小さくうなずく。
『だからこそ、落ち着いて対応する。それが私たちの役目です。』
何気ない話、何事もなく朝ラッシュが過ぎていたその時。一報の無線が来る。
『運転司令、104M』
担当司令員は素早く対応する。
『こちら運転司令。』
『104M、京橋駅到着前で車両故障が発生しました。現在停車中です。』
司令室の空気が一変する。
『故障内容を詳しく。』
『現在確認中です。パンタグラフ、架線に異常は見当たりません。車両側の故障と思われます。』
担当司令員が振り返る。
『司令長。舞洲本線上り普通列車104Mより、車両故障の第一報です。』
司令長はすぐに立ち上がる。
『104Mの現在位置は?』
『京橋駅到着前です。』
モニターには104Mが本線上で停車していることを示す表示が映し出させる。
司令長は画面を見つめたまま、静かに口を開いた。
『104Mの乗客の安全確認を最優先。車掌にも状況確認を依頼してください。』
『了解』
司令室が一斉に動き出す。
無線、電話、キーボード。
静かだった司令室は、一瞬にして緊迫した空間へと変わった。
若き司令長が下した最初の司令。
その判断が、この朝の舞洲鉄道を大きく左右することになる。
そして、この車両故障は、誰も予想していなかった新たな事態へと発展していくのだった。
後書き
第二話を読んでいただき、ありがとうございました。
今回から、いよいよ司令長としての物語が始まりました。
舞洲鉄道という架空の鉄道を舞台に、列車を支える人々の仕事や、運行司令の判断を描いていきます。
まだまだ始まったばかりですが、これから少しずつ物語を広げていきます。
次回もお楽しみに!
後書き
第二話を読んでいただき、ありがとうございました。
今回から、いよいよ司令長としての物語が始まりました。
舞洲鉄道という架空の鉄道を舞台に、列車を支える人々の仕事や、運行司令の判断を描いていきます。
まだまだ始まったばかりですが、これから少しずつ物語を広げていきます。
次回もお楽しみに!




