第十九話 復旧
※本作品はフィクションです。
登場する人物・団体・企業・鉄道・駅名・路線・車両などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
台風が海陽地方を通過してから、二日が経過していた。
舞洲本線では、営業運転が再開している。
しかし、空港線、舞洲東線とその他各路線はまだ運転を見合わせていた。
舞洲鉄道運転司令室では残る路線の復旧に向けて、最終確認が続けられていた。
『どうぞ。』
『海上橋の設備確認が完了しました。異常ありません。』
『舞洲空港駅の設備は?』
『こちらも異常ありません。』
司令長はうなずく。
『では、空港線の試運転を開始してください。』
『了解!』
舞洲空港駅に待機していた列車が、ゆっくりと動き出した。
空港線の線路を進み、海上橋へ向かう。
『試運転列車、海上橋へ進入します。』
司令室では列車の位置を確認する。
『風速、問題ありません。』
『架線設備も異常ありません。』
列車は慎重に海上橋を渡っていく。
そして――。
『司令長!』
『どうしました?』
『海上橋を通過しました!異常ありません!』
『了解。』
さらに列車は舞洲中央駅へ向かう。
『舞洲中央駅、進路確認。』
『問題ありません。』
やがて列車は舞洲中央駅へ到着した。
『試運転列車、舞洲中央駅到着。異常ありません。』
司令長は静かにうなずく。
『よし。空港線、営業運転再開の準備に入ってください。』
『了解!』
一方、舞洲東線でも最終確認が行われていた。
『司令長、舞洲東線から報告です。』
『どうぞ。』
『線路、信号、架線、すべての点検が完了しました。』
『異常は?』
『ありません。』
『では、舞洲東線も試運転を開始してください。』
『了解。』
舞洲東線でも試運転列車が走り始める。
司令室では、列車の位置を確認しながら各設備を監視する。
数十分後。
『舞洲東線、試運転終了しました。』
『異常ありません。』
司令長は大きく息を吐いた。
『では、舞洲東線も営業運転を再開します。』
『了解!』
その頃、その他各路線も安全確認が終了していた。
『司令長、その他各線も安全確認が終了したそうです。』
『わかりました。』
『その他各路線も試運転を実施してください。』
数十分後……。
『司令長!その他各線も試運転問題ありません。』
『了解しました。その他各線も運転再開してください。』
『了解!!』
その瞬間、司令室のモニターに表示されていた「運転見合わせ」の表示が、一つ、また一つと消えていく。
『舞洲本線、運転中。』
『空港線、運転再開。』
『舞洲東線、運転再開。』
『その他各線、問題ありません。』
司令員が次々と報告する。
そして――。
『司令長、報告します。』
『どうぞ。』
『舞洲鉄道、全線で運転を再開しました。』
司令長は大型モニターを見つめた。
台風が来る前、当たり前のように走っていた列車。
その当たり前が、ようやく戻ってきた。
『……これで、全線復旧ですね。』
一人の司令員がそう言った。
司令長はうなずく。
『はい。』
しかし、すぐに表情を引き締めた。
『ただし、まだダイヤは完全には戻っていません。』
『はい。』
『ここから遅れを整理して、通常ダイヤへ戻していきましょう。』
『了解!』
台風によって大きく乱れた舞洲鉄道。
その復旧作業は、最終段階へ入った。
そして司令長たちは、最後の仕事へと取り掛かった。
第十九話を読んでいただき、ありがとうございました!
今回は、ついに空港線と舞洲東線、その他各線が運転を再開しました!
第15話で台風が通過してから、安全確認、倒木の撤去、試運転などを行い、ようやく舞洲鉄道全線が復旧しました。
ただ、全線が動き始めたからといって、すぐに普段どおりになるわけではありません。
まだダイヤには大きな乱れが残っています。
そして次回、いよいよSeason 1最終話・第20話です!!
台風によって大きく乱れた舞洲鉄道は、果たして通常ダイヤを取り戻すことができるのか。
Season 1の締めくくり、ぜひ最後までお楽しみください!!




