第一話若き司令長
【注意】
本作品はフィクションです。登場する人物、団体、企業、鉄道会社、地名、出来事などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
ここは、日本のどこかにある海陽地方。
豊かな自然と発展した都市が共存するこの地域では多くの人が住んでいる。その暮らしと移動を支えているのが舞洲鉄道である。
列車は決められた時刻に到着し、決められた時刻に発車する。
人々にとって、それは当たり前の日常。
しかし、その『当たり前』は決して当たり前のことではなかった。
運転士、車掌、駅係員、保線員、車両整備士ーー。
多くの社員が、それぞれの持ち場で使命を果たしている。
そして、そのすべての列車の運行を見守り、指示を出す場所がある。
舞洲鉄道 運行司令センター。
ここは、舞洲鉄道の列車運行を管理する中枢である。
大型モニターには、各路線を走る列車の位置が表示され、司令員たちは常に変化する状況を確認していた。
一本の列車を安全に走らせるために、わずかな異変も見逃さない。
予定通りに運行できているか。
乗客に安心して利用してもらえているか。
その責任を背負うのが、運行司令という仕事だ。
朝の勤務交代が行われる時間。
司令センターには、いつもとは少し違う緊張感が漂っていた。
「本日付で、新しい司令長が着任されます。」
その言葉に、何人かの司令員が顔を上げる。
若くして司令長に選ばれた人物。
その実力は、まだ多くの者には知られていなかった。
やがて、司令センターの扉が開く。
「失礼します。」
一人の若者が、静かに中へ入ってきた。
この日から、舞洲鉄道の歴史は少しずつ変わり始める。
後に多くの人々から「伝説の司令長」と呼ばれる男の物語は、ここから始まる――。
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